癒着する警察と右翼 「週刊金曜日」金曜アンテナ (2005.6.24)

 

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癒着する警察と右翼

「我々と機動隊の一致団結だな」

 台湾・靖国訴訟の遺族らを靖国神社で待ち受けていたのは、右翼と警察の過剰警備だった。14日早朝、靖国神社を訪れて魂を取り戻す民族的な儀式をしようとした台湾人遺族らの立ち入りを阻止した右翼のひとりが勝ち誇るようにこう言った。

 午前7時、靖国神社には右翼団体の構成員が続々と集結し、約80人が第1鳥居前の空間を塞ぐように四列縦隊の人垣をつくった。

「いま、バス2台でホテルを出ました」などと連絡を取り合う右翼。なぜ彼らが宿泊先を知っているのだろうか。不思議だった。

 機動隊は鳥居前からマスコミの車両を排除する一方、右翼の街宣車3台をそこに止まらせた。遺族らを乗せた2台のバスは靖国に近づく途中、警察に制止され、代表のチワス・アリさんを除いて下車さえできなかった。

 取材にきていた公安担当記者によると「警察がここでバスを止める法的権限はないと、警察幹部が話している」という。

 警察は「右翼からあなたたちを守るための措置だ」とチワス・アリさんらに説明。1人だけ下車を許されたアリさんは、「なぜ警察は右翼を排除せずに私たちを排除するのか」と涙ながらに訴えた。

(ライター 田中大)