「A級戦犯はもう罪人でない」自民代議士会で森岡政務官 asahi.com (2005.5.26)

 

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「A級戦犯はもう罪人でない」自民代議士会で森岡政務官

2005年05月26日20時40分

 森岡正宏厚生労働政務官は26日の自民党代議士会で、小泉首相の靖国神社参拝を「大変良いことだ」と支持する考えを示したうえで、「極東国際軍事裁判は、平和や人道に対する罪を勝手に占領軍が作った一方的な裁判だ。A級戦犯の遺族には年金をもらっていただいており、日本国内ではその人たち(A級戦犯)はもう罪人ではない」と述べた。この発言に対し、政府は「個人の見解」(細田官房長官)として、森岡氏から事情を聴くなどはしない方針だ。

 森岡氏は「中国に気遣いして、A級戦犯がいかにも悪い存在だという処理のされ方をしているのは残念だ。日中、日韓関係が大事というだけで、靖国神社にA級戦犯がまつられているのは悪いがごとく言う。こういう片づけ方をするのは後世に禍根を残す」とも指摘した。

 小泉首相は26日、森岡氏の発言について、記者団に「聞いてませんけどね。今そんな発言を取り上げても、しょうがないんじゃないですか」と語った。A級戦犯の責任については「戦争裁判で済んでいるじゃないですか」との認識を示した。

 細田長官は同日の記者会見で、「事実関係は種々誤りが含まれており、論評する必要はない。極東軍事裁判などは政府として受け入れている。政府の一員として話したということでは到底ありえない」と述べた。

 森岡氏は88年に「日本に中国侵略の意図はなかった」と発言して国土庁長官を辞任した奥野誠亮元法相の秘書を経て、衆院議員となった。比例区近畿ブロック選出で当選2回。