「将棋ソフトうり二つ」、プロ棋士が法廷対決 asahi.com (2005.5.19)

 

http://www.asahi.com/shougi/news/TKY200505190259.html

 

 

「将棋ソフトうり二つ」、プロ棋士が法廷対決

2005年05月19日

 二つの将棋ソフトがそっくりだとして、プロ棋士同士が法廷で争うことになった。武者野勝巳六段(51)が社長を務めるコンピューターソフト制作会社「棋泉」が19日、日本将棋連盟専務理事の米長邦雄・永世棋聖(61)と「米長企画」、ソフト販売会社「サクセス」を相手に約4100万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。「開発したソフトとほとんど同じ内容のものを無断で販売され、著作権を侵害された」と訴えている。

 訴状などによると、「棋泉」は将棋のルールや定跡を学ぶと同時に練習対局もできるソフトを開発。00年に販売を始め、米長氏は監修者となった。しかし01年、米長氏側は「ソフトは失敗作品。監修したことが恥ずかしい」などと販売中止と廃棄を求め、武者野氏は受け入れたという。

 今回、問題としているのはサクセスが02年に販売を始めた、米長氏が画面上に登場してルールなどを解説するソフト。二つのソフトについて武者野氏側は(1)講義などの構成や出題内容(2)プレーヤーが対局を経て段位の認定を受けられること(3)初級・中級・上級の3部の構成――などが極めて似ていると主張している。

 先につくられたソフトに関する契約書には「米長企画の作成した詰め将棋の問題、実戦譜解説らに含む表現についての著作権と著作者人格権は米長企画に帰属する」とある。武者野氏側は「米長氏側の著作権が認められるのは詰め将棋と実戦譜解説だけだ」としている。

 〈米長氏の話〉「著作権及び著作者人格権は米長に帰する」と契約書の第1条に明記されている。

 〈サクセスの話〉 訴状を確認していないのでコメントできない。