横浜市立大、「改革」の行方は…学生から不安の声 学生有志がNOBを設立

 

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2005年03月07日

横浜市立大、「改革」の行方は…学生から不安の声 学生有志がNOBを設立

伊豆利彦氏のホームページ
 ●1983.朝日新聞 神奈川版 2005年3月5日 カフェ・アカデミア 大学生のページ

朝日新聞 神奈川版 2005年3月5日 カフェ・アカデミア 大学生のページ
 ○横浜市立大 来月から独立行政法人化する
 ○「改革」の行方は…学生から不安の声
 ○学部統合、教員の年俸制

 4月から地方独立行政法人化する横浜市立大。学部の統合や教員への任期・年俸制の適用などが決まっている。だが、知らないうちにいろいろなことが変わっていく事態に、学生からは不安の声も上がっている。学生から見た「大学改革」の現実とは??。(横浜市立大・細見葉介)

 「改革」をめぐり、学生たちには不安の種が尽きない。改革で検討された授業料値上げの計画もその一つだ。「自分で生活費と学費を払っている学生は授業に支障が出るほどバイトしている。値上げしたらどうなるのか」。こう話すのは、国際文化学部2年の藤田麻衣子さん(20)だ。

■ゼミが消える
 懸念は学費だけではない。改革の一環で、教員に任期・年俸制を適用することになったためか、待遇のよい他大学へ転出する教員が増えている。同学部3年の女子学生(21)は、所属していたゼミの先生が退職。後任がおらず、ゼミは消えることになった。「4年生まで教えてもらえると思っていたのに……」
■雑誌打ち切り
 改革とは直接関係ないかも知れないが、予算削減に伴うサービス低下もある。「Newton」「アサヒカメラ」「NewsWeek」「キネマ旬報」「芸術新潮」……。図書館が昨年、購入を打ち切った雑誌の一部だ。日本の雑誌はピーク時の4分の3、外国雑誌は3分の一に減った。雑誌の棚には空きが目立つ。国際文化学部3年の喜多村龍秀さん(20)はよく読んでいた何冊かがなくなり、仕方なく外の図書館まで出かけている。司書は「予算削減で図書費は毎年カットされている。でも、電子ジャーナルなどは充実させている」と説明するが、喜多村さんは釈然としない様子だ。「大学全体が、直接利益を生み出すものだけに金をかけているように見える。ほかにも大事なものはあるのに」
■動き出す学生
 これまでの改革の過程では、主役のはずの学生の声が聞き入れられていなかったのが実情だ。一昨年、学生有志が改革に学生の意見を反映させることなどを求め780人分の署名を大学当局に提出したが、返事はない。こうした中、2月にあらたに有志の学生が「NOB(Network of OutBurst)」という組織を設立。新学長に内定しているブルース・ストロナク氏と話し合い、今後は学生の意見を伝える機会を作るよう求めた。ストロナク氏も「大学は町と同じで、教員・学生・職員が一緒にかかわらなければならない。学生と話し合える場を作りたい」と応じた。
 NOBの代表、国際文化学部2年の富樫耕介さん(20)は言う。「学生へのサービスが向上する改革ならやるべきだし、同時にそれを評価する態勢を作るべきだ。これからは学生・教員・職員の三者が主体になれるようにしたい」
■改革担当者は
 学生の不安について、同大の大学改革推進課の担当者は「学生への説明会を開いたが、思ったより集まらなかった。ゼミの改廃は改革の前からあった」と説明。授業料については「05年度は値上げしない方針で予算案を出している。市議会の議決なしに値上げはできない」という。

[横浜市立大問題関連のサイト記事]

学問の自由と大学の自治の危機問題より
 ●「小川学長の名誉教授推薦」(2005-3-5)
 ●「学長は万死に値する」(2005-3-4)
公立大学という病:横浜市大時代最後の経験より
(更新雑記)
 ●(2005/3/5)
 ●(2005/3/4)