首都大学東京、研究費配分でまたもや旧大学教員差別を表明 (2005.6.2)

 

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2005年06月02日

首都大学東京、研究費配分でまたもや旧大学教員差別を表明

東京都立大学・短期大学教職員組合
 ●「手から手へ」第2349号(2005年5月31日)

研究費配分でまたもや旧大学教員差別を表明
傾斜的研究費の所属大学によらぬ平等な扱いをおこなえ!

応募資格は新大学教員だけ―法人事務局
  5月26日付で各部局を通じて「平成17年度公立大学法人首都大学東京における傾斜的研究費募集要領」が、各教員宛に送られています。組合が5月30日、この募集要領の記載について、事務局に問い合わせたところ、重大な事実が発覚しました。事務局側の回答によれば、この研究費に応募できるのは、首都大学東京所属教員だけであり、都立大学・短期大学など旧大学所属の教員の応募は認めないといいます。

「募集要領」の記載にさえ反する扱い
  募集要領は、公立大学法人首都大学東京理事長名の送り状とともに送付されており、その冒頭には「公立大学法人首都大学東京(以下「本学」という。)における傾斜的研究費」と断って、その目的がかかれています。そして総額4億1800万円(全学分1億5000万、学部分2億6800万)の研究費についての応募条件は、「本学に所属する教員等(非常勤講師を除く。)に限る」とされています。
  この記述では、法人のもとにある5大学がすべて「本学」にあたり、したがって新大学・旧大学を問わず、5大学に所属するすべての教員に応募資格があることになります。
  しかし法人事務局は、「この記載は誤りである」とし、「本学」とは法人ではなく、大学としての首都大学東京に限るものであると、組合に回答しました。

昨年おこなわれた露骨な差別をまたもや踏襲するのか!
  昨日おこなわれた夏季一時金要求等の申し入れ団交後の非公式折衝で、組合は、このことの不当性を指摘し、その目的は何かを問いただし、撤回を強く求めました。それに対して法人事務局は、新大学の教育・研究を充実させるという昨年来の目的を踏襲したとしました。
  しかし、昨年の差別的配分が、「新大学の充実」という表向きの目的とは裏腹に、「意思意志確認書」問題をめぐる2-3月の激しい大学管理本部と四大学教員との間の対立の直後に、設置審申請のための就任承諾書を目前にして、新大学に非協力的な教員をあからさまに差別するという目的で実施されたことは、誰の目にも明らかでした。実際、昨年度新大学就任予定者以外認めないとしながらも、就任予定のない定年退職予定者でも新大学に「寄与する意思」があれば応募を認めるといった、あからさまな思想差別をおこなっていました。また、組合役員に対する処分を行わなければ予算執行を停止するなどと大学執行部に脅しをかけてきたことも忘れるわけにはいきません。
  昨年来の目的方式を踏襲するということは、まさにこうした「研究費を使って思想統制を行う」という露骨な差別を踏襲することに他ならないといえます。

5大学教員全員に認めるか否かは法人の姿勢の試金石
  そもそも人数からすればそれほど多くない新大学非就任者をはずしたところで、研究費の重点化効果にはほとんど影響がありません。また、5大学の学生・院生の大多数が現在は旧四大学所属であることを考えても、このような差別は不合理です。数少ない旧大学所属教員が優れた研究を行えば法人にとって得るものはあっても失うものは何もないのです。それにもかかわらず、このような措置をおこなおうとすることは、実質的な効果以上に、教員を差別的に扱うという法人の姿勢を象徴的に示す効果をもたらすものです。
  この措置が本当に実施されれば、非就任者ばかりでなく、新大学を少しでもよくしようとがんばっている多くの教員にも、法人の差別的権力的姿勢への怒りや絶望を広げることは確実です。
  法人がもし、「非就任者はいつでも新大学に就任できる」という約束を履行するつもりなら、そして、もし、5つの大学の教育・研究の充実を本当に目指し、5大学教職員の協力を真に求めているのであれば、このような措置は直ちに撤回すべきです。

 

投稿者 管理者 : 20050602 00:16