目に余る小泉首相の悪ふざけ的言いたい放題 森田実政治日誌(2005.10.15)

 

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2005年森田実政治日誌[388

 

目に余る小泉首相の悪ふざけ的言いたい放題/不真面目な風潮を喜ぶマスコミ――批判と緊張感のない政治は堕落のもとである

 

「自らを憎み、自らをさげすむのは、人間だけにあって、他の動物には見られない一種独特の病である」(モンテーニュ)

 

 小泉首相のような不誠実なタイプの政治権力者の時代が4年半以上もつづいていると、世の中が乱れるものである。道義が廃れ、常識が崩れる。誠実が失われる。真面目にものを考える風潮が衰え、不真面目、ごまかしの風潮が拡大する。  わが国の政治が道徳的でなくなってきている。そして、国民の間では真面目、不真面目の区別がつかなくなっている。憂慮すべき事態である。  最近、関西方面に講演に行ったとき、某有名国立大学の教授から声をかけられた。そして、「大学生の投票行動について追跡調査してみましたら、全員が小泉首相を支持し、自民党候補に投票したとのことでした。理由を問うと、ほとんどが、進行中の面白い劇を途中で中止させたくなかったからだ、と答えた。真面目に投票していないのです」と告げられた。あたかも「政治を真面目に考える人はいませんよ」と語りかけられたような気がした。恐ろしいことである。  以下、二つの記事を引用する。 

 

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【1】1013日付け朝日新聞朝刊(4面)「『前原さんなら、すぐ入閣だ』/面と向かって首相が『冗談』/武部幹事長明かす」

 《自民党の武部勤幹事長は12日、東京都内のホテルで講演し、小泉首相が、民主党前原代表があいさつに訪れた際、「あなたたちなら今すぐにでも小泉内閣に入れる。一緒にやろうじゃないか》との「ジョーク」を言っていた――というエピソードを披露した。  武部氏は「脱労働組合や公務員制度改革を掲げているし、特定財源、特別会計の見直しについても積極的だ。前原さんとならそれこそ一緒にやれる」とも。ただ、「前原さんは雑居型の民主党の中で相当苦労するだろう。自民党と同じようにしがらみを断って、純粋な気持ちでやれるかどうかが大事ではないか」と指摘した。

 

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【2】1014日付け東京新聞朝刊(2面)「『反対派は政治家失格』/首相が毒舌」

 《小泉純一郎首相は13日の参院郵政民営化特別委員会で、先の通常国会で郵政民営化関連法案に反対票を投じた自民党内の造反組を、政治家の資質なしと言わんばかりに切り捨てた。

 首相は「反対票を投じて『こんなはずではなかった』と、ほぞをかんでいる人がたくさんいるようだが、政局判断を誤ったとしか言いようがない」と、造反組の読みの甘さを指摘。その上で、「解散の言葉は使わなかったが、否決なら解散するような言い回しで、ちゃんと気付かせていたはず。これが分からなかったとは、政治家としてどうしようもない」と言い切った。

 この日、首相公邸では毒キノコが発見されたばかり。首相の毒気に当てられ、委員一同も笑うほかなかった。》

 

 政界内では、小泉批判はタブーである。

 「小泉批判をした者は、マスコミから狙撃される。マスコミの記者が小泉政権の秘密警察の役目を果たしている。同時に秘密の殺し屋の役目も担っている。野田聖子さんは小泉首相に憎まれたために、殺し屋的マスコミの餌食にされている。マスコミが悪すぎるよ。完全に権力の手先だからね」と、小泉批判ができなくなった最近の政界の異常な風潮を嘆く声も耳にする。

 日本のマスコミの堕落は目にあまる。マスコミに守られて小泉首相の傲慢もとどまるところがない。

 問題は、政界も国民も、こうした悪ふざけに慣れてしまうことである。マヒしてしまうことである。真面目さを失った社会は必ず乱れる。国民が真面目な魂を失わないようにしなければならないとつくづく思う。

 「小泉首相よ、いいかげんにしなさい、悪ふざけはいいかげんにしなさい」と言わねばならない。

 

 9.11総選挙における小泉首相の勝利は、日米両国の広告独占体が日本のマスコミを支配し、総力をあげて大宣伝を行い、日本国民の洗脳を試みた結果である。国民は、もうしばらくすると、騙されたことに気づくはずである。