首都大学東京のオープンユニバーシティで、米長邦雄氏が「美しい日本人を育てよう」という題で開設記念講演 だまらん (2005.5.25)

 

都立大の危機 --- やさしいFAQ  http://tmu.pocus.jp/

だまらん http://pocus.jp/damaran.html

http://pocus.jp/05-2005/052505-yonenaga.html

 

 

首都大学東京のオープンユニバーシティで、米長邦雄氏が「美しい日本人を育てよう」という題で開設記念講演。 [2005/05/25]

首都大学東京のオープンユニバーシティで、米長邦雄氏(永世棋聖、東京都教育委員会委員)が開設記念講演をする予定。
演題:「美しい日本人を育てよう」
日時:618日(土)14時〜1530
場所:東京都庁 第一庁舎5階 大会議場
参加費:無料
情報源:首都大学東京のオープンユニバーシティのページ。

日本は経済的に沈んでいるのではありません。
魂・心が沈んでいるのです。
日本を立て直すには、首都大学東京の元気ある勢いと知性が必要と信じています。
---
首都大学東京
のオープンユニバーシティのページより米長邦雄氏の言葉を引用。

米長邦雄氏は、ご存知のように1985年には永世棋聖となり、1993年には第51期名人、 2003年には史上4人目の1100勝達成したことで知られる。
もう1つの顔は、東京都教育委員会委員。 20041028日、同氏は秋の園遊会で明仁天皇と言葉を交した。
「日本中の学校で国旗を揚げて、国歌を斉唱させるというのが私の仕事でございます。今、頑張っております」
この時に頂いた言葉が、「やはり強制になるということでないことが望ましいと思います」
この会話は、200410月末にマスコミを駆け巡ったので、ご記憶のある方も多いと思う。

その永世棋聖、首都大学東京の支援組織であるThe Tokyo U-club のメンバーであり、東京都知事、首都大学東京の理事長、首都大学東京の学長、東京都教育委員会委員長と極めて近い考え方の持ち主なのである。
首都大学東京のオープンユニバーシティ開設とあっては、講演をするのは当然なのかもしれない。しかし、である。そんなことが、<当たり前>であってよいのだろうか?

そもそも、首都大学東京のオープンユニバーシティは、(地方)独立行政法人首都大学東京の元に運営されている大学組織の一部であるはずだ。もちろん、誰が記念講演をしてもよいのだが、問題は、まず、誰が彼に講演を頼んだのか、である。

大学の教員が依頼した、とは考えにくい。理事長とか学長あたりが頼んだのではないかと想像したくなる(もちろん、単なる憶測にすぎないことだが)。無料の記念講演会を開くのだから、「文句あっか!」と言われそうだが、場所は東京都庁の建物で、当然、都民の税金を使って立てた設備を使い、電気代だって都民の税金から支払われている。

「けちなことを言うな!」と、また言われそうだが、大学の名の元に開かれる講演会なのだから、本来、謝礼があって当然だろうし、講演会の準備(ポスター作りをするのかどうかは知らないが、広告はするだろう)にもお金がかかるはずだし、当日の光熱費だってかかるのだ。そのお金は、どこから支出するのだろうか?独立行政法人首都大学東京か、それとも東京都庁のxx予算?

問題は、今回のような講演会が、特定の思想信条を持った人達を中心に、今後も企画され実行されるのではないか、という点にある。米長邦雄氏の次は、「つくる会」の方々がぞろぞろと出てくるのではあるまいか?そして、<誰か一握りの人達>の意向で、大学がそのような場に利用されてよいものだろうか? 私は、公的教育機関として、このような事態は好ましくなく、避けねばならないことだと思う。今後の、オープンユニバーシティの講師陣の顔ぶれに注目しておこう。

ちなみに、インターネット新聞「JANJAN には、200410月の出来事に関して、 明仁天皇、国旗・国家は「強制にならないことが望ましい」 2004/10/31と、 天皇陛下から頂いた「本当に素晴らしいお言葉」に困った! 2004/10/29 が掲載され、好評を博していた。

なお、米長邦雄氏のホームページは、http://www.yonenaga.netであるが、そこには (当ホームページ上の全ての内容の無断使用は固くお断りします。) と書いてあるので注意しよう。おっと、無断使用してしまったぞ。メタメタ。

それにしても、「美しい日本人」というのは、どんな日本人なのだろうか?講演を拝聴しないと本当のところは分からないが、伝統的日本観の<片寄った解釈>に心酔した人々を指すような気がしてならない。