“国連憲章信じているバカいない” 石原都知事が暴言 「しんぶん赤旗」(2005.9.28)

 

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-09-28/2005092804_02_1.html

 

 

2005年9月28日(水)「しんぶん赤旗」

“国連憲章信じているバカいない”

石原都知事が暴言


 東京都の石原慎太郎知事は二十七日、「国連憲章なんて、まともに信じているばかいませんよ」とのべ、戦後の国際秩序の原点ともいえる国連憲章を否定する暴言をのべました。都議会本会議で日本共産党の吉田信夫幹事長の代表質問(再質問)に答えた中で、飛び出したものです。

 吉田氏は、石原知事がドイツ、イタリア、日本が起こした戦争が大義のない侵略戦争だったという戦後国際秩序の原点を否定し、靖国神社と同じ侵略戦争正当化の発言を公然と行い、靖国神社への参拝をくり返してきたと批判。再質問で「日本が行った日中戦争、太平洋戦争を二度とくり返してはならない侵略戦争であったという、国連憲章にも明記された戦後国際政治の原点を認めるのか、認めないのか」とただしました。

 石原知事は「国連憲章の精神って何ですか。金科玉条なんですか。国連てそんなに大したものなんですか。神様みたいな存在ですか。冗談じゃないですよ」と言い放ちました。

 石原知事は、これまでも「憲法を命がけで破るんだ」などと憲法否定発言をくり返してきました。その上、二度と世界大戦をくり返さないための国際秩序を築いてきた国連憲章まで否定する今回の暴言は、国内外からの厳しい批判を浴びるのは必至です。

■国際政治の原点否定 知事の資格なし

 東京都の石原慎太郎知事が二十七日の都議会本会議で、国連憲章について「そんなもの、金科玉条なんですか」「今ごろ国連憲章なんて、まともに信じているばかいませんよ」と発言したことは、日本の国際社会への復帰の原点も、第二次世界大戦後の国際秩序の原点をも否定したものです。

 国連憲章は二度にわたる世界大戦の惨害を教訓として、「国際の平和及び安全を維持するため」に世界各国が協力すること、国際紛争を平和的手段によって解決することを目的に掲げています。

 また、サンフランシスコ平和条約(一九五一年)では、日本が「国際連合への加盟を申請し、かつあらゆる場合に国際連合憲章の原則を順守」すると明記しました。日本はこれを受け入れて国際社会に復帰したのです。

 石原知事はこれまでにも、事あるごとに「私はあの憲法を認めません」(二〇〇三年三月四日、都議会予算特別委員会)、「(大規模テロなどのさいには)命がけで憲法を破るんだ」(昨年十二月八日、都議会本会議)など、戦後日本の出発点である憲法を否定する暴言を繰り返してきました。

 今回の知事の発言は、日本共産党の吉田信夫幹事長が日本の侵略戦争を正当化する靖国神社への参拝をやめるよう求めた質問に対して、いきり立ってまくし立てたものです。自らの靖国参拝を合理化するために、戦後国際政治の原点まで否定する石原氏に、首都・東京の知事を務める資格はありません。

 (東京都・川井 亮)