仏語学校校長ら都知事を提訴へ 仏語は国際語失格発言 asahi.com (2005.6.2)

 

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仏語学校校長ら都知事を提訴へ 仏語は国際語失格発言

2005年06月02日15時57分

 石原慎太郎・東京都知事が昨年10月、「フランス語は数を勘定できない言葉で、国際語として失格」などと発言したことをめぐり、東京都内の仏語学校の校長らが近く、損害賠償などを求めて東京地裁に提訴する。「フランス語を学ぼうとする市民の意欲を喪失させるもので、業務妨害だ」と主張する方針。知事の発言は首都大学東京の新設に伴う都立大の組織改編に反発した、仏語を含む同大の担当教員らを批判するなかで出た。仏語学校の校長らは「仏語そのものを批判するのは的はずれだ」と訴えている。

 この発言があったのは、都庁内で開かれた首都大学東京の支援組織の設立総会。祝辞のなかで「フランス語は数を勘定できない言葉だから、国際語として失格しているのも、むべなるかなという気もする。そういうものにしがみついている手合いが結局、反対のための反対をしている」などと述べた。

 現在、港区の仏語学校の校長ら10人ほどが原告となることを決めている。(1)仏語は数を数えられ、国連など国際機関の公用語にもなっており、発言は虚偽(2)発言は仏語を母国語とする者の名誉を傷つけた(3)他国の文化の蓄積・結晶である言語を誤った事実認識に基づいて一方的におとしめた――などとする訴状の原案を「石原都知事のフランス語発言に抗議する会」としてインターネットのホームページ上に掲載、訴訟参加を呼びかけている。今月中に東京地裁に提訴する予定だ。

 4月に都立大などを再編・統合してスタートした首都大学東京では、都立大当時、仏語を含めて五つあった語学・文学の言語別専攻がなくなり、都市教養学部内のコースに統合された。昨年はこうした都の大学改革方針に学内から反対の声が上がっており、石原都知事はこれを批判する文脈の中で仏語について言及した。

 朝日新聞社は都を通じ、発言の意図や提訴の動きがあることについての考えを石原都知事に尋ねたが、1日までに返答はなかった。