横浜市立大学、教員組合の要求書(3月8日)に対する当局の回答コメント (2005.4.14)

 

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2005年04月14日

横浜市立大学、教員組合の要求書(3月8日)に対する当局の回答コメント

横浜市立大学教員組合
 ●組合ウィークリー(2005.4.12)

当局回答要旨(先月23日)
 すでに今月1日号で触れたように、先月23日、折衝において当局側が、当組合の要求書「2月15日当局提示就業規則案及び関連規程類にたいする見解と要求」(3月8日付け)に関するコメントを口頭で提示しました。
 以下、整理して、当局の見解を御報告します。
 なお、当組合の23日付け要求については、当局は別途、回答を用意しているむね通告がありました。

 教員組合の3月8日要求書に対する当局の回答コメント。
 3月23日、折衝の場において中山課長(大学改革推進本部)が組合に対し、口頭で伝えたもの。
(ゴシック体の青の部分。)

……以下略,上記URLを参照して下さい。

 

投稿者 管理者 : 20050414 00:46

 

 

http://homepage3.nifty.com/ycukumiai/kumiai-news/weekly050412.htm 

 

横浜市立大学教員組合週報 組合ウィークリー (2005.4.12)

 

当局回答要旨(先月23日)

 

 すでに今月1日号で触れたように、先月23日、折衝において当局側が、当組合の要求書「2月

15日当局提示就業規則案及び関連規程類にたいする見解と要求」(3月8日付け)に関するコメ

ントを口頭で提示しました。

 以下、整理して、当局の見解を御報告します。

 なお、当組合の23日付け要求については、当局は別途、回答を用意しているむね通告がありま

した。

 

 

 

教員組合の3月8日要求書に対する当局の回答コメント。

3月23日、折衝の場において中山課長(大学改革推進本部)が組合に対し、口頭で伝えたもの。

(ゴシック体の青の部分。)

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2005年3月8日

 

横浜市立大学学長

   小川惠一殿

 

横浜市立大学教員組合

執行委員長 中西新太郎

 

2月15日当局提示就業規則案及び関連規程類にたいする見解と要求

 

 

[中略]

 

 

1 雇用・労働条件に関して一方的に制度変更を行うことは許されない

 

[中略]

 

○したがって、教員組合は、今回提示の制度変更について、未整理、未提示の部分をあきらかにし

たうえで、当局が教員組合との誠実な協議、折衝を行ってゆくよう要求する。

 

コメント

 これまで、勤務条件のもととなる就業規則案を示したほか、要求のあった資料も示し、教員説明

会も繰り返し実施してきた。

 今後も誠意を持って対応していきたい。

 

○また、そうした協議、折衝を経ずに制度変更を一方的に強行することのないよう要求する。

 

コメント: 協議経過を踏まえ、対応していく。

 

[中略]

 

 

2 制度変更の確定と実施以前の雇用・労働条件は現行制度に拠ること

 

 制度変更の確定と実施以前の雇用・労働条件は現行制度に拠るべきである。

 前項にてらし、適正な手続きを経て制度変更が実施される以前の雇用・労働条件は現行制度に拠るべきであり、それ以外にはありえない。

 

○この点を確認せよ。またそうでないというのであればその根拠を説明せよ。

 

コメント

 法人における勤務条件のもとになるものは就業規則であり、その制定にあたっては、労働基準法

の定めにより、適切に進めてまいりたい。

 

○また、制度変更に関わる協議、検討期間や制度変更にともなう移行期間について暫定的制度を設

けたいという提案があるならば、その旨について提示し、別途協議すべきである。

 

コメント: 提案内容により実施したいと考えている。

 

3 年俸制の導入に関する見解と要求

 

@ 現行給与制度に準じた賃金支給・年俸水準設定に関する考え方

 年俸制の導入については、重大な雇用条件の変更であり、組合との協議、折衝が必要であり、ま

た、年俸査定の前提となる教員評価制度についても同様である。さらに、教員評価制度の導入にさ

いしては公正な評価を実施する上で試行期間を必要とする。また、当局説明でも示されているよう

に、現学部・教育課程が存続する間は、評価は部分的なものにとどまる。

 これらのことから、かりに年俸制の導入が決まってもその実施には移行の期間が生じる。

 

○したがって、かりに年俸制の導入が確定をみたとしても、その実施にいたるまでの期間は現行給

与制度に準じた賃金支給がなされるべきである。

 

コメント

 教員説明会でも述べたとおり、現行の支給水準を維持しつつ、年俸制に移行しようとするもので

ある。

 

○年俸水準設定に関する考え方を整理し提示するとともに、規程上に反映させよ。

 当局は、2005年度からの5年間について年俸水準を固定するという当初の説明を変更し、2月28

日の教員説明会においては、他大学との比較・均衡や人事院勧告等諸般の状況を加味した年俸水準

の改訂を行う旨あきらかにした。この点は、現行賃金の5年間すえおきを意味した以前の説明より

も前進したものとして評価する。しかし、こうした説明は組合への提示資料には示されておらず制

度設計として明確にされていない。新たな説明について早急に整理して提示することを求める。

 

コメント

 具体的な制度運用は法人化後に行うことであり、法人設立時に示せるものではない。

 

A 2005年度給与は現行制度にもとづく賃金支給とすること

 2005年度給与に関しては年俸制へ移行しえない以上、現行制度にもとづく賃金支給とすべきで

ある。

 「評価ができないので2004年度水準の賃金を支給する」という説明は、協議、折衝を行うこ

となく、2005年度からは教員評価にもとづく年俸査定を実施するという説明になっており、認め

られない。

 当局は2月28日教員説明会において、平成17年度分賃金について、平成16年度から1号俸昇

給した水準で支給する旨説明した。従来の説明よりも前進したものであり、これは評価する。

 教員説明会配付資料における平成17年度年俸推計は、平成16年度支給額と総計を同じとしな

がら、内訳について「給料相当部分」「職務給・業績給相当部分」の分類を用い、協議も合意もみ

ていない年俸制の分類にそった支給を提案している。これは年俸制導入を先取りして行うもので

あり不当である。

 

○協議、検討すべき年俸制の制度内容とはあくまで切り離して2005年度賃金支給について協議す

べきである。

 

コメント

 年俸制は、就業規則で定め実施するものであり、就業規則を定める手続きについては、労働基

準法の定めにより、適切に行ってまいりたい。

 

B 年俸制の制度内容に関する見解と要求

 当局提案の年俸制は、以下に示すように、「努力すれば報われる」賃金制度ではなく、全員が努

力したとしても必ず減額査定を受ける者が出る制度であり、かつ、現行制度にある昇給の廃止、

給料月額部分が減給されうることなどの点で、重大な不利益変更をもたらす制度である。教員組

合は今回の提案内容を受け入れることはできない。

 

○相対評価による年俸査定では必ず減額査定を受ける者が存在する。各人の努力を公正に評価す

るというのであれば絶対評価がしかるべきであるが、絶対評価をとらない理由は何か? 

 

コメント

 限られた原資の中での配分に際しては、相対評価によることが必要である。

 

 教員説明会配付資料におけるモデルは査定によってアップした場合のみを図示しており、恣意

的である。原資がほぼ一定であるかぎり、減額される場合の対応モデルが存在しなければならな

い。当局は変動部分の査定幅を最大10%と説明しており、これにもとづくと年額5パーセントの

増額査定者、減額査定者を想定しうる。配付資料モデルによって今年度年間総額983万円程度の

支給を受けている教員の年俸について計算すると、「職務給」と「業績給」の合計額について毎年

5%の減額が継続した場合、5年目にはおおよそ67万円の減額となる。再任時に年俸に額の変動

がない場合、「給料相当分」は、およそ467万円となり、退職金にはね返る給料月額部分が約1万

2千円の減額となる。「普通にやっていれば再任するしくみ」と言いながら、これでは、普通にや

っていても(再任されても)賃金は下がるしくみにほかならない。

 そもそも査定にもとづく年俸制は、個人の業績が収益の増大に連動しており、かつその関係が

客観的に把握しうるような場合にのみ適合する制度であり、学生教育に払う努力が収益の増大を

直接にはもたらさない教育組織のような場合にはその導入には無理がある。教員の努力として評

価すべき事項と年俸増額に反映させうる収益増の努力とは一致しない。そうした特性を無視して

年俸制を導入するならば、教員が本来果たすべき責任と努力とがかえって等閑視される結果とな

ろう。

 

○査定は何段階を想定しているか?

 再任・昇任審査における教員評価におけるS〜Dの5段階評価は年俸査定に利用される教員評

価の場合も同様か? 

 

コメント

 5段階を基本とし、具体的な年俸への反映は今後検討してまいりたい。

 

○査定段階はそれぞれ、どれだけの増額、減額幅とするか現段階では検討中と説明しているが、

相対評価の下では不利益変更を確実に生じる事項であり、協議、折衝を行うべきである。

○それぞれの査定段階についてどのような割合を想定するかについても前項と同様に協議、折衝

をすすめよ。

 

コメント

増幅幅は、年俸の最大10%程度と考えている。公正な評価に基づき年俸に反映させていこう

とするもので、単に相対評価であることそのものが不利益変更とは考えていない。

 

○年俸査定における増額、減額それぞれの基準は何か? 

 

コメント: 教員評価制度による評価結果に基づき、総合的に勘案して決定する。

 

○当局提示の年俸制規程は、「教員評価制度による評価結果を総合的に勘案して」年俸額を決定す

るとしているが、「総合的に勘案して」とは、だれがどのような判断基準にもとづいて「勘案」す

るのか? 

 このようなあいまいな規定は、客観的で公正な査定のあり方を歪めるものであり、「勘案」する

人間の匙加減により査定が恣意的に運用される危険性をもたらす。

 

コメント

 教員評価制度については、評価の公正性を確保するため、評価者体系など制度構築にあたって

留意してきたところだ。

 なお、最終的に決定する者は、法人の理事長である。

 

○扶養手当、住居手当、調整手当、初任給調整手当を「職務給」として位置づけ、評価にもとづ

く変動部分に組み入れることは、それぞれの手当の性格にてらすならば不当であり認められない。

 これは業績評価に応じてたとえば「扶養手当」を増減させることのおかしさを考えれば明白で

ある。かつ、このような変更により、相対評価による確実な減収が生じるものであり、あきらか

な不利益変更である。

 これらの手当については、従来どおりの支給を行うか、あるいはその性格にそくした費目化を

行うべきである。

 

コメント

 組合が指摘する諸手当は、年俸の原資として職務給・業績給相当分に移行するものである。

 

○「職務給・業績給」における「職務」とは何を意味しているのか? 

 

コメント: 教員としての職務として文字通り受け止めていただきたい。

 

○年俸制規程における「任期期間中」(第3条第2項)、「新たな任期における年俸額」(第4条

2項)における「任期」とは3年任期および5年任期を指すのか? 

 

コメント

 基本的には助手は3年、準教授は5年(3年の場合、任期年数の上限を5年任期の場合と同様に

扱う)を指す。

 

○職位と年俸水準の関係について考え方を示すよう要求する。

 年俸制規程第4条第2項は、「昇任、降任及び再任のため、新たな労働契約を締結する際は、前項

により決定した年俸額に、昇任、降任及び再任の審査結果を加味し、新たな任期における年俸額を

決定する」としている。この規定は職位ごとの年俸水準を想定しているものと解されるが、職位と

年俸水準との関係を示すべきである。

 

コメント: 御意見として承りたい。

 

○年俸規程第12条第2項は、休職時の取扱について、「賃金規定第25条の定めに準拠する」として

いる。賃金規程第25条は一定の条件における休職期間中の扶養手当、調整手当、住居手当の支払い

を規定しているが、これらはどう扱うのか? 

 

コメント

 休職事由に応じて割合で支給することが、賃金規程第25条の各号定めに準拠するという趣旨であ

る。

 

4 任期制導入に関する見解と要求

 

@ 協議・折衝を誠実につづけること、不利益変更をしないこと

 任期付教員への移行は労使双方にとって良好な雇用形態であることが合意され、教員の同意があ

る場合にのみ実施される。教員が「良好な雇用形態」であるかどうか判断する前提として、任期制

の制度内容が適正かつ明確に設計されていることはもちろん、それが周知されかつ教員組合、各教

員の疑問に答え、十分な協議、折衝を行うことが当然である。「期間の定めのない教員」を任期付

教員に移行させることは、雇用形態における最も重大な不利益変更をもたらしうることから、これ

は当然の手続きである。こうした手続きを無視して拙速に任期制導入を実施すべきではない。

 

○任期制の制度内容について組合の疑問と要求とに誠実に答え、協議・折衝を続けるよう要求する。

○任期付教員への移行について、教員からの疑問に誠実に回答すること

 

コメント: 従来どおり協議していく。

 

 言うまでもなく、任期制の制度内容に関して疑問が解消されぬ場合には、かりに当局が同意を求

めても教員には回答を留保する権利がある。

 

○任期付教員への移行を選択せず「期間の定めのない雇用」にとどまることを理由にした雇用・労

働条件の不利益変更を行うべきではないこと

 

コメント: そのつもりはない

 

◎「昇任の対象は任期付教員のみ」という2月28日教員説明会での福島部長発言は不当かつ違法

であり撤回を求める。

 

コメント: 昇任審査の対象とする。

 

 福島発言は、「期間の定めのない雇用」を有期雇用契約に切り換えるために差別的処遇を明言し

たものであり、このような差別処遇は労働基準局長通達に明記された労基法第14条の趣旨に反す

る違法措置である。正当化されえない処遇にたいしては、組合は法的手段をふくめ必要な対抗措

置をとる。

 2月28日教員説明会において、福島部長は、「期間の定めのない雇用」形態にある教員は昇任の

対象としないと言明した。この発言は、24、25日説明会ではあきらかにされず、規程としてまっ

たくあきらかにされていなかったものである。説明会資料にも記載されず、1箇所での説明会で突

然こうした重大な、しかも明確に差別的な処遇を持ち出すことは、きわめて不穏当であり、制度設

計の拙速、曖昧さを示すものである。制度変更に関する十分な周知と協議以前に、どのような雇用・

労働条件が想定されているかさえ定かでない状況の下では、その適否についての判断も留保せざる

をえない。

 「期間の定めのない雇用」に関する教員組合の質問にたいし、当局は2月15日付回答では、「公

立大学法人横浜市立大学職員の勤務条件(教員)」に示された内容については任期付教員と同様と

している。当然のことながら、職位は年俸水準等、勤務条件に密接にかかわるものであり、「期間

の定めのない雇用」教員を昇任対象としないことは雇用・労働条件に関する明確な差別となる。ま

た、現行制度における職位ごとの給与制度を考えるなら、28日説明会における発言は、雇用・労

働条件に関するきわめて重大な不利益変更を表明したことになる。このような変更が許されないこ

とはあまりにも明白である。

 

A 再任審査制度・昇任制度に関する文書の性格、規程としての明示

  任期制に関する必要事項についての学則案の提示

 任期制及びこれとかかわる再任審査制度・昇任制度について当局が直接触れている規程は、就業

規則、任期規程(案)、「任期の再任審査について」「昇任等の審査について」(いずれも、2月15

日市労連説明―以下、「説明文書」)である。説明文書についてはその性格があきらかではない。任

期制は教員の教育研究評価にかかわるものであり、これらは学則として必要な事項を明示的に定め

るべきことがらである。

 

○「説明文書」について、その性格をあきらかにするとともに、「異議申し立て」制度のような規程

として明示すべき部分については規程に組み入れるよう要求する。

 

コメント: 規程が委任する要綱等により定めていきたい。

 

○必要事項についての学則案を提示するよう要求する。

 

コメント: 教員の勤務条件に関することは、就業規則で定めていきたい。

 

B 任期制及び昇任制度の制度内容に関する見解と要求

 

A 再任審査手続きと審査体制について

 任期制における再任審査手続きと審査体制について、審査の客観性、公正性、透明性を保障する

観点から以下の点を要求する。

 

○審査機関が審査内容と審査基準とにもとづいて構成で客観的審査が行える資格を備えており、か

つ審査が公正に行われたかどうかを検証できることが再任審査の条件である。この当然の原則を確

認していただきたい。

 

コメント

 再任審査を行う教員人事委員会は、公正かつ公平な審査を行うために創設したものである。

 

○「教員人事委員会」の構成及び再任審査決定手続きについての規程、学則案を提示するよう要求

する。

 

コメント

 「教員人事委員会」の構成及び再任審査決定手続きについては既に説明したとおりである。

 

○また、説明文書「任期の再任審査」では、「必要に応じて人事委員会のもとに部会を設置し、審

査する」とあるが、部会の設置要件、構成、組織及び審査権限、手続き等に関する考え方及び規程、

学則案を提示するよう要求する。

 

コメント: 人事委員会の構成等は学則に規定し、その他は人事委員会の規程による。

 

○「教員人事委員会」は学長の諮問機関とされるが、学長は「教員人事委員会」メンバーに加わ

るのか?

 

コメント: 加わらない。

 

○「学長は人事委員会からの再任の適否の判定結果を確認し、理事長に申し出る」(「説明文書」)

とされているが、「確認」の意味は、「教員人事委員会」による適否の判定結果を翻すことなく自動

的に理事長に申し出るということか?

 

コメント

 教員人事委員会から報告を受け、学長の権限の中で理事長に申し出るものだ。

 

○「教員人事委員会」は再任に関してその適否のみを決定するのか?

 

コメント: 教員人事委員会で検討していきたい。

 

 教員説明会において「教員人事委員会」は教学組織より2名、経営管理組織より2名、学外より

2名の組織となると説明されている。しかし、「教員人事委員会」の構成、審査手続き等について

は提示されておらず、再任適否の決定権限を持つと想定される重要な委員会についてその制度機構

があきらかにされていない。

 また、教員の業績評価について説明された「教員人事委員会」が客観的評価を適正になしうるか

はきわめて疑問である。説明された「教員人事委員会」の構成が大学自治の原則にてらし、教学の

自律性を確保するとともに、公正かつ客観的機関たりうるかどうか疑問である。この点は、教員評

価の結果をどのように扱うかにかかわり、また、「部会」の位置づけ、権限にかかわる。これらの点

についてあきらかにすることが必要である。

 

○学長による審査手続きの省略は恣意的な再任拒否を許す制度上の危険をもつものであり、容認で

きない。このような規定をなぜ設けているのか理由をあきらかにするよう求める。

 

コメント

 任期3年の満了後に2年間の再任を行う場合の審査や、休職中の再任の場合などが、審査手続き

の省略ができる場合として考えています。

 

 任期規程案では、「学長が特に認めた場合は、教員人事委員会における審査の一部又は全部を省

略できる」としている。主観的意図はどうあれ、この規定は、学長が一切の審査手続きを省略して

再任の適否だけを人事委員会に求められるようにしており、再任審査の恣意的運用を制度上で可能

にしてしまう。

 

○再任の適否に関する判定理由を再任申請者の求めに応じて遅滞なく示すこと。

 

コメント: 再任申請者へは通知します。

 

 なお、判定理由の提示を求める請求は「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」第

3条にもとづき、再任否の場合、請求理由を付す必要はない。そもそも再任の判定理由は教員の大

学における職務・業績をみるものとして、本人の求めに応じ適否にかかわらず示すべきものである。

 また、後述するように、再任審査は降任や新たな任期期間における年俸の増減にかかわるもので

あり、その審査内容の透明性が厳密に保障されるべきである。

 

○この点から、判定理由の提示内容には、任期規程案に示された審査項目の全内容がふくまれるべ

きである。

○言うまでもないが、以上の開示内容は文書において示されるべきである。

 

コメント: 御意見として承りたい。

 

○説明文書「任期の再任審査について 4 異議の申し出」における「審査の結果を知り得た日」

とは曖昧であり、再任申請者にたいする審査結果通告日を規定すべきである。

 

コメント: 御意見として承る。

 

○前項「異議の申し出」について調査・確認及び報告を行う組織が「教員人事委員会」とされてい

るのは不適切であり、審査結果及び判定理由の適切・公正を検証するためには別個の組織によって

異議申し出の審議がなされるべきである。

 2月28日教員説明会において、「教員人事委員会」での調査・確認を経た上で別途審議を考える

と説明されたが、そうであれば、異議申し出を扱う組織、プロセス全体を示すべきである。

 

コメント: 今後人事委員会で検討していきたい。

 

○再任審査の申請時期、期限及び再任審査期限(「最終年度の夏頃」)の整合性と妥当性をはかる

こと

 

コメント: 整合は図れており妥当と考える。

 

B 審査内容と基準

 

◎任期規程案及び説明文書「任期の再任審査について」における審査項目相互の関係、ウェイト、

設定理由があきらかでない。

 教員評価結果以外の審査項目を付加することによって、業績を評価しうる「現場」から離れた

「評価」によって審査結果が左右される可能性が増す。

 

コメント

 再任審査に適した項目として検討した結果であり、ウェイトについては、職位に応じて異なる。

 教員評価制度に基づく評価は単年度であるため、中期的なスパンでの評価も含め、任期期間中

に対する評価をしようとするものである。

 

○「本人が関係している組織の長」は教員評価における2次評価者であり、その評価は教員評価

に反映されている。2次評価者にあたる組織の長の「意見」と2次評価とはどのように関係して

いるのか? 評価のダブルカウントではないか?

 

コメント

 再任審査における組織の長の意見には、当該任期中の取組み姿勢や貢献度など定性的評価項目を

含めた中期的評価となるため重複はしない。

 

○「本人が関係している組織の長」は複数存在しており、その意見は「評点」としてどのようにカ

ウントされるのか?

 

コメント: 平均点を採用する。

 

○「本人が関係している組織の長」の「意見」はその職責において管轄する事項について評点化し

うるような段階をつけて記述されるのか?

 

コメント: 意見としての記述と評点化をするものである。

 

○「教員評価の結果についての学長の意見」とは、教員評価のS〜Dのランク付とどのように関係

するのか?

 

コメント

 任期期間中の評価に対する総合的な意見も審査対象とするものである。

 

○再任審査の性格にてらし審査項目、審査基準はあらかじめ明示的に示されるべきであり、「その

他学長が指定する事項」を設けることは審査項目の恣意的操作を可能にする。このような審査項目

を設ける理由は何か?

 

コメント

 審査項目にこそ該当しない場合でも、教育研究等のトップとなる学長から評価された項目は、反

映すべきとの考えによるものである。

 

○また、任期規程案では、「学長が特に認めた場合は、審査する事項の一部又は全部を省略すること

ができる」としており、審査項目全体が学長裁量により自由に操作できる規定となっている。再任の

可否がもたらす重大な結果を考えるなら、このような規定のもつ危険性を座視することはできない。

 

コメント: さきに答えたとおりだ。

 

○再任の判断基準が任期期間中において「普通にやって来られたかどうか」であるならば、任期期

間中の業績評価が問われるべきであり、「次期任期に向けた取組計画」を審査項目に加えることは、

業績評価に拠らず、検証されていない項目をふくむことになる。再任審査を歪めることになり不適

切である。

 

コメント

 現任期を適切に自己評価することができ、次期任期に適切に反映させていこうとする意欲的な姿

勢も、「普通にやっている」ならば当然なされてしかるべきことと考える。

 

○各審査項目間の関係、評点としてのウェイトはどのように考えているか?

 

コメント: 法人としての検討案により人事委員会で検討してまいりたい。

 

◎再任可否の判断基準を任期規程に明記するよう要求する。

 再任可否の判断基準を規程上で明示することは有期労働契約において使用者側に課せられた義

務である。(「使用者が当該契約を更新する場合がある旨明示したときは、使用者は、労働者に対

して当該契約を更新する場合又はしない場合の判断の基準を明示しなければならない」「有期労働

契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」厚生労働省告示第357号)「普通にやっていれば再

任する」という基準を任期規程において明記しなければ、この告示に背馳することになる。

 

◎説明文書「任期の再任審査について 3 再任基準等」について以下の諸点の説明を求めるとと

もに整合性を質す。

 

○「一定水準以上を得点した者を再任適任者とする」とあるが、「一定水準」とはどのような水準

か? 「普通にやっていれば再任」という考え方にてらし、水準の内容を明確に示すよう要求する。

○また、その水準は得点として表示されるとしているが、そうであるとすれば、あらかじめ各審査

項目の評点配置、得点基準が示されるべきである。

 

コメント: 今後法人として定めていきたい。

 

○教員評価の評価結果以外の評点は相対評価で行われるのか?

 絶対評価で行われるとすれば、教員評価の評価結果を相対評価とすることと不整合になるので

はないか?

 

コメント: 教員評価制度自体は絶対評価であり、不整合にはならない。

 

○教員評価の評価結果をS〜Dの相対評価で示すことと再任の可否を一定の基準によって判定す

ることとはどのように関係しているか?

○相対評価による評点化は上位から下位の枠づけられた分布を実現するものであり、一定水準を

その枠内に設定するかぎり必ず再任不可の者が生じることになる。「普通になっていれば再任」

という考え方と相対評価による再任の可否判定は矛盾するが、制度上での整合性ある説明を求め

る。

 

コメント: 教員評価制度も審査の1項目としていこうとするものだ。

 

○「職位別に一定水準以上を得点した者を再任適任者とする」としているが、この場合に判定さ

れるのは、その職位において再任可ということである。逆に、その職位において再任否となった

場合には、教授、準教授においては「降任」判定を意味することになるのか?

 

コメント: 任期満了による契約終了となる。

 

C 期間と再任回数

 

○助手、準教授について再任回数をかぎる合理的根拠は存在しない。現行制度から不利益変更にあ

たるこうした限定についてその根拠を説明するよう要求する。

 とりわけ、助手の再任回数を原則1回とし、しかも任期3年以内としていることは容認できない。

また、助手において、博士号取得の有無にかかわらず任期3年以内としていることも差別的処遇で

ある。当局案による再任審査のスケジュールによれば、任期最終年度の評価はできないため、2年

間の評価によって再任の可否が判断されることになり、このような制度設計では助手が大学におい

て業績を積む環境は著しく阻害される。

 

コメント: 御意見として承りたい。

 

○博士号を持たない準教授、教授が簡易審査によって3年任期を5年に任期に延長できるとする法律

上の根拠について説明を求める。

 

コメント: 延長ではなく再任である。

 

○任期規程案3条、4条における休職中、育児休業又は介護休業中の任期付教員の再任回数につい

て、恣意的運用を避けるために別途規程を設けるべきである。

 

コメント

 別途規定を設けるつもりは無いが、実施に関する必要な事項として別途整理して

いきたい。

 

D 再契約における条件設定

 

○新たな任期期間中の年俸等の条件はどのような基準にもとづいてどのように決定されるのか?

 またこの条件設定と再任審査とはどのように関係しているか?

 

コメント: 教員説明会で説明したとおりである。

 

○「普通にやっていれば再任」という考え方に立つならば、再任にさいしての減俸とされる根拠は

何か?

 減俸しての再任は「普通にやっていても」賃金を減額することになり、再任の考え方と矛盾するこ

とになる。

○再任決定にもとづく新たな労働契約の締結は、教員が著しく不利な雇用・労働条件に同意せざるを

えない恐れがある。再任決定にもとづく労働契約においては、あらかじめ規程上で明示された事項を

除き、再任時における雇用・労働条件を引き下げぬよう定めるべきである。

 

コメント

 法人としては、法人(大学)の目標に沿って教育研究等の向上に努める教員を求めているが、そ

のような期待に十分応えていない場合でも、現任者においては再任を第1に考えたため、再任時に

おける年俸の減額を行おうとするものである。

 

 

5 昇任制度について

 

@ 昇任制度全般について

 昇任制度については就業規則案において、職員の昇任を理事長が行うこと及び、「当該職員の勤務

実績等の評価に基づいて行う」ことを規定しているのみであり、説明文書「昇任等の審査について」

はどのような性格の文書であるかも明確でない。教員の昇任は教育・研究の職責職務にかかわる事

項であり、大学の教育研究機関であるという性格にてらし、教学組織の責任において厳密かつ公正に

規定されるべきことがらである。

 昇任制度について、このような観点から、以下の諸点をあきらかにするよう要求する。

 

○昇任制度について、学則もふくめ教学組織による検討が行われたか、行われているのか?

 

コメント: 評価制度については、教員も参加したプロジェクトで検討してきた。

 

○昇任制度のあり方に関する教学組織の考え方は何か、教学組織の代表者に説明に求める。

 

コメント:〈大学改革推進課ではコメントできない〉

 

○説明文書「昇任等の審査について」の前提となる規程、学則は存在するか? もしも存在しない

というのであれば、この文書の性格は何か?

 

コメント: 規程は今後整理していく。当該文書は説明資料である。

 

○「期間の定めない雇用」教員の昇任は規程のない以上、従来制度によるものと解しうるが、そう

でないとするならばその根拠について説明せよ。

 

コメント: 新制度のもとで対象として参りたい。

 

 説明文書「昇任等の審査については、「基本的資格要件」を「任期の最終年度を迎えている者」

として、任期付教員の場合のみを対象とした文書であり、「期間の定めない雇用」教員の昇任制度

については触れていない。

 

A 説明文書「昇任等の審査について」に関する見解と要求

 説明文書「昇任等の審査について」に関して、以下の点につき回答を求める。

 

○「基本的資格要件」における「直近上位職(…中略…)への昇任等の審査対象」の「等」とは何

を意味するのか? 

 

コメント: テニュアへの就任及び直近上位以外の上位職への昇任も考えている。

 

○同資格要件Aの、「昨年度の評価結果の評価点が上位の者」における「上位」とは、評価点の順

位に厳密にしたがってのことか? 

 

コメント: 順位が上位の者である。

 

○同Aの、「原則」とは「特別資格要件」にたいする原則の意味か? 

 

コメント: そのとおりだ。

 

○「教員人事委員会」及び「部会」が昇任の適否について公正に判断できる保障があきらかでない。

 

コメント

 教員人事委員会制度は、公正な審査を行う仕組みとするため設置するものである。

 

○昇任審査の結果は、その公正性を担保するために文書による報告が教授会等の教学組織に公表さ

れるべきである。

 なお、採用人事もふくめ、教員人事はその透明性が確保されなければならず、密室人事を避ける

ために文書による報告が求められるのは当然のことである。

 

コメント

 教員人事委員会の審査結果については学長に報告され、提案者へは学長より伝えられる。

 

○「テニュア教授審査の手続きの流れ」における、「より高いレベルでの大学への貢献等」にお

ける「より高いレベル」及び「等」の内容は何か? 

 

コメント

 単に教員個人の功績にとどまらず、それが大学全体の知名度や教育研究等の水準向上に寄与する

などがあげられる。「等」は、そうした功績や貢献などを極力広く捉えていこうとするものである。

 

○「大学組織内部だけでなく法人も含めて、首脳陣の判定の要素」とは曖昧であり、きわめて恣意

的な文言である。そもそも「首脳陣」とは何か? 

 

コメント: 法人役員や幹部職員を指す。

 

◎「審査項目」は「組織方針」への忠誠をことさらに求め、教員の業績評価を恣意的に歪める内容

となっている。昇任基準の曖昧さとあわせ、審査項目と基準の操作によって昇任制度が恣意的に運

用される強い危険性が存在している。

 

○教員評価の結果にすでにふくまれている「地域貢献」や「学内業務」への取組を別項目として審

査項目に挙げているのはなぜか? ダブルカウントではないか? 審査項目Aに挙げられた「活動

状況」の評価は、教員評価項目とされた「地域貢献」や「学内業務」の評価とどのように異なるの

か? 

 

コメント: すでに答えているとおり重複はしない。

 

○審査項目Aの「組織方針」とは、明示的にどこに示されるものであるのか?

 

コメント: 年度当初の目標設定に併せ示す。

 

○「活動状況」とは何を指すのか? 

 

コメント: 例えば審議会委員就任、学内委員就任などがあげられる。

 

○学長が指定する事項が恣意的に運用される恐れがある。公正な運用を保障する規定とすべきであ

る。

 

コメント: 御意見として承りたい。

 

○昇任基準の評点化については任期制の場合と同様の問題が存在する。それらについての説明を求

める。

 

コメント: さきに答えたとおりである。

 

--------------------------------------------------以上

 

発行 横浜市立大学教員組合執行委員会


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