浜渦・都副知事ら、特別職6人辞職へ 「読売新聞」 (2005.5.30)

 

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2005年05月30日(月)

 

浜渦・都副知事ら、特別職6人辞職へ

 東京都の石原慎太郎知事の「懐刀」といわれる浜渦武生副知事が、都庁の人事や政策を独占しているとして、都議会が批判を強めている問題で、石原知事は浜渦副知事を含む6人の特別職が総辞職することで、事態の収拾をはかることを決めた。

 石原知事は30日午後にも、都内のホテルで都議会の自民、公明の代表者らと会い、了承を求める。

 辞職するのは、浜渦副知事のほか、福永正通、大塚俊郎、竹花豊の3副知事と、横山洋吉教育長、桜井巌出納長。

 浜渦副知事は3月の都議会で、都の関連団体が運営する福祉専門校を巡り、民主党幹部に「ヤラセ質問」を依頼したとの疑惑が持ち上がり、都議会は百条委を設置。浜渦副知事は証人尋問で疑惑を否定し、今月12日、百条委はこれを「偽証」と認定した。

 この背景には、「石原知事の威光を借りて都政を牛耳る」(自民幹部)とされる浜渦副知事への議会側の反発があり、石原知事も会見で、「私の管理責任」と側近政治の弊害を認めていた。

 知事周辺によると、総辞職は、浜渦副知事の事実上の更迭と、施策のほぼ全案件を審査するなど浜渦副知事に「過大」な権限を許した他の副知事らの責任を問う措置。

 福永、大塚両副知事と横山教育長は「責任を取りたい」として、先週半ば、知事に進退伺を提出していた。

 警察庁から出向中の竹花副知事については、8月に同庁に戻ることが決まっており、他の副知事に遅れて7月末に辞職することも検討されている。

 浜渦副知事への強い批判は、百条委で「ヤラセ質問」を追及する過程で噴き出した。

 福祉専門校は2001年、校舎建設費など約21億円を都が拠出して練馬区に開校したが、生徒が集まらず、翌年には民間の学校法人に校舎を貸し出す事態に陥った。民主党は3月の議会で、この学校法人との契約について「問題はないか」とただし、浜渦副知事が「不法でない形で処理されなければならない」と違法性があるかのように答弁していた。

 この質疑で浜渦副知事が狙いとしたのは、「私学のドン」といわれる有力都議(自民)の追い落としと、次期副知事人事だったとみられている。浜渦副知事は都議と学校法人との“癒着”を疑っていたとされ、石原知事は2月、浜渦副知事らから福祉校問題について説明を受けた直後、会見で「正すものは正す。けが人が出るぞ」と発言していた。

 また、学校法人と契約した2001年当時の都福祉局長は、石原知事から今年6月の副知事就任の「内示」を受けている。このため、議会側は、浜渦副知事が自身の「側近」である都幹部を起用しようと、人事を妨害する意図があったとみて百条委で追及していた。