「意見広告の会」ニュース282 (2005.6.3)

 

 

「意見広告の会」ニュース282

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。

** 目次 **
1 第二回国会内ポスター・エキジビションズ 1st circular
     国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 2005526
2 北大教職員組合が救済申し立て 「寒冷地手当減は不当」
     『朝日新聞』北海道版 2005527日付
3 「君が代」不起立で停職処分
3−1 「君が代」不起立、初の停職  都教委
         
(朝日新聞 2,005528日朝刊 武蔵野版)
3−2 5教員を厳重注意
     (東京新聞 2,005528日朝刊)
3−3 停職一ヶ月処分を受けた根津さんからの発信
     根津公子さんのHP http://www.din.or.jp/~okidentt/nezusan.htm
3−4 5月31日の停職「出勤」
4 「つくる会」教科書をめぐって
     教育学・教育関係者のアピール(案)
5 紹介 日本ペンクラブ・メールマガジン「P...」      
       第27号  200562
   *「P...」の申し込みは http://www.japanpen.or.jp より可能です。


***
1 第二回国会内ポスター・エキジビションズ 1st circular
  国立大学法人1年間の諸問題を告発する 
                       2005526
          国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

      まだ参加申し込みを受け付けています.

1.参加申し込みの状況
 520日で第一次の参加申し込みを受け付け, 8大学・団体から,法人化1年間の現
場の実態を報告する参加の申し込みをいただいております.まだ随時受け付けておりま
すで,申し込みを歓迎いたします.
2.事務局作成ポスター
 首都圏ネット事務局からは以下のようなポスターを発表する予定で準備を進めており
ます.いずれもタイトルはまだ未定です.内容が固まったものについては,サーキュラ
ーでお知らせしたいと思います.
 *国立大学事件簿
 *国会での質疑から
   授業料問題
   国立大学法人法一部改正の附帯決議
   学校教育法一部改正
 *国立大学の教員組織
 *国立大学の施設整備
 *科学技術総合会議などの動向
 *国立大学病院問題
 3.ポスター作成について
 原則はポスターは各参加団体で作成,印刷をしていただきますが,電子ファイルをい
ただけば,首都圏ネット事務局でポスター化の作業を進めたり,印刷を行うことも可能
です.ただし,その場合,参加費に加えて若干の実費を頂くことになると思いますので
ご了解ください.
4.問いあわせは,首都圏ネット事務局(info@shutoken-net.jp)まで


2 北大教職員組合が救済申し立て 「寒冷地手当減は不当」
    『朝日新聞』北海道版 2005527日付
    申立書全文は http://ha4.seikyou.ne.jp/home/kumiai/

 北海道大学(中村睦男学長)が、04年4月の国立大学法人化に伴って定めた就業規
則を一方的に改定し、寒冷地手当を減額したのは不当労働行為にあたるとして、北大教
職員組合(伊藤雄三委員長、400人)が26日、北海道地方労働委員会に救済申し立
てをした。「団体交渉で記録をとることを禁止しない」など労働組合法に則した労使交
渉の実施や、「反省文」掲示を求めている。
 国立大学の法人化で、教職員は公務員ではなくなり、人事院規則などで定められてい
た労働条件は一般企業と同じ労基法が適用される。また、職員組合は労働組合法が定め
る「労働組合」になった。北大教職組によると、法人化に伴って施行された就業規則の
職員給与規定には寒冷地手当について具体的金額が定められ、04年度分は予算措置さ
れていた。ところが、大学側は昨年8月の人事院勧告に準じて規則を改定し、寒冷地手
当の支給額を前年より総額で1億2千万円減額し、分割支給した。改定について組合に
対する事前の協議申し入れはなく、団体交渉の前に役員会で決定してしまうなど、一方
的だったという。
 伊藤委員長は「労務担当理事が『就業規則の不利益変更であることは承知しているが
、支払わない』と言うなど、公務員時代の労使関係をひきずり、合意を得る努力をして
いない。今後、きちっとした労使関係を結ぶためにも、実効性のある救済命令を出して
ほしい」と話す。
 申し立て代理人の弁護士は「大学側がメモを禁止したために団体交渉の議事録がない
など、労使関係の基本が分かっていない」と、あきれている。
 北大は「労働組合との交渉には誠実に応じていることから、不当労働行為とは考えて
いない」とコメントしている。


3−1 「君が代」不起立、初の停職  都教委
         
(朝日新聞 2,005528日朝刊 武蔵野版)

 
都教育委員会は27曰、今春の入学式で「君が代」斉唱時に起立しなかったなどとされ
た公立学校教職員十人の懲戒処分を発令した。直前の卒業式の「不起立」で減給十分の
1(6カ月)の処分を受けた多摩地区の女性の中学校教員(54)は、停職1カ月を受
けた。都教委が教職員に君が代斉唱時の起立を義務づけ03年秋以降、停職処分は初め
て。
 
都教委は「処分歴や反省の度合いを総合的に判断した」としている。
 
女性教員は「曰の丸・君が代の押しつけば子どもたちから判断の機会を奪う。停職処
分はショックだが、おかしなことには服従しない姿を示したい」と話した。
 
ほかの9人はいずれも都立高教員。6人が戒告、3人が減給、10分の1(1ヵ月)

 
このほか生徒に不適切な指導をしたとして2人を厳重注意し、不適切な言動があった
として3人を指導する。

3−2 5教員を厳重注意
     (東京新聞 2,005528日朝刊)
都立高5校 国歌斉唱の生徒指導で
 都教育庁は二十七日、今春に開かれた都立高校の卒業式と入学式で、起立して国歌斉
唱するよう生徒に適切な指導をしなかったとして、五校の教員五人を厳重注意などにし
た。注意を受けたのは卒業式で四人、入学式で一人。関係者によると、これらの教員は
ホームルームなどで生徒たちに、「国歌を歌わない内心の自由が憲法で保障されている
」などと説明したことが、問題視されたという。
 また、入学式で国歌斉唱時に不起立やピアノ伴奏拒否をした都内の公立中高校の十人
を、停職一カ月や減給、戒告の懲戒処分とした。既に今年の卒業式では不起立で五十三
人が処分を受けている。
 これに対し、処分を受けた教員らでつくる「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求め
る被処分者の会」などは同日、「不当処分撤回まで闘い抜く」とする抗議声明を発表し
た。

3−3 停職一ヶ月処分を受けた根津さんからの発信

皆様  (転送歓迎です)
 
根津公子です。都庁記者クラブに行き、夜記者会見を緊急でしてもらって帰り、パソ
コンに向かったのですが、皆さんに送信する段になって、突然画面が消え、打ったもの
すべてがなくなってしまいました。この時間ですので簡単に報告します。

 
入学式の「君が代」不起立で都教委は私を明日28日から1ヶ月の停職処分に処しました
。石原・横山は先月の北九州ココロ裁判の判決など、どこ吹く風、どこまでも突っ走る
と、再度宣言したかのような暴挙・愚挙に出ました。

 
卒業式ではいろいろなことがあって私は、「君が代」の途中から着席したことは以前
お伝えしましたが、そのとき、そうしてしまったことへの後悔と、2度とこんなこと私
にはできないとの思いを持ちました。そして、定年まで6年間に使えるカードの枚数を
数えるのはもうやめよう、私の気持ちに正直に不服従をしよう、そうすることで私の教
員としての生き方を子どもたちに示すことができたらいいなと、ごく自然に考えるよう
になりました。そして、決意しました。ですから今回の停職は当然予想していたことで
す。

 
入学式の時から私は校長に、「都教委は私を停職にするだろうけれど、私は毎日学校
に来るからね。朝から夕方まで。校長は教育委員会から命じられて私を排除するだろう
けれど、学校の敷地1cm外にいる私を退去させることはできないよね」と言ってあり
ます。来週30日(月)はもともと調布中への見せしめ異動裁判が朝から1日予定され
ていて、すでに休暇申請をしています。ですから、31日に学校に行きます。今日、処
分書を受け取った後、校長に、「子どもたちに対して校長は私のことをきちんと話さな
ければならないですよね」と言っておきました。私は締め出された、たぶん校門前公道
で生徒たちに私の言葉で話をしていこうと考えています。1ヶ月間たっぷり時間はあり
ますから。都教委の私に対する仕打ちを見て、子どもたちがいまを考えるきっかけにな
ったらいいなと思います。そんなわけで毎日二中の門の前にいることになると思います
。時々は都教委にも抗議に行きますが。
とりあえずのご報告とお願いです。
 
処分書を受け取る前に「心して聞きなさい」と言って私が読み上げはじめた、しかし
、風邪を引いて声がれした私の声をかき消す声で都教委の役人が処分書を読み上げたの
で、途中から聞こえなくされてしまった抗議文を添付します。

~
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2005年5月27日
東京都教育委員会御中
           立川市立立川第二中学校教諭 根津公子

「君が代」処分に抗議する

 本日2005年5月27日、東京都教育委員会(以下、都教委)は入学式における「
君が代」斉唱時に起立しなかったとして私を停職1月処分に処した。この暴挙に強く抗
議する。
 1989年当事の文部省が学習指導要領に「日の丸・君が代」を持ち込んで以降その
強制を年々強め、都教委は2003年、いわゆる10・23通達を出し、反対意見を処
分で脅し封じ、徹底した「君が代」服従を教員に、そして教員を通して子どもたちに強
いてきた。
 教育は「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成」を期し、「学問の
自由を尊重して」行うべきものであって、教育行政が「不当な介入に服してはならない
」と教育基本法は謳っている。
教育として「日の丸・君が代」を取り扱うならば、学校・教員はこれらについて子ども
たちが考え判断できるよう資料を提示し、学習する機会を作るとともに、その上で子ど
もたちが自らの意思で行為を選択することを保障しなければならない。それが軍国主義
教育の反省から生れた、教育基本法の示す教育行為である。
 然るに、都教委が強行する、子どもたちに一つの価値観を押し付ける「君が代斉唱」
行為は非教育・反教育行為であり、教育基本法に違反する行為である。それは調教と呼
ぶべきものである。
 そのような理不尽なことに、私は従えない。職務命令を濫発されても従わない。それ
は、教育基本法を順守し、軍国主義、国家主義教育に加担しないと誓った私の教員とし
ての職責であり、選択である。私は、私の生き方を子どもたちに示すことで教育に責任
を持つ。だから、都教委が叩いても私は立ち上がる。意を同じくする人たちとともに闘
う。
 都教委の役人の方々よ、世界に目を向けよ。圧政に命を堵して闘っている人々がいる
ことをあなた方は知っているだろうか。圧力をかければ、誰もが服従するのではないこ
とを学ぶとよい。
都教委の「君が代」処分に抗議するとともに、併せて、闘いつづけることを宣言する
                 
                           以上
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
なお、根津さんを支えてきた「石川中裁判を支える会」では7月に総会&集会を行いま
す。
ぜひ皆様、ご参加ください。
また、「支える会」にご入会ください。

総会&集会期日 7月9日() 
場所;八王子クリエイトホール(八王子駅北口徒歩3分)
 第一部 総会6:00〜6:30
 第2部 集会 とめよう戦争教育〜希望をもって不服従
    1、6:30〜7:30(各15分×4人)
        根津さんの話
        弁護士の話
        被処分者の話
        など
    2、7:30〜8:30
        小森陽一さんの話            
        質疑応答

主催;石川中裁判を支える会
連絡先; 0426-64-5602田中

振込口座() 00150-7-15453 口座名義 石川中裁判を支える会
http://www.din.or.jp/~okidentt/nezusan.htm


3−4 5月31日の停職「出勤」
皆様 
根津公子です。今日の報告です。転送可です。

5月31日停職「出勤」第1日目。朝職員室に行き、私の気持ちを書いた手紙を同僚た
ちの机上に配り、職員打ち合わせの時に発言をした。その後校長が「学校の敷地内から
は出て行ってもらわなくては困る」と言う。「私は悪いことはしていない。仕事をした
い。処分は不当。だから、出て行く気持ちはまったくない」と告げ、しかし、意に反し
て校門外に出ることにした。

カレンダーの裏に「『君が代』斉唱で起立しないからと、1月停職処分! ・私が起立
しなかったことで迷惑を受けた人はいますか? ・私はまちがっていると思うことには
、命令でもしたがえないのです」と書き、プラカードにして座っていた。下校時刻まで
は行きかう人と話したりし、それはそれで面白かった。3時40分ころから下校が始ま
った。生徒はなぜ、私が校門外にいるかにわかには理解できず、訊いてくる。ひとしき
り話をして1グループが引き上げると、途切れることなく、次のグループがやってくる
。5時過ぎまで途切れることなく、にわか仕立ての意見交流会となった。「石原知事か
らひどいことをされても、正しいことをする先生を尊敬します。私もそう生きたい」な
んて、言ってくれる生徒までいて、とってもエネルギーをもらった。私の受けた停職処
分が、生徒たちが考えるきっかけになってくれればいいなと漠然と思っていたけれど、
十分受け止めてもらえて、最高!! とっても充実した1日でした。


4 「つくる会」教科書をめぐって教育学・教育関係者のアピール(案)

日本の教育の発展のためにご尽力くださっている皆様
 突然のお願いですがお許しください。
 
「つくる会」教科書問題が、中国・韓国などアジア諸国で問題視されていますが、こ
の問題で、「教育学・教育関係者アピール」を出すことを呼びかけたいと思います(案
文別紙)。
 2001年の時にも、同種のアピールを発表し、大きな反響がありました。
 今回は、時期的には遅れましたが、教科書採択手続きは始まったばかりです。このア
ピールは、教育学・教育関係者、市民、そして教育委員も視野に入れたものとして出さ
れることを意識しました。
 切迫している問題ですので、下記の要領で主にメールを使って、私どもから直接お願
いする方法と、教育関係団体のメーリングリストなどに転送されることによって広く呼
びかけられる方法を歓迎することを記して、間接的に呼びかけることにします。
 日を限って御賛同を集め、発表したいと思います。

        2005,5,30
    教育学・教育関係者アピール運動 第一次呼びかけ人一同

                                     

1,A:「アピール呼びかけ人」に加わることへのご賛同者、と
  B:「呼びかけ人」には加わらないで同アピールに賛同する方
  を分けてご賛同を集約いたします。ABの別を明記の上ご賛同のご返事をお寄せく
ださい。ABの別が明記されていない場合はAとして扱わせていただきます。
2,発表する際のお名前、およびその下に示すいわゆる「肩書き」を明記してください

3,締め切り 6月6日(月)中
3,ご返事いただくメールアドレス
  hinokoba@pop17.odn.ne.jp (小林和宛)
  FAX  042-584-5374 (IP電話番号050-1097-5374)
  できるだけメールをお使いください。                以上

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憲法の平和主義・国際協調の原則に背き、教育の自由と自律を乱す「つくる会」教科書
をめぐって教育学・教育関係者のアピール(案)

一、二〇〇一年につづき、今年も「新しい歴史教科書をつくる会」は、扶桑社を出版元
として中学校教科書(「歴史的分野」、「公民的分野」)を発行し、八月の採択にむけ
たとりくみを活発にすすめています。
 私たちは、「つくる会」教科書の内容は憲法・教育基本法の平和主義・国際協調の原
則に背き、中学生の教科書として適切性を欠いていると考えます。さらに、同教科書の
作成、検定、採択にむけた異常なとりくみは、教育の条理を大きく逸脱するものです。
したがって私たちは、この教科書は日本の教育にとってふさわしいものとは言えないと
考えます。

二、報道および諸資料によれば、右「歴史」教科書にはアジア太平洋戦争を「大東亜戦
争」と記載し、自存自衛、アジア解放のための戦争と捉えています。原爆の被害や戦争
で被った国民の被害についてもわずかにしか記載されていません。侵略戦争と植民地支
配を正当化したり、アジア諸国に与えた多大な被害が消された歴史は、中学生が二一世
紀の日本社会に生きてゆく上で必要な認識とはとうてい言えません。日本政府自身も明
らかにしてきた近隣諸国への戦争加害に対する謝罪表明とは基本的に異なる同教科書の
記述は、アジア諸国民の怒りや欧米の厳しい批判を避けることはできません。さらに、
近現代史のみならず、教科書全体に貫かれているのは自国中心の偏ったナショナリズム
とも言うべきものであり、国際協調をいっそう進めなければならない時代の方向に逆行
するものです。
 また同社「公民」教科書は、天皇主権の大日本帝国憲法をことさら高く評価し、日本
国憲法については条文の粗略な紹介にとどめ、「改正」への論拠を詳しく紹介するなど
、低い評価しか与えていません。この教科書では「基本的人権(27)」の前に「憲法改正
(26)
」を学ばせるなど、改憲という特定の政治的立場が強調されています。
 これまで多くの教師たちによって、社会科が単なる「暗記もの」とならないよう、生
徒の身近な素材を通して、社会のしくみと人々との関わり、歴史や現状について考えさ
せようとする努力と工夫が進められてきました。しかし、同教科書は生徒の視点を大切
にする要素が極めて乏しいものとなっています。

三、この教科書に関わる特定の政治勢力の一連の動きを見ると、仮にこの教科書が採択
されることになれば、その地域の教育に新たな政治勢力の介入とそのことによる混乱を
招くのではないかと危惧されます。
 文科大臣による教科書検定については、家永教科書裁判や高島教科書裁判で違憲違法
の疑いが指摘されています。しかし、現行制度を前提としても、日本国憲法や政府の戦
争認識とも極端に異なる教科書が、何故「合格」となったのか理解に苦しみます。こう
した事態は、与党政治をささえる特異な政治的潮流によるものとしか考えられません。

 また、文科省自身が厳重に流出を禁じてきたいわゆる白表紙本が、同社の宣伝として
一九都府県に七〇冊以上(四月下旬現在)配布されていた事実も明白になっています。
  
                       
教科書採択制度については、「生徒の生徒に最も適した教材および方法を判断するため
の格別の資格を認め」(ILO・ユネスコ「教員の地位に関する勧告」)られている教員
を採択の重要な過程から排除する改悪措置が進められています。

 さらに、一部の地方自治体では検定が終わる前から、首長がこの教科書が採択される
ことを歓迎する発言をくりかえし、同教科書発行に重要な役割を果たした人物を教育委
員に迎えるなど、同教科書導入への異常な環境づくりが行われています。同教科書の採
択に影響を与えるべく「議会決議」をあげる動きもひろがっています。
私たちは、政治的圧力や教育委員人事によって教科書が決まることを許さず、教育的評
価で採択が行われることを保障することが教育委員会や教育関係者の仕事であると考え
ます。

四、この教科書をめぐる異常な事態は、憲法・教育基本法の「改正」をすすめる潮流が
作り出してきたものです。それは「日の丸・君が代」の強制、性教育への圧力など、教
育への行政による管理・統制・介入の政策と根を同じくするものと言わなければなりま
せん。
 教育は、日本国憲法および国際人権法が掲げる原則、平和主義、人権尊重、国民主権
、民主主義、国際協調と不即不離の関係にあります。そしてそのためには教育における
自由と自律が正しく機能することが不可欠です。そのいずれが欠けても、子どもの権利
としての健やかな成長・発達を保障することができません。

五、私たちは、今回の「つくる会」教科書をめぐっては、同教科書の批判にとどまらず
、教科書全体に視野を広げて教育の課題を考えることが大切であると確信します。そし
て、子どもたちの現状や願いを中心に置いて、教科書のつくられ方、選ばれ方、使い方
、そして教育のありかたなどをめぐる議論が各所で起こされ、教育関係者・市民の中に
、さらには教育委員会の中に、確かな認識が培われることを切に願い、このアピールを
発表するものです。

 二〇〇五年五月三

第一次・アピール呼びかけ人(五十音順)
浅羽晴二(全国民主主義教育研究会)
梅原利夫(和光大学)
大田 堯(東京大学名誉教授)
片岡洋子(千葉大学)
勝野正章(東京大学)
小林 和(民主教育研究所研究委員)
中野 光(教育学研究者)
三上昭彦(明治大学)
森田俊男(平和・国際教育研究会)
この欄に「アピール呼びかけ人」としてできるだけ多くの皆さんがお名前を連ねて
いただきたく、ご協力を切にお願い申し上げます。
事務局担当・小林 和


5 紹介 日本ペンクラブ・メールマガジン「P...」      
       第27号  200562
*申し込みは http://www.japanpen.or.jp より可能です。

*部分引用
 「いま、戦争と平和を考える」緊急集会第4
┌----------------------------------------------------------------------┐
 集会「いま、戦争と平和を考える」から、井上ひさし会長と阿刀田高専務理事の
お話の要旨をご紹介します。

 日本ペンクラブは、シンポジウム「いま、戦争と平和を考える」を、212
(土)、東京・内幸町の日本プレスセンターにて開催しました。
 この催しは、2001年、ニューヨークで起きた「911テロ」の後に第1回を開き、
今回で、4回めとなりました。
 当日は開場前から、参加者が続々と来場、高校生のグループなど、観客数は定員
を上回る470人を数え、立ち見も出る盛会でした。

 出演者と内容は、以下の通りです。

*リポート1
 「日米首脳の発言にみる911から自衛隊派遣延長まで」
                               
吉岡忍(ノンフィクション作家)

*リポート2
 「現地撮影ビデオに見るイラク戦争の実態」ビデオ提供 高遠菜穂子

*シンポジウム「戦争と言論」
 井上ひさし(劇作家・作家)
 酒井啓子(アジア経済研究所 地域研究センター参事)
 辻井喬(作家・詩人)
 
*ミニ講演
 「日本国憲法にみる戦争と平和」井上ひさし

*まとめ 
 
「もし日本が攻撃を受けたら私はどうするか」阿刀田高

 今号のメールマガジンでは、井上ひさしのミニ講演と、阿刀田高のまとめの要旨
を、ごく簡単ですが、お送りします。
 以下略

公開講座のご案内
日本ペンクラブ発「ペンの学校」第3回・618日(土)

 朝日カルチャーセンターとの提携で、毎月開かれている、文学セミナー「ペンの
学校」も、第3回となりました。

「作家の眼、創作の芽」というテーマで、作家が自作を生み出すきっかけとなる着
眼と、つかみ取った作品が芽生える瞬間について、毎月一人ずつ、さまざまな書き
手が語ります。

 次の第3回、618日(土)の講師は、辻井喬さんです。どうぞご参加ください。

時間    15:4517:15
受講料(税込) 
      1回分 一般・カルチャーセンターの会員とも 3,670

会場  朝日カルチャーセンター 
    新宿住友ビル(新宿区西新宿2-6-1
    (交通) 地下鉄 大江戸線「都庁前駅」A6出口直結
         JR   「新宿駅」西口より徒歩8

申込み先・お問い合せ先
 朝日カルチャーセンター 電話03-3344-1945()
             月曜日から土曜日 午前1000から午後600
             (日曜日、祝日 休み)

〈講師紹介〉

辻井 喬(つじい・たかし) 詩人・作家。
1927
年東京生まれ。東京大学経済学部卒業。55年に詩集『不確かな朝』
を刊行、以来数多くの詩集、小説、エッセイ等を出版。著書に小説『沈める城』、
『風の生涯』、詩集『わたつみ三部作』ほか。93年、詩集『群青、わが黙示』で第
23
回高見順賞受賞、94年、小説『虹の岬』で第30回谷崎潤一郎賞、04年、小説『父
の肖像』で第57回野間文芸賞受賞。文筆活動の傍ら、日本中国文化交流協会会長と
して日中間の文化交流促進に務めている。日本ペンクラブ理事。


日本ペンクラブ・メールマガジン「P...」    (毎月12回発行)

  行:社団法人日本ペンクラブ広報室
著作権:社団法人日本ペンクラブに帰属。転載厳禁。
http://www.japanpen.or.jp

<ご感想> E-mailkouhou@japanpen.or.jp
お返事はできかねますのでご了承ください。