「意見広告の会」ニュース299 (1)鹿児島国際大学懲戒解雇事件、(2)平安女学院大学守山キャンパス就学権確認訴訟、(3)信大の教員解雇訴訟、ほか(2005.9.18)
「意見広告の会」ニュース299
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*前回ニュース
2 財務諸表の正確な分析作業を進めよう 首都圏ネット
大学財政問題分析検討ワークショップニュースレターNo.5
の最後の部分にわずかながら「切れ」がありました。訂正しお詫び申し上げます。
*訂正復元
最終的には、運営費交付金制度をはじめとする国立大学法人への現行の予算措置の仕組
みと、これを前提とした国立大学「法人会計基準との変革を、我々はめざす。」
** 目次 **
1−1 投稿 鹿児島国際大学懲戒解雇事件
鹿児島国際大学教員・堀田哲一郎
1−2 鹿国大三教授を支援する全国連絡会、声明「学校法人津曲学園理事会の控訴に
抗議し、控訴の取り下げを求める!」 三教授を支援する全国連絡会
http://www5e.biglobe.ne.jp/~saiban/
2 平安女学院大学守山キャンパス就学権確認訴訟、大阪高裁宛「公正な判決を求める
要望書」賛同署名活動について 大学人の会
http://university.sub.jp/shomei/daigakujinnokai.html
3 信大の教員解雇訴訟:大学側、全面対決の姿勢−−地裁・第1回口頭弁論
「毎日新聞」9/15朝刊
4 不当労働行為救済の第1回審問(9/29)を傍聴しよう 北大職組
http://ha4.seikyou.ne.jp/home/kumiai/05/0914.html
5 「案内」 充実の内容「事務屋のひとりごと」
http://blog.goo.ne.jp/sugi37 「学長挨拶から見えた未来」9/13
(本ニュースに記事は掲載していません)
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1−1 投稿 鹿児島国際大学懲戒解雇事件
鹿児島国際大学教員・堀田哲一郎
2002年3月末にふってわいた鹿児島国際大学懲戒解雇事件は、同年9月の仮処分決定によ
る地位保全の確認、11月の本訴を経て、8月30日にようやく全面勝訴の判決を勝ち取り
ました。当時は私立大学の学長の独裁的な権力行使を許すことは、全国の大学自治の民
主的運営に悪影響を及ぼす、という評価をいただいていたのですが、私の母校であった
「都立大」を含め、国公立大学の方があっという間に蹂躙が進んでしまいました。30日
に報告集会や「祝勝会」をし、現執行委員長が総括したところでは、逆境にも耐え忍び
、誰もが脱落しないとりくみの形態を維持してきたことがこうした成果を生んできたの
であり、これからが学内の民主化運動の正念場と位置づけていこうということです。今
日の新聞で、昨日(9月8日)、学園側が控訴したことが報道されていました。闘いはま
だ続きます。他のところでも、あきらめずに地道なとりくみを続けていかれることを期
待しています。
判決文は、「鹿児島国際大学解雇事件の裁判と資料」で検索していただければ見ていた
だけます。
1−2 鹿国大三教授を支援する全国連絡会、声明「学校法人津曲学園理事会の控訴に
抗議し、控訴の取り下げを求める!」
■鹿児島国際大学解雇事件の裁判と資料 http://www5e.biglobe.ne.jp/~saiban/
<声明文>
学校法人・津曲学園理事会の控訴に抗議し、控訴の取り下げを求める!
2005年8月30日、鹿児島地裁は、鹿児島国際大学三教授の懲戒解雇を無効とした。そ
の判決は原告・三教授の全面勝訴というべき内容であった。解雇から3年半、本訴から2
年10ケ月余りを経ての勝訴である。また、本件以外にも関連する仮処分判決を含む4件
の判決もすでに、ことごとく被告・学園理事会側の敗訴となっている。
この間、被告・学園理事会側は、訴訟にあたって多額の学園財政をつぎ込み、裁判傍
聴に教職員を動員し、学園広報を利用し、さらに関西からの弁護士2名を訴訟代理人と
した。これらのことは、菱山理事長、伊東光晴理事ら学園理事者が、自らの理事(経営
者)という立場を可能な限り利用しつくした訴訟であったことを意味する。被告・理事
者側の裁判所へのこれまでの提出書面は関係するもの・使えるものはことごとく提出す
るという徹底したものであり、その分量は膨大であったと聞いている。しかし、当然の
帰結ではあるが、「無理が通れば道理が引っ込む」とはならず、被告・理事会側の全面
敗訴であった。
菱山泉理事長、伊東光晴理事はじめ全理事は、この全面敗訴という結果を謙虚に受け
止め、三教授を原職にただちに復帰させるべきである。また、学校法人・津曲学園、鹿
児島国際大学のこれ以上の財政を含む具体的損失、社会的なイメージダウンを回避すべ
きであろう。公益法人たる学校法人の経営者として、学生納付金に学園財政のほとんど
を依拠する私立学校の経営者として、その社会的・経営的責任を深く自覚すべきではな
いか。さらには、三教授とご家族はじめ、学園に関係する学生、生徒、保護者、同窓生
、教職員、地域住民などに、これ以上の精神的な苦痛・負担・迷惑をかけるべきではな
いだろう。
にもかかわらず、菱山泉理事長、伊東光晴理事ら学園理事者は、9月8日、「原判決は
当方の主張が認められておらず不満。上級審の判断を仰ぎたい」とし、福岡高裁・宮崎
支部に控訴している。身勝手な恥かしい行為と言えよう。すみやかに控訴を取り下げる
ことを求める。
2005年9月15日
鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会
2 平安女学院大学守山キャンパス就学権確認訴訟、大阪高裁宛「公正な判決を求める
要望書」賛同署名活動について
■平安女学院大学びわ湖守山キャンパス就学権確認訴訟を支援する大学人の会
8月3日から始めました平安女学院大学守山キャンパス就学権確認訴訟の大阪高裁宛「
公正な判決を求める要望書」署名活動は,9月14日をもちまして終了させていただきま
した。この間,大学関係は完全に夏休み期間であったにもかかわらず,多くの方々に温
かいご支援・ご協力をいただきました。ありがとうございました。
署名数は,全体で447名というものでした。このうち第1次署名分(276筆)はすでに8
月29日に大阪高裁に提出させていただいております。第2次署名分は早速,大阪高裁に
追加として提出したいと思います。今回の提出では,前回の8月29日第一次署名の提出
と同じように,大阪のテレビ局が取材に来て話しを聞いて頂ける予定になっています。
本件守山キャンパス移転・統合をめぐっては,問題が発生した当初の昨年4月から今
日まで,新聞・テレビ等でおびただしく報道されてきました。本年5月23日の大津地裁
判決の時の「記者会見」では,テレビ局5社と30名を超える記者・報道人が駆けつけま
した。このことは,この問題がいかに大きな大学をめぐる事件であったかを物語るもの
です。守山キャンパスをめぐっては,自治体と平安女学院大学,立命館大学,地元の高
校という3つの教育機関が関係しています。そして,この事件は現在,訴訟も含めて未
だ進行中であり,さらに発展する可能性もあります。
「守山キャンパス就学権確認訴訟を支援する大学人の会」は,今後とも引き続き,い
ろいろ形でこの問題を訴え続けて行きたいと思っています。さしあたって,本件訴訟は
,今月28日(水)13時10分から大阪高裁にて控訴審判決が言い渡されます。お近くにお
られる方は,是非,傍聴をお願いします。
http://university.sub.jp/shomei/daigakujinnokai.html
3 信大の教員解雇訴訟:大学側、全面対決の姿勢−−地裁・第1回口頭弁論
「毎日新聞」9/15朝刊
長年、更新されてきた雇用契約を突然打ち切るのは解雇権乱用にあたるなどとして、
信州大に外国人教員として勤務していたベルギー国籍のルーク・ジュリアン・アンナ・
メスケンスさん(48)が同大を相手取り、教員としての地位確認訴訟を起こした第1
回口頭弁論が14日、地裁松本支部(田中治裁判長)で開かれた。信大側は全面的に争
う姿勢を示した。
訴状などによると、メスケンスさんは92年10月からドイツ語、フランス語教員と
して勤務。1年ごとの雇用契約を更新し続けてきた。信大は昨年の独立行政法人化に伴
い、外国人教員は年度ごとの公募制に変更したことや国の補助が減額されたことなどを
理由に、契約を今年3月末で打ち切った。メスケンスさんは「解雇権の乱用であり、無
効だ」と主張している。【藤原章博】
4 不当労働行為救済の第1回審問(9/29)を傍聴しよう
http://ha4.seikyou.ne.jp/home/kumiai/05/0914.html
日 時: 9月29日(木)13:30〜
場 所: 北海道労働委員会事務局 (北3条西7丁目 道庁別館10階) 地図
渡邉副委員長が証人として主尋問を受けます(意見陳述します)。
多くの教職員の傍聴をお願いします!
■今後の審問予定
第2回審問 日時:平成17年11月8日(火) 13:30
証人:渡邉信久(申立人申請)
第3回審問 日時:平成17年12月7日(水) 13:30
証人:齋藤秀昭(被申立人申請)
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何故、組合は「不当労働行為救済」を申請したのか
(寒冷地手当問題の経緯)
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人事院勧告通りに支給額引下げと分割支給に変更
2004年度の人事院勧告は、寒冷地手当の「見直し」を勧告しました。その内容は、(1)
支給額を約4割引下げる、(2)10月31日の一括支給から11月から翌年3月までの月額支給
に変更する、(3)最大5年間の経過措置を置くというものです。
人事院勧告は国家公務員に適用されるものであり、国家公務員でない北海道大学の職
員には適用されません。しかしながら、北海道大学は人事院勧告通りに就業規則を変更
しました。
北海道大学(使用者側)の考え
組合は、2度の団体交渉(04年10月5日及び10月25日)で寒冷地手当減額に対して納
得できる正当な理由の明示を求めました。これに対し使用者側は、「北大の給与原則は
公務員準拠であり、また大学法人の給与は社会一般の情勢に従うことが通則法によって
要請されており、人事院勧告が社会一般情勢を反映している」との回答に終始しました
。
組合は、大学経営との関係で具体的にどのような理由で寒冷地手当の削減額を決定す
るのかが示されれば使用者側との協議に応じる用意がありました。しかしながら使用者
側からは、減額で生じる1.2億円の使途についても「年度末になってみないとわから
ない」「それが経営というもの」という不誠実な回答しか得られませんでした。
北海道労働委員会に不当労働行為救済を申請
組合は、「労使自治」による交渉で状況を解決できないと判断し、2004年11月26日、
北海道地方労働委員会に「斡旋」を申請しました。地労委の示唆で行われた12月22日の
団体交渉でも使用者側の姿勢には変化がなく、続く今年2月23日の地労委が設けた「斡
旋の場」においても、使用者側は減額条件で一切歩み寄る意思を示しませんでした。組
合は斡旋の進展が見込めないと判断し、3月7日斡旋申請を取り下げました。
北海道大学(使用者側)は、手当額削減を役員会及び経営協議会で決定した後で、組
合との団体交渉に臨んでおり、当初から組合と具体的内容で協議する意思がなかったこ
とが明らかです。これは、実質的な団交拒否・組合無視と言うべき対応で明らかに不当
労働行為に相当します。地労委の示唆による団体交渉の場でも、労務担当理事は「今年
度は支払う財源はある」「就業規則の不利益変更であることは承知している」「しかし
、支払わない」と言い放ちました。労使関係を規定する法的枠組みは労働基準法以外存
在しません。「労働条件は、労働者と使用者が対等の立場において決定すべきものであ
る」(労基法第2条)としており、これまでの事態は、使用者側が形式的に団体交渉に
応じているだけであり、労組法が禁じている「組合に対する不当労働行為」「支配介入
」にあたります。よって組合は、5月26日、北海道労働委員会に「不当労働行為救済」
を申請しました。