立命館への守山女子高移管問題、守山市・立命館当局ともに生徒・父母の意見を聞かず 生徒ら涙ながらに反対を訴え (2005.5.16)

 

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2005年05月16日

立命館への守山女子高移管問題、守山市・立命館当局ともに生徒・父母の意見を聞かず 生徒ら涙ながらに反対を訴え

平安女学院大学守山キャンパスの存続を守ろうの会
 ●守山女子高等学校の存続を ●意見書 ●質問 ●全校生徒の署名
 ●街頭で守山女子高校の生徒が配布しているビラの一部(写し)

 昨年来の平安女学院大学守山キャンパス移転問題,そして現在は守山市立女子高校の学校法人立命館への移管問題=無償譲渡問題へと事件が拡大している問題ほど,自治体行政およびそれと一体となった私立学校経営におけるモラル破綻,加えて学生・生徒への就学権侵害,さらには教育事業の生命とも言うべき民主主義的手続きの欠如など多様な負の側面が凝縮した事件はないのではないかと思われる。このブログサイトが繰り返しこの事件を取り上げてきた理由もそこにある。
(簡単な経緯)
 平安女学院大学は,滋賀県および守山市から大学誘致のために総計で約34億円(前者から8億円,後者から25億6500万円)の補助金を受けながら,わずか5年間で滋賀県守山キャンパスを廃止し(2005年3月末),大阪府高槻キャンパスに移転・統合した。同大はいわば紛れもない「補助金(税金)の食い逃げ」を実行しつつ,未だに補助金返還には一切応じていない。しかも,このキャンパス移転・統合の決定は突如として学生に伝えられ,十分な説明・納得を得ることなく強行した(こうした就学権の侵害に対して,学生らは「守ろうの会」を結成し市民を巻き込んで移転反対運動を展開,その後大津地裁に就学権確認訴訟を提訴し,現在審理中)。
 また守山市長は,学生の移転反対運動に賛意を示し署名活動に協力しつつも,また市民に対してはキャンパス廃止の際には補助金を返還請求すると明言しつつも,他方で(新聞報道によれば)移転計画が発表された直後の2004年6月からすでに,「立命館側が県内で高校の開設を望んでいるという話を聞き、市長が法人の理事長に会い、市立女子高の存在を伝えた。12月に理事長から「詳しく話をしたい」と申し出があり、交渉が始まった」(4月1日付朝日新聞より)。こうして市長は立命館理事長川本八郎氏との秘密裏の交渉を継続し,その結果を,2005年3月31日,当の教職員にも知らせないまま「市立守山女子高校を立命館に移管する」という形で突如マスコミに公表した。しかも,この移管の裏には,平安女学院大守山キャンパスを立命館に無償提供することが約束されていた(おそらくこの約束がなければ,市立高校を私立学校に移管するという前代未聞の意思決定はなかったと思われる)。
 一方,立命館は,同校を取得するにあたって,もう一方の当事者である平安女学院大と独自に協議を進めてきたようだ。それは,「空き家」となった守山キャンパスを「立命館が利用する」という条件付きで市へ返還するという内容のものである(朝日新聞4月4日付)。そしてこの返還条件の了承を平安女学院から取り付けた後,移管後の高校を「守山キャンパスに移転したい」と守山市に持ちかけたと言われる(「同キャンパスへの移転話は立命館側から持ちかけた」京都新聞4月3日付引用)。そして市は「平安女学院からは『立命館が使うならよい』との内諾を得」た(中日新聞4月14日付引用)とされる。これらの点の詳しい経緯はいずれ明確になってこよう。

 以上の簡単な経緯からわかるように,この問題,平安女学院大がずさんな事業計画の遂行と税金の食い逃げをおこなったこと,守山市はかかる事業計画に莫大な税金を投入し,その失政を突如として女子高校の生徒と教職員・父母に押しつけようとしていること,そして,立命館は平安女学院と市との問題に介入して,高校と莫大な金額をもつ土地・施設を無償で手に入れようとしていることが,その本質であろう。この3者に共通しているのは,公的な機関としてのモラルが完全に欠如していること,その進め方をみても,およそ関係者の合意をとるといった民主主義的な手続きを踏んでいないこと,そのツケを全て学生・生徒に転化しているところにある。特に,立命館当局は,取得をもくろむ同校の高校生に対しては,平安女学院大学生の「守ろうの会」抗議文が指摘しているように,全く構想を知らせず,一方的に事を進め,就学権の侵害を引き起こしている平安女学院大と同じような行為を市と共に行っている。設置者は守山市であるとして責任逃れはできないと思う。立命館は,かつて「平和と民主主義」を理念とする学園と自ら標榜してきたが,理事長川本八郎氏はそのカンバンを降ろしたも同然だ。女子高校生を泣かしてどうするのか。

 守山女子高の立命館への移管決定については,市による説明会が実施された。しかし,同高校の生徒・PTA・教職員は大半が反対している。
(5月14日付の同事件の新聞記事)
守山女高移管問題、市が生徒会に説明会 生徒ら涙ながら反対訴え(京都新聞5/14)
市立守山女子高の移管問題:生徒会、白紙撤回求める 市長と交渉、議論平行線(毎日新聞5/14)
移管反対の抗議文提出へ 守山女子高PTAが臨時総会(京都新聞5/14)

以下,守山女子高校生徒会による市長および市議会への「意見書」,「署名」等々を掲載する。

平成17年5月11日


守山市議会議員 様

守山市立守山女子高等学校
生徒会執行部

守山女子高等学校の存続を

 私たち守山女子高等学校の生徒一同は、立命館への移管について説明を受けましたが、未だに納得していません。私たちは、この守山女子高等学校で学習し、いろいろな資格や技術を身につけたいと思い入学してきました。そして、守山女子高等学校を卒業したいと思っていましたが、突然、移管すること言われ大きなショックを受けました。
 私たちは、この学校の伝統や卒業生の先輩方の意志を受け継いで、ここまで頑張ってきたことが全て無駄になってしまうような気がしてしかたありません。この守山女子高等学校を何とか存続させたいと思い、全校生徒の署名と意見書に記入された内容を見ていただきたく、今回送付させていただきました。
 私たちの気持ちを受け止めていただきたいと思います。そして、守山女子高等学校を存続させていくことに是非、ご協力をお願いします。

1.同封物・全校生徒の署名(写し)
     ・意見、質問

意 見

勝手に移管を決めないで私たちの意見も取り入れてほしい。
移管をする事は閉校をするのと同じだと思う。
移管があったら守女を選んでなかった。
今までの移管の話を白紙に戻してほしい。
この守山女子高校で卒業したい。
守山女子高校の行事や伝統を無くさないでほしい。
これから社会のために役立つ学科を無くさないでほしい。
移管についてのことをもう少し早く報告してほしかった。
共学になると不安と言う生徒が多く、カウンセラーではどうにかなるとは思えない。
皆が移管について納得するようなはっきりした回答をしてほしい。
守山女子の部活をそのまま形だけではなく、中味もちゃんと残してほしい。
今まで学校生活を送ってきたのに、急に環境が変わるのは良くないと思う。
市民のため、「政治生命をかける」といい、一番聞かなくてはならない私達の意見を聞いていない。
引き継ぐと言っていたけれど、話を聞いていると、引き継がれている所なんてないのではないかと思う。
もっと意見などを聞いてほしい。(説明も)
市長辞めてほしい。
遠くから来ている生徒などもいるので駅から学校までの距離が遠くなるのは困る。
制服は、学校の証のようなモノなので簡単に変えないでほしい。ネクタイがいい。
先生は居てほしい。
試合で初出場になるのは寂しい。
今後の勉強が不安。
移管が本決まりになる前に、移管後の学校生活が納得できる内容なのか。見極める機会と十分な時間が欲しい。

質 問

この移管に関して、反対が多い場合取りやめになるのか?また、大勢の人が反対しているのに、何故移管を進めているのか?
別の解決策はないのか?
守山市民に影響はないのか?このことはしっかり市民に伝わっているのか?
質問をしたところで聞き入れてくれるのか?
何故、入学する前に説明をしてくれなかったのか?
就職するとき「立命館高校卒業」と履歴書に書くのか?
先生たちはこの先どうなってしまうのか?
高速はどうなるのか?
金銭問題(授業料、奨学金、減免制度など)はどうなっているのか?
学校はいつから移管するのか?
校舎はどうなるのか?
学校名と制服が変わってしまうのか?
(もし制服が変わってしまったらもう一度制服を買わなければいけないのか?)
部活はどうなるのか?(部活の増減や、部費、今後の影響など)
修学旅行はどうなるのか?
カウンセリングが合わない人もいるが、それ以外の対処法はあるのか?
移管したら通学は徒歩なのか?
立命館側は、何故話し合いに来ないのか?
守山女子高校のままで平安女学院大学の場所にうつることはできないのか?
ニュースや新聞などで生徒の意見を一言も言っていないのではないのか?

立命館への移管に反対する署名

私たち守山女子高等学校の生徒一同は、立命館への移管について説明を受けましたが、未だに納得していません。よって、下記の2点につき、全生徒の署名と意見書を提出します。

@生徒の意見を無視し、勝手に移管が進められていることに反対します。もっと生徒の意見を取り入れた内容で話を進めていただきたい。

A私たちは、守山女子高等学校の存続を希望します。たとえ移管するにしても、学校側(生徒・教職員)と行政側との納得のいく内容になるまで調印はしないでほしい。

(以下、署名欄)


■以下は,守山女子高校の生徒50〜60人が街頭で配布しているビラの一部(写し)

生徒会執行部

 

―守山女子高校移管問題―

市長が勝手に
「混乱収まったと判断」!!
「まだ了承されていないが以前のような混乱状態ではなくなり・・・」
この言葉は、産業経済新聞5.10(火)の一部です。
私たち守山女子高校の生徒・保護者・教職員はまだ、了承していないし、混乱状態もなくなっていません!!
私たちの意見・質問は流された!?
泣いて訴えたのに、全く無意味!!?
勝手に丸め込まれていますっっ!!!!!!

 

投稿者 管理者 : 20050516 01:30

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