横浜市立大学教員組合週報 組合ウィークリー (2005.4.25)

 

 

横浜市立大学教員組合週報 組合ウィークリー           2005.4.25

もくじ
就業規則についての意見書・労使協定 執行委員会、方針大枠決定
  組合員集会を提起
新執行部発足
新執行委員長挨拶(上杉忍)
投稿 教育研究費について思うこと

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発行 横浜市立大学教員組合執行委員会
236-0027横浜市金沢区瀬戸22番2号
Tel 045-787-2320  Fax 045-787-2320
mail to : kumiai@yokohama-cu.ac.jpd
ホームページ http://homepage3.nifty.com/ycukumiai/index.htm
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就業規則についての意見書・労使協定
 執行委員会、方針大枠決定
 組合員集会を提起

 当局は、各事業場の過半数代表者・過半数組合に対して、就業規則に関する意見書
の提出と、5通の労使協定の締結を要請しています。このことについて、人事担当課
長と組合のあいだで、断続的に協議が積み重ねられてきています。
 昨日発足した新執行委員会は、この事項について大枠の方針を決定しました。

就業規則についての意見書、提出の方針
 就業規則については、当局が交渉・協議を拒否する、もしくは限度を越えて不誠実
な交渉・協議しか行わない場合には別であるが、現在一定のレベルの協議が行われて
いることにかんがみて、いくつかの重要な事項についての質問に答えがあり、当局が
今後誠実な交渉を続ける約束をすれば、意見書は提出することに決定しました。
 もちろん、就業規則に含まれる任期制等の重大な問題、欠陥を指摘し、現在の就業
規則案の主要な部分について反対であるむねを明記します。また、当局が今後誠実な
交渉を続ける必要であることも明記します。

締結できる労使協定 締結の条件
 労使協定にあたっての、組合側としての条件も以下のように、決定しました。
 賃金の払込・控除に関する協定および、育児介護休業に関する協定は、若干の確認
があれば、締結に大きな問題はない。
 また、教員の労働時間について、5限の授業のない場合には、17時15分までの
勤務時間とすることが明示されれば、休憩時間に関する協定は締結できる。
 時間外・休日労働については、別に教員についての労使協定を結ぶこと、そのため
の協議を続けることについて確認が取れた場合には締結できる。
 
締結できない労使協定 
 他方、裁量労働制については、これを任期制と結びつけ、任期制を受け入れない教
員との格差を設けるために使うという現行の当局案が変わらないかぎり、協定を締結
することはできないことが確認されました。

組合員集会を
 これからのわたしたちの運動方針を決めなければなりません。
 執行委員会は、これまでの経緯を執行部が説明し、また、今後の方針について広く
議論するために、組合員集会(もしくは教員集会)を開催することを決定しました。
 日程はまだ決まっていませんが、5月のうちに開催します。
 教員各位には、参加の準備をお願いします。



新執行部発足

 21日、引継ぎ執行委員会が開かれ、新執行部が発足しました。
 執行委員の改選・補欠選挙はすでに2月に行なわれていましたが、131日の総会
議決により、旧執行委員の任期を延長していたため、今月の交代となりました。
 全執行委員11名中、昨年7月に就任した者、3名、今回就任の者、8名(うち再任
2名)です。
 執行委員の役職分掌は下記のように定まりました。
 役職のうち、記録担当・法制調査担当・安全衛生問題担当の三つは、今回、組合の
果たすべき新しい役割に対応すべく、執行委員会で新たに設けたものです。
 記録担当は、議事録作成と管理など、組合の公式の記録に関連する事項を担当しま
す。
 法制調査担当は、労働基準法・労働組合法をはじめとする、組合の活動と交渉に関
連する法令等を調査します。
 安全衛生問題担当は、大学における安全衛生の確保に関する事項を担当し、今後設
置されるであろう安全衛生委員会等の活動に関与します。
 重大な時期における発足となりました。一同、組合員・教員の権利を守るため尽力
する所存ですので、ご指導・ご鞭撻とご協力をよろしくお願いします。

 役職名     氏名(所属選挙区・所属旧学部等)
執行委員長  上杉忍(新・3・国際)
副執行委員長    中西新太郎(再・3・商)
書記長  随清遠(新・1・商)
書記次長    山根徹也(再・3・国際)
会計担当  大月俊也(新・4・理) 
情報宣伝担当    片山亜紀(継・1・商)
福利厚生担当    結城瑛子(新・2・看護) 
給与調査担当    柴田典子(新・1・商) 
記録担当  木下郁雄(継・4・理)
法制調査担当  一楽重雄(新・4・理) 
安全衛生問題担当 相原弼徳(継・2・医) 

 新・・・新任     再・・・再任     継・・・任期継続中



新執行委員長挨拶
ご挨拶
 上杉

 この度、独立法人化後最初の教員組合執行委員長に選出され、その任の重さに大変
緊張いたしております。不安なことばかりではありますが、皆さんからのご指導、ご
批判をいただきながら頑張りたいと思います。
 昨年の執行委員会や独立法人化対策委員会の方々の的確な指導によって、私たちの
教員組合は、単なる職員団体としてではなく、労働組合法上の資格を備えた労働組合
として早くもその実質を備えつつあります。私たちの組合は、労働条件の大幅不利益
変更に道を開く全員任期制、年俸制、評価制度をセットとした制度改悪に対して、そ
れなりの抵抗力を発揮してきました。もちろん事態はなお極めて深刻な状況にあり、
楽観はできませんが、法人当局が、組合に代表された教員多数の意向を無視し「大学
改造」を思い通りに強行出来ないことが日々明らかになりつつあります。
 私たちには、不当な労働・雇用条件の押し付けと闘う道以外ありえません。「あわ
てず、恐れず、組合員の力を信じて」全ての組合員の労働条件を守り向上させるため
に、執行委員会は、正々堂々と進んで行きたいと思っています。全国の教員仲間が私
たちの闘いに期待し注目していることを忘れず、この歴史的瞬間にあたって、後世の
若者たちに恥ずかしくない教員組合らしい筋を貫く活動に努めたいと思います。道理
は私たちの側にあります。 
 以上、執行委員長に就任するに当たっての私の心構えを書かせていただきました。
よろしくお願いいたします。 




投稿
 組合員の吉岡直人氏から、投稿がありました。組合としての意見ではありません
が、研究費について重要な問題を提起しておられるので、掲載します。

 教育研究費について思うこと
                           吉岡直人

 318日に開かれた法人組織説明会で、17年度の「教育研究費」について説明が
あった。「定額基礎分」としての一律30万円にも驚かされた(「低額」の間違いでは
ないのか?)が、もっと腑に落ちなかったのは、「研究戦略プロジェクト事業」のほ
うである。そこには、(a)共同研究推進費、(b)若手研究奨励費、(c)地域貢献促進
費、(d)先端的医科学先行的研究という4つの項目が並べられている。私が応募できそ
うなのは、(a)共同研究推進費ぐらいなのでその中身を見た。そしてもっと驚いた。
重点研究分野として、@ライフサイエンス、A先端医療、Bナノテク・材料、C
境、D産業・地域再生、E都市経営・まちづくり、F文化・教育の7つが限定されて
いるではないか。私は地震の震源のメカニズムに関連して、石や砂を使った実験をし
ており、どう強引にこじつけようとしても、上記の重点研究分野には当てはまりそう
もない。どうやら応募を諦めざるを得ないようだ。しかし、これでは「競争的資金」
といいながら、初めから競争に参加させない、差別的な研究費の配分と言わざるを得
ないではないか。
 私は幸運にも今、科研費の恩恵に浴している。それだけではない、ここ16年の間に
科研費を含め、13年間も外部資金の恩恵に浴してきた。国や学界は私のやろうとして
いることを、やる価値があると認めてくれている、と私は思っている。ところが、こ
の大学では、私がやりたいと思っている研究は意味がない、と考えており門前払いな
のである。この落差に愕然とした。このようなくやしい思いをしている者は私ばかり
ではあるまい。
 私の敬愛してやまない寺田寅彦は、70年以上前に次のような文章を書いている。
「その当代の流行問題とは何の関係もなくて、物理学の圏外にあるように見える事柄
でも、将来意外に重要な第一線の問題への最初の歩みとなり得ないとは限らない」
と。そして当時はまだ誰も目を付けていなかった、今日「複雑系の科学」と呼ばれる
分野の問題に、一人で果敢に挑戦したのだ。
 「学則」第1条(目的)から「真理の探究につとめ」と「世界の平和と人類の福祉
に貢献し」という文言が消え、「国際都市・横浜とともに歩み・・・市民・横浜市・
市内産業界及び医療の分野をはじめとする多様な市民社会の要請に応える」という、
やたらに「横浜市」のみに擦り寄った(と私には思われる)文言が並べられるように
なった現状では、横浜市立大学は、もはや寺田寅彦のような大きな視点とは無縁の存
在になったようだ。