新首都圏ネット、シリーズ《国立大学法人制度:1年半後の現状》の開始に当たって(2005.10.17)

 

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2005年10月17日

新首都圏ネット、シリーズ《国立大学法人制度:1年半後の現状》の開始に当たって

新首都圏ネット
 ●シリーズ《国立大学法人制度:1年半後の現状》の開始に当たって
分析メモ:国立大学法人評価委員会による「国立大学法人の平成16年度に係る業務の実績に関する評価」について(2005年10月15日)

シリーズ《国立大学法人制度:1年半後の現状》の開始に当たって

2005月10月15日
国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

 2004年4月、国立大学が国立大学法人法によって法人化されて以来、1年半が経過しました。先月(2005年9月)には法人化第1年度の財務諸表が各大学から公表され、国立大学法人評価委員会からの評価も発表されました。国立大学法人評価委員会の野依委員長は、「全般的には、法人化を契機として、あるいは法人化のメリットを活かして改革に積極的に取り組んでおり、法人化初年度の限られた時間の中で、法人としての経営基盤を確立し、中期計画を順調に実施していることを高く評価します。」との所見を述べています。

 しかし、「法人化のメリット」どころか、大学の危機は、財政的にも制度的にも予想を越えるスピードで進行しているというのが現場の教職員の偽らざる実感ではないでしょうか。

 また、財政基盤の弱体化や少子化を原因として、数年後には国立大学の大きな再編淘汰も避けられないという見通しもあります。このような中で各大学は「評価」におびえ、「改革」を競わされているのです。

 大学の大きな役割である基礎研究はすぐれて個人的な営みであり、自立した個人の自由な発想に基づいています。しかし今トップダウンで進められている「改革」の目指している大学は、そのような個々の教員や院生・学生を励ますようなものでしょうか。むしろ「評価」、「中期目標」、「競争的資金」によってがんじがらめにしようとしているのではないでしょうか。私たちはそのような「改革」のあり方や枠組み自体にまず根本的にノーと言うべきだと考えます。そのうえで、協力に基づく新たな大学システムを構築すべきです。

 そのための基礎作業として、本事務局は、この間公表された財務諸表や評価委員会文書だけでなく、広く政府諸機関発表の資料などを分析し、国立大学法人制度に対する現状告発作業を集中的に行いたいと思います。これらの告発作業は、国立大学法人制度にかわる新たな大学システム構築の基礎的な準備作業でもあります。

 シリーズの第一回は、『分析メモ:国立大学法人評価委員会による「国立大学法人の平成16年度に係る業務の実績に関する評価」について』です。さらに、『国立大学法人財政制度の構造的問題』、『総合科学技術会議が進める科学技術政策の根本的問題』、『小泉構造改革の急進化と大学』などを準備中です。同様な問題意識をお持ちの読者諸氏からの投稿も歓迎いたします。

 

投稿者 管理者 : 20051017 00:06