石原慎太郎東京都知事に対しての公開質問状 Malik BERKANE(マリック・ベルカンヌ)

 

都立大の危機 --- やさしいFAQ (2005.3.5)より

http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/kiki.html

http://tmu.pocus.jp/

◎ 2005年3月5日:Malik Berkane(マリク・ベルカンヌ)氏(フランス語学校「クラス・ド・フランセ」校長)が、2月25日付けで、石原東京都知事に公開質問状を提出。公開質問状ならびに抗議文の趣旨に賛同できる場合は、名前と職業を明記の上、同校のアドレスへinfo@classes-de-francais.com賛同のメールを。締め切り:3月25日。
COMMENT: 石原慎太郎東京都知事によるフランス語蔑視発言は,各方面で話題になりながら、なかなか広範囲な抗議活動と結びついてこなかった。そのひとつの理由は、「また都立大の教員が騒いでいる」というように誤解されてしまう所にあった。今回のように、フランス語教育に直接関わっている人からの声は,「都立大---首大」問題とは切り放したところで力を結集できるはずだ。
ベルカンヌ氏は都知事からの回答をまったうえで、場合によっては、今後さらに訴訟等を含めて対応することを検討しているとのこと。したがって、この署名簿は裁判所へ提出される可能性があることを承知の上で賛同の意を示して欲しい。
折しも「ばばあ発言」の裁判結果が出たばかりであるが,石原都知事は,事実を曲げて過激な発言を繰り返し、一般人に影響を与えることで知名度を保っている政治家である。このような行動を戒めてもらわねばならない。

 

http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/berkane-shitsumonjo.html 

http://tmu.pocus.jp/berkane-shitsumonjo.html 

石原慎太郎東京都知事に対しての公開質問状

Malik BERKANE(マリック・ベルカンヌ)

 

私たちは、2004年10月19日に行なわれた「Tokyo U-club」の会合で石原慎太郎氏がフランス語への冒涜的な発言をしたことに対して全面的に抗議します。


【参考資料1】

毎日新聞2004年10月20日24面「とうきょう ワイド」より
「バカでもチョンでも・・・」
理事長予定者が発言
首都大応援団設立総会で

来春開学予定の「首都大学東京」をサポートする会員制クラブ「the Tokyo U-club」が19日、都庁で設立総会を開いた。会長に就任した高橋宏・理事長予定者はあいさつの中で「大学全入時代、学校さえ選ばなければバカでもチョンでも、そこそこの大学に入れる時代が3年後に来る。首都大学東京は世界の共通の財産。有識者の声を反映した、いい大学にしたい」と発言した「チョ ン」は韓国・朝鮮人に対する差別的表現との捉え方もあり、今後、批判が出る可能性もある。
 また、石原慎太郎知事は祝辞で都立大のCOE返上問題に触れ、「一部のバカ野郎が反対して金が出なくなったが、あんなものどうでもいい」と述べた。都 立大でフランス文学やドイツ文学を担当する教員に首都大の構想に批判的な教員が多いことに関して「フランス語は数を勘定できない言葉だから国際語として失格しているのも、むべなるかなという気がする。そういうものにしがみついている手合いが反対のための反対をしている。笑止千万だ」と話した。(奥村 隆)


【参考資料2】

公 開 質 問 状

通知人マリック・ベルカンヌ(Malik BERKANE、以下私という)は、被通知人石原慎太郎殿(以下貴殿という)に対し、以下のとおり通知します。

1、私は、東京都港区赤坂8丁目4番7号において、フランス語学校「クラス・ド・フランセ」を経営しています。「クラス・ド・フランセ」は、1988年11月に創立され、現在、教師12人、生徒約300−350人を教え、日仏両国の交流と発展のためフランス語教育に取り組んでいます。

2、さて、東京都知事である貴殿は、去る2004(平成16)年10月19日、首都大学東京をサポートする会員制クラブthe Tokyo U-clubの設立総会において、「フランス語は数を勘定できない言葉だから国際語として失格しているのも、むべなるかなという気がする。そういうものにしがみついている手合いが反対のための反対をしている。笑止千万だ。」との発言をしたと報じられています。
 仮にこの報道内容が真実であるとすると、貴殿は、「フランス語は数を勘定できない言葉」であるとの虚偽の事実から、フランス語は「国際語として失格している」との、それ自体誤った事実を推論し、これら誤った事実を基礎にして、フランス語が「国際語として失格しているのも、むべなるかなという気がする。」という、誤った事実に基づく不当な感想を述べ、続いて、「そういうものにしがみついている手合い」、「笑止千万」との愚弄的な表現を用いて、フランス語教育に関わる者に対し、人身攻撃にわたる不相当な評価を下し、これらの人々の名誉を毀損したものといわざるをえません。 また、東京都知事である貴殿の知名度、マスコミでの取り上げられ方、社会的影響力等に鑑みると、「フランス語は数を勘定できない言葉」であるとか、「国際語として失格している」との虚偽の事実を、多くの東京都民その他日本国民が真に受ける虞も少なからず存在し、「クラス・ド・フランセ」やその他のフランス語学校の業務に支障を与える虞も無視できないものがあります。

3、現在、世界1億7千万人の人々がフランス語を常用していると言われています。また、国連等の国際会議においても、フランス語は公用語として用いられています。東京都は、1982年、フランスの首都パリと姉妹友好都市協定を締結し、2005年はEU-日本市民交流年でもあります。 このような諸状況に加え、多くの人々が日仏の友好発展のためにこれまで積み重ねてきた努力と営為を思うとき、他国の文化の集積・結晶である言語を、誤った事実認識に基づき、一方的に貶める上記発言は、絶対に許容されないものといわなければなりません。

4、そこで私は、貴殿に対し、以下のとおり釈明を求めます。

(1)貴殿が上記報じられた内容を発言したのは、真実ですか。
(2)「フランス語は数を勘定できない言葉」であるとの事実摘示が真実でないことを、貴殿は承認しますか。仮に承認できないとすると、貴殿は、いかなる根拠に基づき、具体的にいかなる事態を指して、かかる発言をしたのですか。
(3)フランス語が「国際語として失格している」との事実摘示が真実でないことを、貴殿は承認しますか。仮に承認できないとすると、いかなる根拠に基づき、具体的にいかなる事態を指して、かかる発言をしたのですか。(4)以上について合理的な弁明ができない場合、上記発言を撤回し、謝罪することを求めます。
 本質問状到達の日から3週間以内に書面にて下記住所までご回答されるよう求めます。

以上

 

2005(平成17)年 2月 25日       

石 原 慎太郎 殿

107‐0052 東京都港区赤坂8丁目4番7号             
         
        クラス・ド・フランセ             
         
        校長 マリック・ベルカンヌ