慎太郎吠えた!!「憲法無視してでもテロ潰す」(夕刊フジ)(2005.7.9)

 

http://newsflash.nifty.com/news/ts/ts__fuji_320050709030.htm 

 

 

慎太郎吠えた!!「憲法無視してでもテロ潰す」(夕刊フジ)

 

 憲法を無視してでも、首都を守る−。東京都の石原慎太郎知事(72)は8日の定例会見で、ロンドン同時テロを受け、テロと徹底対決する強い決意を表明した。国際テロ組織「アル・カイーダ」系組織は2年前に東京を標的として名指しで攻撃予告したこともあり、危機感をつのらせている。

 

 慎太郎知事はまず、ロンドンのテロに触れ、「これがアル・カイーダと関係があるのかないのか。中心メンバーの中近東の人たちはヨーロッパではたくさん見られるわけだけど、日本の場合はちょっと状況が違う」とした上で、日本独自の事情をこう憂慮した。

 

 「(北朝鮮による)拉致事件のように、日本人によく似た東洋系のテロリストが入ってくれば、非常に識別しにくい。決して日本はヨーロッパに比べて安全だというわけにはいかない。現に、状況証拠から言うと、150人近い日本人が拉致されて帰ってこないわけだから」

 

 東京に対しては、2003年11月にアル・カイーダのスポークスマンを名乗る人物が、アラブ圏の週刊誌を通じ、「日本から最初の兵士がイラク入りした瞬間、アル・カイーダは東京の心臓部を攻撃する」と、警告。また米中枢同時テロの容疑者グループが所有していたパソコンから新幹線や浅草寺を撮影したファイルも押収されている。

 

 迫りくる首都の危機に、慎太郎知事は、「天然痘の病原菌が散布されたことを想定してシミュレーションをやったら、既存の法律は全部役に立たなかった」と平和ボケした日本の法制を非難。こう続けた。

 

 「人権なんてものを偏重すれば、天然痘は潜伏期間が非常に長いから、特定の電車に乗った人の人名を発表するな、なんてことになると、どんどん蔓延(まんえん)する。だから、場合によっては憲法の基本条項を無視して、情報は徹底して知らせる。人身も拘束するというようなことをしないと。爆発の場合は瞬間にして終わってしまうことだから、未然に防ぐのは非常に難しいと思う」

 

 米同時中枢テロの際は、ワシントンに滞在し、身近にテロの恐怖を感じた慎太郎知事だけに、対策の重要性を熟知。ロンドンのテロ発生直後の7日夜から、都は4段階に分けた災害対応態勢レベルを下から2番目に上げ、警視庁や陸上自衛隊などから情報を収集。都営地下鉄や都営バスの警戒を強化している。

 

 会見では作家らしい世界観も飛び出した。近未来の世界的な文明対立を描いたハーバード大のサミュエル・ハンチントン教授による大著『文明の衝突』を引き合いに出し、こう話した。

 

 「ヨーロッパは、中近東を含めてアフリカでも勝手なことをしてきた。日本だって、いろんな非難の対象にアジアでなっていると思う。戦争の後に日本がカバーしてきたアジアは、経済的にもどんどん繁栄してきたし、非常に大きな潜在能力を示してきた(後略)」

 

 日本人も浮かれていないで、事態をよく把握せよ、との戒めか。

 

[産経新聞社:20050709 1725]