早くも始まった“小泉個人崇拝”の大宣伝――小泉首相を神格化する愚劣な行為はやめなさい 森田実政治日誌[345](2005.9.17)

 

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早くも始まった“小泉個人崇拝”の大宣伝――小泉首相を神格化する愚劣な行為はやめなさい

 

「文明のおかげで人間は醜悪になった」(ドストエフスキー)

 

 案の定というべきか、“小泉個人崇拝”キャンペーンが始まった。

 「小泉人気さえ高めれば、小泉内閣が日本人にとってどんなひどい政治を行っても日本人は受け入れる」という考え方がブッシュ政権の対日戦略担当者にはある――という話を、日米関係にタッチしている知人から聞いたことがある。

 「小泉人気を煽るために、ウォール街を通じて、多額の広告費を日本の広告独占企業に供給し、日本のマスコミを支配した」という話も聞いた。

 何人かの日米関係者に聞いてみると、誰もあきらさまには口にしないが、上記のことは「日米関係者の間では常識になっている」ようだった。そのうちの一人はさらにこう付け加えた。

 「ブッシュ政権の日本担当者は、日本人はバカだと考えている。マスコミ(とくにテレビ)を煽て上げ、広告費を出せば、なんでもする。日本のテレビは放送法に違反する行為を平然と行う。小泉政権の支持さえあればどんなことでもできると考えている。マスコミが小泉人気を高め、小泉を偉大な政治的大天才と思い込ませれば、小泉がどんなにひどい政治を行っても日本人は小泉についていく。日本人をアメリカのために働かせるためには、マスコミを使って小泉人気を高めればよいと、アメリカ側は考えている。日本のマスコミは日本国民の利益など考えていない。危険ですね。ほかにもあります。アメリカ側の日本における宣伝誌の一つが『ニューズウィーク日本版』。これは注意してみておいたほうがいいですよ」。

 

 これも案の定というべきか、『ニューズウィーク日本版』のオーバーな「小泉個人崇拝キャンペーン」が始まった。「日本の?小平」「ニッポン政治の夜が明ける」――小泉首相に対する究極のゴマスリというより、アメリカの“小泉利用”である。日本を米国の完全な従属国=植民地にする政治を進んで行う小泉首相を讃えることによって、米国の日本支配を完成しようと狙っている。

 『ニューズウィーク日本版』はこう書いた。

 「自民圧勝で終わった今回の選挙は都市だけでなく地方有権者の意識も変えた。日本型政治の中枢にいる彼らが変革を求めだしたことで日本社会は転換期を迎えた」。

 これは間違いというより嘘に近い。「嘘は大きければ大きいほど大衆は騙される」とヒトラーは言った。

 地方の人びとが自民党を支持したのは、小泉と同じく米国に追随するどうしようもない民主党に愛想を尽かした結果である。景気対策を考えず、マイナス成長・増税をめざす財務省路線の先頭に立とうとした愚かな民主党にお灸を据えたのだ。ただそれだけなのだ。岡田民主党より自民党のほうがまだマシだと考えたからだ。小泉政治を支持したわけではない。

 それにしても、「日本の?小平」とはオーバーである。よくもここまで跳ね上がったものだ。日本を喜んで米国の植民地にしようとしている売国的政治家の小泉首相を、毛沢東の中国文化大革命を倒し改革・開放路線を敷いた?小平と同列におくのは、烏を鷺と言うがごときことだ。ここまで大嘘をついてはいけない。

 

 おかしいのは『ニューズウィーク日本版』だけではない。『アエラ』9月26日号の「あっぱれ小泉」の大見出しも、小泉首相へのゴマスリの見本である。あまりにひどすぎる。朝日新聞よ、アエラ編集部よ、小泉ゴマスリもいい加減にしてほしい。

 『ニューズウィーク日本版』は日本国民にとって「百害あって一利なし」の有害な雑誌であることがわかった。これからは取材の申し込みがあっても拒否することに決めた。これから『ニューズウィーク日本版』と『アエラ』の購読もやめることにした。

 それにしても、最近の朝日新聞発行の雑誌類の内容は低俗になった。新聞もひどいが雑誌はもっとひどい。朝日新聞の記者や編集者を「知識人」と見るのはやめたほうがよいと思う。

 新聞を読んでも、テレビを見ても、「小泉礼賛」は度を越している。東条英機を礼賛した1940年代初期の新聞と同じ過ちを犯している。

 報道関係の諸君。「ジャーナリストにとって、政治権力の手先になるほど恥ずべき堕落はない」――これが、戦後日本のジャーナリストの誓いだったことを思い起こしてほしい。

 

[昨日の[政治日誌]で民主党代表選について書いたが、小泉首相の大物ブレーンS氏はこういっていた。「前原がいい。民主党は前原などは松下政経塾出身者でやるのがよい。前原はわれわれに近い」。前原氏は小泉派から仲間と見られている民主党の政治家なのである。民主党の諸君、もう遅いかもしれないが、「ミニ小泉」のような前原誠司氏を代表に選ぶようなことだけはやめてほしい。前原氏は米国と小泉首相の側から支持されている米国寄りの政治家なのだ。民主党は今は菅直人代表で進む以外に道はないと思う。]