郵政民営化を失敗した国、ニュージーランドについて 阿修羅(2005.8.18)

 

http://www.asyura2.com/0505/senkyo11/msg/952.html

 

 

郵政民営化を失敗した国、ニュージーランドについて

http://www.asyura2.com/0505/senkyo11/msg/952.html 

投稿者 World Watcher 日時 2005 8 18 15:51:09: DdDUJ9jrxQIPs

 

ニュージーランド

 

1987年に郵政事業民営化を先行。当初は成功するかに見えた。しかし郵便局の統廃合が進みその末路は惨憺たるものであった。貯金部門については外資に売却したものの店舗縮小により利便性は縮小、2002年に新しく国営金融機関のキウイバンクを創設することになった。

 

 

小泉改革のお手本 ニュージーランドの惨状 『GENDAI NET

 

失敗は「郵政民営化」だけじゃない

 

  国会で審議中の郵政民営化が、20年以上も前のニュージーランド(NZ)の郵政改革をマネたことは知られた話だ。そのNZでは郵便局が5分の1に減少、配達料金は大幅アップして不便だけが倍増、「改革」は見事に大失敗している。ところが、小泉首相がNZからパクろうとしている“失敗例”はまだまだあるからお笑いだ。

 1967年から26年間、NZに滞在し、「NZ行革」を目の当たりにした河内洋佑氏(元オタゴ大教官)がこう言う。

「NZでは84年以降、税制改正と並行して医療、教育、郵政、通信などあらゆる公共分野の民営化・規制緩和が進められました。その結果、得したのはカネ持ちと大企業だけ。9割の国民は深刻なダメージを受けました。これって小泉改革に似てませんか? 私に言わせれば小泉政権の政策はすべて『NZ行革のコピー』です」

 では、小泉構造改革と“NZ行革”は具体的にどこが重なるのか? 河内氏に聞いてみた。

 

政府税調が提唱する累進課税緩和、法人税減税、消費税アップ 

「NZでは最高66%だった所得税の累進課税率が行革開始後、33%と24%の2種類のみになりました。当初、国民は拍手喝采しましたが同時に消費税10%が導入され、すぐに12.5%に増額。瞬く間に各種控除も全廃され、負担増となったのです」

 

小泉首相は「改革で失業者が増えるのはやむを得ない」と企業のリストラを容認、優勝劣敗社会がはびこり始めている

「NZ行革で政府が真っ先に手をつけたのが雇用・労働の破壊でした。91年に『雇用契約法』という法律を作って、労働者は企業との個人契約を交わすことになった。これで事実上、労働組合は消滅。個人対企業の勝負は初めから見えている。企業はリストラや賃下げなどヤリたい放題を始め、パート労働者が急増。庶民の経済格差が加速しました」

 

政府が促進する医療分野の規制緩和

「かつてNZは公営医療が中心で患者の自己負担はゼロでした。ところが、行革後は病院に独立採算が求められるようになったのです。その結果、地方公立病院は100%閉鎖。入院待ち時間が2年などという異常事態が起きるようになりました」

 小泉首相が言い始めている公務員改革も既にNZでは実験済み。公務員を削減はしたが、民間に外注しただけで余計にカネがかかるハメになった。

 小泉首相はお手本とする改革の結末をどこまで知っているのか。

 

http://gendai.net/woman/contents.asp?c=051&id=16029 

 

 

郵便局が消えた… 行革先進国ニュージーランドの惨劇 『報道STATION

 

郵政民営化先進国・ニュージーランド。

現在、約30社が郵便事業へ参入しているが、過疎地からは郵便局が姿を消していた。民営化から18年、世界に先駆けて改革に踏み切ったニュージーランドの現状を探った。

 

行政改革の優等生と評価されるニュージーランドの郵政事業は87年に「郵便」「貯金」「通信」の3つに分割民営化され、郵便事業は「ニュージーランドポスト」社が引き継いだ。

 

首都・ウェリントンから車で2時間、人口600人の町・エケタフナは郵便局が閉鎖された町のひとつ。

民営化後、1244あった店舗は885に。職員も1万2000人から7000人にまで削減された。さらに一時的に過疎地の配達料金を2倍に値上げした。

閉鎖に反対する抗議行動や訴訟は全国で起きたが、裁判所の判断は「利益の出ない郵便局を維持する責任はない」として住民側の訴えを退けた。

ニュージーランドポスト社のジャン・アレンCEОは「社会的な責任を果たしていないと批判しますが、私たちはサービス向上だけでなく利益を生み出す体質を求められている」と話す。

 

さらに追い討ちをかけるように厳しい現実が待ち受けていた。

政府は民営化した貯金事業の「ポストバンク」をわずか2年でオーストラリアの銀行に売り渡したのだ。民営化と平行して行われた金融の規制緩和の影響で、他の国内の銀行もことごとく外資に買収された。収益重視の合理化が加速し、エケタフナの銀行は姿を消した。

「80年代終わり頃になくなりました。この町に銀行はありません」と言うのは、エケタフナで酪農業を営むジョン・ハーマーさん。

振込みの窓口のある30キロ先の隣町に月に2、3回は通うという。

「国際的な大企業は利益を出すため自分たちの思惑だけで動くけど小さな町には不平等感が残る」とハーマーさん。

 

国営企業の民営化に詳しいオークランド大学のジェーン・ケルシー教授は「金融部門の民営化は失敗だったと思います。ニュージーランドに関心のない外国人の手に売り渡してしまいました」。

民営化から15年後、紆余曲折の末、高まる国民の不満などを背景に民営化前の状態に逆戻りしつつあった。

3年前に誕生した国営銀行「キウイバンク」が郵便局の中で銀行が業務をする店舗が増えているという。40億円の税金をつぎ込んでの再国営化で全国のおよそ3割の店舗が昔の郵便局に戻ったということだ。

 

「ニュージーランドの問題の一つは、地域への影響を全く考慮していなかったことです。従業員が職を失うということもです。民営化がスムーズに進むかだけを考えていたのです。地域や職員への影響を考えていなかったのです」とケルシー教授は言う。

 

http://www.tv-asahi.co.jp/hst/contents/special/050706.html