戦前を知る人々の憂い――2005年森田実政治日誌[232](2005.8.11)

 

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2005.8.11(その2

2005年森田実政治日誌[232

戦前を知る人々の憂い――マスコミは、政治権力の手先となった。軍事政権の手先となった1930年代のマスコミの歴史を繰り返すのか。マスコミよ、正道を踏みはずすな。健康なマスコミ人よ、決起せよ!

 

「歴史は繰り返す。一度は悲劇だが二度目は茶番」(ヘーゲル)

1930年代日本の大新聞は軍部に屈服し、軍部の御用新聞となった。この結果、日本は戦争を起こし、多大な被害を蒙ると同時に、アジア諸国に多大の被害をもたらした。大悲劇を起こしたのだ。いままた日本のマスコミ(民放地上波テレビと大新聞)は小泉政権の御用テレビ、御用新聞と化してしまった。この結果、従米主義の小泉政治の暴走を許し、国益が失われた。小泉政権は米国ブッシュ政権の求める政治を行っている。反省せよ!! 目覚めよ!! 政治権力の手先だけにはなるな!!

 

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 8月10日、二人の80代の先輩と電話で話す機会があった。二人とも同じことを言われた――「おそろしい時代になった。戦前、軍部に言論の自由を奪われていた頃を思い出す」と。

 まずAさん。

《朝から晩までテレビを見ているが、どのテレビも「小泉ヨイショ」ばかりだ。全テレビ局が小泉首相をほめたたえた上で、小泉政治の批判者を叩き、バカにしている。テレビのキャスターは小泉首相側の政治家にインタビューするときは、猫なで声でご機嫌をとるが、野党幹部や反対派幹部に対してはとたんに横柄な態度になる。いじわる質問を執拗に繰り返す。とくにひどいのがフジテレビの黒岩というキャスターだ。小泉側の人には丁寧だが、野党党首や反対派幹部には傲慢に対応する。最近はテレビ朝日の田原総一朗に似てきた。田原の方は、このごろは、さらにひどくなっている。横柄の上、傲慢。礼儀知らずで下品だ。政治家は、黒岩や田原の番組には出ない方がよい。テレビ朝日の夜の古館というキャスターも田原のマネばかりしている。全テレビが小泉の応援団になってしまった。健全な批判者がテレビから排除されてしまった。日本の未来は暗いね。》

[「諦めないでください。9月11日の一票で小泉を倒しましょう」と私は強く叫んだ――森田]

 次にBさん。

《新聞もおかしいね。どうして全紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京6紙)が、そろいもそろって「郵政民営化をやれ」と主張するのかね。全社が同じことを主張しているのは気味が悪くなる。戦前の暗い時代を思い出してしまう。テレビも少しくらい批判意見を報道してもよいと思う。批判がまったくなく、すべてイエスという報道はよくない。民主主義ではないね。これを支持しているマスコミは悪い。マスコミにはもう少ししっかりしてもらいたい。民主主義を大事にしてほしい。

 本当に気味が悪い。戦前の軍部独裁時代のマスコミを思い出す。戦前の新聞、戦後のマスコミの両方とも、政治権力の手先になってしまい、言論の自由を捨て去ってしまった。マスコミが戦争と独裁の時代をつくろうとしている。おそろしい時代がくるのではないかと心配だ。》

 

 以上は、二人の戦中派の、いまのマスコミに対する率直な感想である。マスコミが自ら独立の精神を捨て言論の自由を否定して、政治権力の番犬になってしまったことは、おそろしいことである。頭が熱くなったマスコミ人の頭を冷やしたいが、困難かもしれない。良心を捨てたジャーナリストほど始末に負えぬものはない。

 ただ、われわれの国・日本を、狂気的なマスコミと異常な政治家・小泉にゆだねるわけにはいかない。9月11日の良識ある一票で日本を正常な平和国家、戦争をきらう国、独裁を拒否する民主主義国にしたい。狂暴なマスコミファシズムに負けてはならない。