中国副首相帰国、「靖国が原因」 緊急公務存在せず asahi.com (2005.5.24)

 

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中国副首相帰国、「靖国が原因」 緊急公務存在せず

2005年05月24日22時12分

 中国外務省の孔泉(コン・チュワン)報道局長は24日の記者会見で、呉儀(ウー・イー)副首相が小泉首相との会談を取りやめて帰国した理由について、「日本の首相、指導者が呉副首相の訪日期間中、連続して中日関係の発展に不利な発言をしたことが、会談に必要な雰囲気と条件をなくした」と述べ、小泉首相の靖国参拝をめぐる発言などが原因となったことを認めた。「緊急の公務のため」としていた当初の説明については事実上撤回した。

 孔局長は23日夜、国営新華社通信を通じて「呉副首相の訪日期間中、日本の指導者が、靖国神社の参拝について連続して中日関係改善に不利となる発言をしたことは大変不満だ」との談話を発表した。

 24日の会見ではこの談話が中国政府の正式な態度表明だと説明。23日午後に出した談話では「緊急の公務」を理由にしていたが、会見では「私は自分の口から『緊急の公務』と言ったことはない」と述べ、「緊急の公務」が存在しなかったことを認めた。

 孔局長は、靖国問題をめぐって「日本の指導者は抗日戦争勝利60周年という状況で、歴史を反省するという約束を破った。A級戦犯がまつられた靖国神社について再三誤った発言をすることは、大変な被害を受けた多くの人々の感情を全く考慮していない」と批判した。ただ、「訪日期間中の日本の指導者の発言」が具体的に何を指すのかは説明しなかった。

 自民党の武部勤幹事長が中国共産党対外連絡部の王家瑞(ワン・チアロイ)部長との21日の会談で、靖国参拝に対する中国側の批判を「内政干渉だという人もいる」と指摘したことについては、会談の具体的内容については触れなかったものの、「日本は戦後、平和の道を歩んできたと何度も言ってきたのに、今になってこのような発言が出るとは大変意外だ」「非常な憤慨を感じる」などと強い口調で非難した。

 会談取りやめについて日本政府内から「おわびがない」などと批判が出ていることについては、「靖国神社について誤った発言をした人は、心の中で少しでもすまないと思っているのか」と応じた。