永岑三千輝氏『大学改革日誌』 2005年3月1日付: 「第2回教員説明会」で、松浦CEO・福島部長が“恫喝”発言+松浦CEOが「私が責任をとります」と“公約”

 

http://eba-www.yokohama-cu.ac.jp/~kogiseminagamine/SaishinNisshi.htm 

 

・・・昨日の最高経営責任者・労務担当部長の発言で一番の問題は、任期制に同意しない者は昇任対象としないという部分であろう。すなわち、任期制と昇任とを結合させ、現在の公務員としての「期限の定めなき雇用」形態から、有期雇用の形態に何が何でも押し込んでしまおうとする態度をしめしたことだろう。・・・

・・・もうひとつ、繰り返し提起された問題は、新しい学部の応募者・受験生の「激減」の責任を誰がどのように取るのかという問題であった。来年もこのようであれば、「私が責任を取ります」というのが最高経営責任者の言葉であった。・・・(佐藤コメント:本当に“責任”を感じているのなら、来年などと言わずに、ただちに“責任をとって”辞めてもよいところだろう。来年になって、「そんなこと言いましたっけ?」などととぼけないでもらいたいものだ。)

 



3月1日 昨日(28日夕方6時から9時20分ころまで)、第二回教員説明会があった。最高経営責任者(予定者)及び大学改革推進本部労務担当部長の説明は、1時間近く行われ、その後2時間余にわたって会場参加者からの意見表明・質問とそれに対する回答があった。一番重要な任期制問題では、すでに行われた医学部の説明会での答弁と28日の八景キャンパスでの答弁とが違うことをはじめ、制度設計の全般にわたって重大な問題点がつぎつぎと指摘され、満足な回答は得られなかった。

しかも、そのように重大な身分上の変更に関わる提案(説明)を、2月15日になって行い、十分な規定等の整備抜きで、今回の説明会において、「任期制」への同意だけを迫る態度を示したこと(会場発言の言葉を使えば、「卑怯なやり方」)は、労使関係の根本的なあり方としても、重大な問題をはらんでいることが、教員組合委員長をはじめとする参加者から繰り返し出された。

いずれ教員組合も、昨日の重大な論点については整理し、文章化して法律問題、誠実な交渉義務の問題、就業規則提示の時期の問題、就業規則実施に伴う諸制度・そ規定の不備(欠如)の問題などを指摘することになろう。すくなくとも、現段階で任期制に同意をもとめられても、その判断材料が適正かつ公明な形で提示されていない以上、明確になるのは不利益がほとんどという状況では、問題外というのが多くの人の気持ちだったのではなかろうか。

           昨日の最高経営責任者・労務担当部長の発言で一番の問題は、任期制に同意しない者は昇任対象としないという部分であろう。すなわち、任期制と昇任とを結合させ、現在の公務員としての「期限の定めなき雇用」形態から、有期雇用の形態に何が何でも押し込んでしまおうとする態度をしめしたことだろう。これは、明らかな不利益措置であり、関係諸法律に違反するものといわなければならないだろう。

そもそも昇任(助手から准教授へ、准教授から教授へ)とは何を基準にするのか、その根本が問題になる。昇任とは研究教育業績を積み、大学の使命(学則に示される真理探究など)の実現度・その実績に応じたものではないのか? 任期に同意するかどうかを昇任の基準とし、差別基準とするのは、これは根本的に(憲法的な意味で)重大な問題をはらんでいるのではないか?そうした任期制の制度設計は、大学の研究教育の活性化とどのように関係するのか、まさにその説明責任こそが問題となる。すべては教員組合がすでに繰り返し指摘してきた論点であろう。昨日の説明会の態度は、それにまともに答えない態度だということである。

こうした昨日の説明会の問題点については、教員組合執行部がしっかり法律論をはじめとして、論点をまとめ、提起してくださるであろう。

「大学教員任期法」の精神にも、労働基準法の有期契約の精神(労使双方の良好な関係・労使双方に有利な契約という精神)にも違反しているような制度をこの時点になって最高経営責任者と労務担当者から聞こうとはと、愕然とする。いったいこれで、どれだけの人が「よしこれならやろう」という意欲をもてたのか(ほとんどの人は不利益・不安しか感じなかったのではないか、特に若い人々、助手、講師、助教授の人々はそうではないか)、これが昨日の総括的印象である。

           もうひとつ、繰り返し提起された問題は、新しい学部の応募者・受験生の「激減」の責任を誰がどのように取るのかという問題であった。来年もこのようであれば、「私が責任を取ります」というのが最高経営責任者の言葉であった。大学改革推進本部が学長以下の入試管理委員会の組織を使って行っている入試であり、昨年までの入試とは違って教授会による審議(入学者判定教授会)は行われていない。ポイントはこの教授会審議の欠如という点である。学校教育法にもとづく重要審議事項として教授会が持ってきた責任と権限をどのように実行するのか、まさにこの点が最も重要な問題であろう。従って、今回の入試システム自体の持つ根本的問題(少なくとも学則による教授会審議事項の無視)も、その責任の所在を明らかにする上では重要な論点となろう。