ついに出た! 小泉首相への「逆刺客」 五十嵐仁の転成仁語(2005.8.25)

 

http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/home2.htm

 

 

ついに出た! 小泉首相への「逆刺客」

ついに出ました。小泉首相への「逆刺客」です。イラク戦争開戦を批判して外務省を辞めた元レバノン大使の天木直人さんが、小泉首相の地元である神奈川11区から無所属で立候補するようです。

 

 これは良い。是非、「イラク戦争支持の誤り」一本で首相に論戦を挑んでもらいたいと思います。

 アメリカでも、亡くなった兵士の母親がイラク戦争反対運動の先頭に立ち、話題になっています。ブッシュ大統領に直接、面談することを申し入れているそうです。

 「大量破壊兵器がある」と公言していたブッシュ大統領はどう答えるのでしょうか。それを支持してイラクに軍隊を派遣した小泉さんの責任はどうなるのでしょうか。

 イラクでの米兵の死者は1800人を越えました。ベトナム戦争での5万8000人には及びませんが、大変な数です。これらの人は何故死ななければならなかったのか、遠い他国で死を賭してまで守るべき「大義」とは何だったのか。ブッシュ大統領はきちんと答えるべきでしょう。

 

 小泉首相も同じです。ブッシュ大統領の要請に応じて、イラクのサマワに自衛隊を派遣した「大義」とは何だったのでしょうか。

 この問題は、今回の選挙でも問われるべき重要な争点のはずです。しかし、小泉さんは、郵政民営化問題を「煙幕」にしてその陰に隠れてしまいました。大変、ずるいやり方です。

 郵政民営化問題は、小泉失政に対する追求を避けるための「弾よけ」に使われています。本来、争点として問われなければならないあらゆる問題を避け、小泉さんはひたすら郵政民営化問題の陰に逃げ込んでいるのですから……。

 

 このような小泉さんを引きずり出し、イラク戦争など外交政策失敗の責任を追及するという点で、天木さんの立候補は大いに意味のあることです。天木さんのご奮闘を期待したいところです。

 が、しかし、小泉首相に対する「逆刺客」という点ではどうでしょうか。天木さんの立候補は、小泉さんにとってはそれほど打撃にはならないかもしれません。

 どちらかといえば、同じ選挙区に立つ民主党の斎藤勁(つよし)参院議員の足を引っ張ることになる可能性があります。支持者が重なるように思われますから……。

 

 「小泉さんの足を引っ張る」という点では、同じような支持基盤を持つ保守系の人が立候補するのが良いでしょう。自民党を離党して新党日本に加わった荒井広幸参院議員など、どうでしょうか。北朝鮮による拉致問題を争点に横田早紀江さんが神奈川11区から立候補するという噂もあります。

 いずれによ、まだ公示までには間があります。今後の展開に注目したいところです。