「郵政広報」の“仰天”企画書 天木直人メディアを創る (2005.6.28)

 

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「郵政広報」の仰天企画書

 竹中平蔵郵政民営化担当相が、秘書官の知人の会社に一億数千万円のチラシ作成を随意契約でまかせたとして「口利き」疑惑が追及されている。その一方でもう一つの驚くベき事実が明らかになった。
その会社が作成した広報戦略の資料が、国民をバカにしたものであるという話は、朝のテレビ番組で紹介していたが、ついにサンデー毎日7月10日号が、その事を詳しく報じたのである。それを読むと、やはりとんでもないことが書かれてあった。石森孝憲氏の書いた、「連載迷走永田町」から引用した、仰天記述である。

・・・(委託会社が作成した)「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略()」と題された04年12月15日付の企画書では、まず「ターゲット戦略」として、郵政民営化をどの階層にアピールすべきかが検討されている・・・ここで登場するのが、構造改革に対して肯定的か否定的かの横軸と、IQ(知能指数)が高いか低いかの縦軸で構成される座標軸である・・・そしてIQ軸では、低い層を「B層、すなわち、具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層」と定義し、「B層にフォーカスした、徹底したラーニングプロモーションが必要である」と結論付けている・・・なんともグロテスクな分析である。
「小泉のキャラを好感しているアホな国民に絞って郵政民営化をPRすべきだ」
と言っているに等しい。完全に国民をバカにした企画書だ。そんな「ターゲット」に受けることを期待して登場したテリー伊藤は、いい面の皮である・・・
しかもご丁寧に、「コンテンツ作成」にあたっては、「道路公団民営化/年金問題に関してのプロセスを想起させない」という注意書きまである。すなわち、この企画書は、道路公団と年金問題は国民に評判が悪いから、構造改革とは切り離して扱わないと、郵政民営化のPRにならないと告白しているのだ。小泉改革のインチキぶりをここまで冷静に分析されると、拍手を送りたくもなる・・・
「夢の構造改革」を語る竹中にとって、わが意を得たりの企画書だったと見えて、文書作成日のわずか2週間後には、正式契約が結ばれている・・・