この国、相当にやばくなっている 澤藤統一郎の事務局長日記 (2005.5.26)

 

澤藤統一郎の事務局長日記 20050526

http://www.jdla.jp/jim-diary/jimu-d.html

 

 

この国、相当にやばくなっている  

 

「日の丸・君が代」各訴訟は、あれもこれも動き始め、走り出して、それぞれの準備に大忙しの状態。そのような実務的打ち合わせの中で、若い弁護士がふと漏らした言葉に実感がこもっていた。「この国、もう相当にやばいことになっているんじゃないの」

 

当然の憲法的価値だと思っていたものが、どんどん削り取られていく。思想良心の自由も、教育への権力の介入禁止も、男女平等も、自主・自律の原則も、表現の自由も、そして何よりもはつらつとした主権者としての精神が‥。上意下達・上命下服・面従腹背、それが教育の場でまかり通っている。これではいけないと、自分の意見を強く押し出す人には、刑事弾圧が待っている。いったい、いつの間にこんなやばいことになってしまったのか。

 

法廷で対峙する都教委の中枢にかつての全共闘活動家が少なくないことが話題となる。彼らは、革新都政の時代であれば、革新都政なりの官僚になったはずの人たち。上が変わればその風を読んで器用に自分を変えてしまうカメレオン諸君。風見鶏諸君、ヒラメ諸君、ロボット諸君。君たちは恐ろしい存在だ。この集団を哀れむべきなのか、それとも打つべきなのか。

 

そして本日、都教委は定例会で、05年4月卒業式の不起立者9名とピアノ伴奏拒否者1名に対して減給・戒告の処分を決定した。中に、4回目の不起立者が含まれている。都教委は明日の処分発令のため、該当者に呼び出しをかけている。

本日の教育委員会では、「不適切な生徒指導」での厳重注意も決定されている。さらに、また「再発防止研修」命令である。なるほど、確かにこの国は相当にやばい。

 

が、この不当に憤り、抵抗を続ける集団がある限り、やばさもまだまだ本物ではない。この抵抗が終息してしまったとき、そのときこそこの国のやばさは本物になる。そうさせてはならない。つくづくそう思う。