「意見広告の会」ニュース278 (2005.5.13)

 

 

「意見広告の会」ニュース278

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。


** 目次 ** 
1 石原都知事、フランス語発言の撤回を求めます!
     石原都知事のフランス語発言に抗議する会
2 交渉中に個別の契約を迫るのは不当労働行為
     都立大・都立短大「手から手へ」 2348
3 ある大学の死 
     「世界」第739号(20055月) 一部掲載
4 たまらん 5月12日 一部掲載
     初見基氏HP
5 都立の大学を考える都民の会ニュース12号 一部掲載
     (2005年5月6日)


***
1 フランス語は数を勘定できない言葉?国際語として失格している?
 石原都知事、フランス語発言の撤回を求めます!
 あなたもこの裁判にぜひ参加してください
   http://www.classes-de-francais.com/ishihara/i01.html

【文学者でもある都知事のおどろくべき発言】
2004
1019日、東京都庁大会議室で開かれた首都大学東京をサポートする組織の設立
総会の祝辞の中で、石原慎太郎東京都知事は、つぎのような発言をしました。
「フランス語は数を勘定できない言葉だから国際語として失格しているのも、むべなる
かなという気がする。そういうものにしがみついている手合いが反対のための反対をし
ている。笑止千万だ。」(20041020日「毎日新聞」)
フランス語は数はちゃんと数えられる言語だし(もちろん!)、全世界で約18000
人の人がフランス語を母国語として使い、国際会議では英語と並んでフランス語が用い
られています。
石原都知事は、これまでも「三国人発言」や「ババア発言」などの心ない発言で、たく
さんの人の名誉を傷つけてきましたが、今回も傷ついた人がたくさんいました。フラン
ス語を母国語にし、それに誇りを持っている人々、フランス語に魅せられ勉強している
人々、フランス語のすばらしさを伝えるためそれを教えている人々、フランス語の研究
や、この言葉によって書かれた文学などを研究している人々など・・・
言語は、単なるコミュニケーション・ツールではなく、それを育んだ地域の文化に深く
根ざし、人びとの人格形成に不可欠なものです。ある言語を否定することは、それを育
んだ文化やその言葉を使う人びとを侮蔑することにほかなりません。
あなたがもし日本人なら、この発言を「日本語」に置きかえてみてください。誰がどの
ように傷つき、強い怒りを感じるか、ご想像いただけるでしょう。なされるべきでない
発言であることはすぐにお分かりになるでしょう。
この不当な発言の撤回を求めて、石原都知事に裁判を起こすことになりました。

【石原発言の背景は】
この発言は、20054月に新しく開校した「首都大学東京」をサポートする会員制クラ
ブ「the Tokyo U-club」の設立総会でなされました。
この首都大学東京は既存の4つの都立大学を統廃合したものですが、この構想自体に内
外から批判が多く、都立大学の教員の間にも多くの反対の声がありました。そのなかに
新大学では規模が縮小されるフランス文学の担当教員もいたことから「そういうものに
しがみついている手合いが反対のための反対をしている。笑止千万だ」という発言にな
ったようです。しかしその内容は、都立大学の関係者だけでなく、世界規模で、多数の
人々の誇りを傷つけ、社会的な名誉を傷つけるものでした。

【裁判で「ノン」を突きつけよう!】
何度も繰り返されるこんな石原都知事の傍若無人な言動を、不快に感じながらも「また
か・・・」と、あきらめてしまっている人はいませんか?
しかし彼は、自ら知事として国際都市東京、世界都市東京を標榜し、公人として大きな
影響力を持つ立場です。しかも、文学者であるはず。その影響力と、この発言がもたら
す「世界規模の被害」の大きさを考えると、またか・・・と放置しておくことはできま
せん。石原都知事に、この発言が誤りであったことを、広く世間にわかる形で撤回して
もらう必要があります。許されない暴言には、その都度、きちんと異議申し立てを行っ
ていかなければならないのです。

【この裁判にあなたの力を貸してください】
この運動は、東京でフランス語学校を経営するフランス人、マリック・ベルカンヌ先生
の怒りの声がきっかけで始まりました。去る225日、都知事宛に公開質問状を出しま
したが、その返答はいまだにありません。現在私たちは、6月ころを目処に裁判所に訴
えるための準備をしています(訴状の原案)。この裁判の趣旨に賛同し、原告として参
加してくださる方、この運動の支援をしてくださる方を広く募集します。

【募集要項】
1. 裁判の原告となる
石原慎太郎都知事のこの発言によって「名誉を毀損された」、あるいは「営業を妨害さ
れた」、次の方々が、原告になれます。
(1)
フランスやフランコフォニー諸国など、フランス語を母国語とする方
(日本以外の諸国に住んでいる方でも参加できます)、
(2)
フランス語学校を運営又は経営する方
(3)
フランス語や、フランス文学などフランス語によって表記されるものの研究者・教
育者
(4)
フランス語の通訳又は翻訳を仕事にしている方
(5)
フランス語を学習する方

応募者には、名前、住所、連絡先電話番号、E-mailアドレスのほか、この発言によって
どのような不利益をこうむったか、どのように名誉を傷つけられたかなど、あなたの思
いや事実を簡単にお書きいただきます。
なお訴訟を維持するための参加費として、1口5000円/1口以上のご負担をお願いしま
す。
裁判の経過は、E-mailでご報告します。

原告に応募する

2. 原告とはならないが賛同者として名を連ねる
「こんなにたくさんの人がこの趣旨に賛同し、支持しているんだ」ということは大きな
アピールになります。ぜひ、一言メッセージを添えて、サインアップしてください。
記載していただくのは、名前、都道府県、メッセージです。
なお訴訟を維持するための協力費として、1口5000円/1口以上のご協力をお願いして
います。

賛同者に応募する

3. 財政的に支援する
裁判を起こし継続するには、費用がかかります。賛同者として名前は出せないけれど、
この運動を財政的にささえようという方、ぜひご支援をお願いいたします。

1〜3に共通の振込先口座は以下の通りです。
支援カンパ 5000円/1口(1口以上)
振込先口座 東京三菱銀行 赤坂支店 普通口座 1669556
「石原都知事のフランス語発言に抗議する会」代表 ベルカンヌ・マリック

 なお、この裁判の経過については、今後このホームページに随時掲載してご報告しま
す。


2 交渉中に個別の契約を迫るのは不当労働行為
     都立大・都立短大「手から手へ」 2348
   
 
  交渉中に個別の契約を迫るのは不当労働行為
  労働契約書提出の強要・督促は直ちに中止せよ!

 提出状況は集計中  一部の学部で提出の督促が始まる
  当局が労働契約書の提出期限とした4月28日が過ぎました。5月10日に行われた
組合と当局との専門委員会交渉で労働契約書の 提出状況を尋ねたところ、「現在集計
中である」という回答にならない回答が返ってきました。
 そんな中で、一部の学部では、未提出者に対して、上司を通して労働契約書の提出の
督促が始まっています。組合は、直ちに法人 総務部に対して、督促を中止するよう申
し入れを行いました。

 督促は不当労働行為 労働契約書の提出は任意
 機関紙「手から手へ」でも、くり返しお知らせしている通り、「旧制度」の昇給問題
など、就業規則や給与規則の中で、まだ未確定で 交渉中の事項が多く残されています
。交渉中で未確定の事項があるにもかかわらず、個別に契約を迫ることは、不当労働行
為です。個々の 教員が提出を保留し、拒んでいるのは、「新制度」も「旧制度」も不
利益変更であり、そのことについて、組合が交渉を行っていることを 知っているから
なのです。
当局がまず行うべきことは、労働契約書の提出の督促ではなく、4月14日に組合が提出
した要求に直ちに回答し、不利益な変更を改めること です。

 必要なことは労働条件の明示
 組合は、労働条件通知書と労働契約書の配付については、「提出しなくても、直ちに
解雇することはしない」ことを確認した上で、 了解しました。労働条件が個々の教員
に示されることが重要と考えたからです。その上で、労働条件の中に未確定な部分があ
り、組合と当局 との間で交渉中であること、直ちに、契約書を提出することは、不利
益変更を容認してしまう恐れがあることなどから、雇用契約書を提出し ないよう呼び
かけました。この呼びかけに応えて、今なお、「新制度教員」も含めて、多くの教員が
労働契約書の提出を拒否または、保留して います。

 消し去られた「昇給なし」
 就業規則作成にあたって、当初の当局の案には、旧制度給与規則に「上位の級に変更
しない」との記載がありました。また、法人化後の、 労働条件通知書についても、同
様に当初の当局の案には、「旧制度」については、「昇給なし」と記載されていました
。しかし、組合が 「昇給なしは一方的な不利益であり、絶対に認められない」と強く
反対した結果、これらの記載ができなかったのです。別の角度からみると、一旦は「昇
給なし」とした内容を 変更したのです。重要なことは、当局が内心で「旧制度は昇給
・昇格なし」は方針で、「その想いは今も変わらない」としていることではなく、
初の文言を当局自ら変更したという事実です。

 求められているのは法人の決断
 3月までの大学管理本部との交渉で、管理本部は「旧制度の昇給・昇格なしは東京都
の方針」「4月には、法人と個々の教員との労働契約を 結ぶ」とくり返し発言してき
ました。今、法人に求められていることは、法人として早急に責任を持って、組合と個
々の教員に労働条件を示す ことです。「検討中」と称して、回答を引き延ばすのでは
なく、交渉の過程で「昇給なし」の記載を取り止めた事実に基づいて、「旧制度の
給・昇格なし」を撤回し、昇給も昇格もできる制度を、直ちに組合に提示すべきなので
す。

 「法的手段も検討」と当局に通告
 組合は顧問弁護団とも相談の上、このような状況で、個別に上司から労働契約書の提
出の督促を行うことは、不当労働行為であり、こうした 状況が続くのであれば、労働
委員会への提訴を含めた法的手段を行使することを当局に通告しました。

 教職員組合は教員の皆さんに訴えます
  上司からの労働契約書の提出の督促を行うことは、法人による不当労働行為である
ことに確信を持って、不利益変更には同意しないという 意思を明確に示しましょう。
また、法的手段の行使等に備えて、提出の督促があった場合はそのやりとりを正確に記
録しておきましょう。


3 ある大学の死 
    「世界」第739号(20055月)一部掲載 下記HPに全文掲載
     http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~hatsumi/index2.html

ある大学の死
都立大学教員はいかに敗れていったか
      初見

 二〇〇五年四月六日、東京都による新大学「首都大学東京」(以下「首大」)の入学
式が開催されるという。この大学は、既存の都立四大学を廃学し、《まったく新しい大
学》を標榜して設立されることになっている。

 東京都による新大学構想をめぐる、都立四大学、とりわけ東京都立大学教員側からの
抵抗については、本誌掲載の川合康氏による報告をはじめ、すでに多くの文書が公表さ
れている(本稿も参照した重要な典拠は末尾に挙げる)。ここでは、首大設置が文部科
学省によって認可される以前に執筆された川合報告を踏まえつつその後の経緯を念頭に
置き、都立大学人文学部を中心とした動向についての個人的な見解を記す。その基調は
、東京都を批判した教員側の〈敗北〉を見据えたものになる。

 〈敗北〉という現状認識に対しては、いや、闘いは一定の成果をおさめ、いまは新大
学を〈良い大学〉にすべく努める段に入っている、と主張する向きもあることは承知し
ている。だが筆者の立場は、そうした〈転戦〉を肯わず、内実・手続きともに首大構想
を拒否し、そこに動員されることに抗うものであることをあらかじめ明示しておく。

 以下ではまず、都立大学側が後退を強いられ敗北に到る事実経過を述べる。そして次
に新大学構想の問題点を簡単に挙げ、最後に敗因をなすだろう教員内の様相を示す。

 なお本稿の記述内容はあくまでも個人の観点からのものであるが、少なからぬ部分を
首大就任を拒否した教員たちと共有できるものと考える。


4 たまらん 5月12日
     初見基氏HP
     http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~hatsumi/index2.html
512日】
 本日は三題。

 岡本順治氏サイト「だまらん」で、「Mr.Kからのメール:ある学生処分問題と都立大
執行部の姿勢」という書き込みがされています。都立大学問題を見据えるうえで重要な
点が指摘されています。
 そのなかである方からのメールの引用として次のような箇所がありました。

《学内の意思統一がそっちのけにされた大学内は、当然ながら四分五裂し、そのなかで
これを自分に都合のよい改編の機会にしようとする人たちさえ現れて、知事=都庁の画
策する分断作戦は見事に功を奏しました。》

 思い当たる節が多すぎてこれが具体的に何を念頭に置いて言われているのかはわかり
ません。ただ、ちょうどドイツ敗戦60周年であれこれの行事が催されていることもあり
、今年初めに朝日新聞「天声人語」欄で書かれていた文章を思い出させられました。(
読んだときに身につまされたので、珍しく保存してありました。)

《フランクルの『夜と霧』を訳した霜山徳爾さんは、アウシュビッツの記録の中で注意
を引くものとして「カポー」の存在を挙げた。元々は囚人だが、その中から選ばれ、他
の囚人を監督し取り締まる側に回る/「彼らの内にはナチスの看視兵よりもずっと残酷
に同胞を迫害した人間が少なからず存した」。生き残るために特権にかじりつくだけで
なく、享受さえしたという。「人間のエゴイズムの哀しさを露骨に感じさせる」》(20
05
129日付朝日新聞)

 〈カポーの幸福よりもガス室送りを〉などとは決して言えません。しかしそれでも、
と喉元までこみ上げてくるものを、自分なりに吟味してみるつもりです。


5 都立の大学を考える都民の会ニュース12号 一部掲載
     (2005年5月6日)

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入会など返信はganbare_toritudai@yahoo.co.jpまでお願いします。***
−−目次−−
1 会員への新規ご登録・会費納入のお願い
2 4.2 集会&総会のご報告(参加者からの感想)
3 「都民の会」申し合わせ事項・活動方針
4 今年度の活動へのご参加呼びかけ
5 最近の動向と主な資料

 会員への新規ご登録・会費納入のお願い

 以下にご報告いたしますように、「都立の大学を考える都民の会」は、結成当初の予
定を改め、新大学発足後も、会として活動を継続していくことになりました。これに伴
い、これまで急ごしらえのままやってきた組織面についても、もう少し継続性を考えた
ものに整えていく必要が生じました。具体的には、先日の総会を経て、これまでの「賛
同者」を「会員」にあらため、年会費として個人会員一口1000円以上、団体会員一口10
000

以上納入いただく形にすることになりました。つきましては、お手数をおかけして大変
恐縮ですが、これまでニュースをお届けしてきた「賛同者」の皆さんにもあらためて、
「会員」としての登録と、「2005年度会費」の納入をお願いいたします。
 大変心苦しいことですが、財政面での制約から、この新規ご登録・会費ご納入のない
方々には、今夏ぐらいを目処にニュースのお届けを取りやめさせていただく予定でもお
りますので、是非ともよろしくご協力方、お願い申し上げます。(何号から取りやめさ
せていただくかについては、次号でお知らせいたします。)
なお、既に会員登録され、会費を納入されている皆さまには、ここに改めてお礼申し
上げます。

<新規登録方法> Eメイル、ファクス、ハガキいずれかの方法で、都民の会事務局(
本ニュース冒頭にあて先)あてに、「お名前」「ご住所」「ニュースのEメイル配送の
可否、可の場合にはEメイルアドレス」「ご所属や都立の大学との関わり」をご連絡下
さい。
<会費納入方法> 下記宛て、ご送金ください。
  郵便局口座名義 都立の大学を考える都民の会
   口座番号 00190−5−481324

都立の大学を考える都民の会HP
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/index.html