米軍貯油施設/53ヘクタール、年内返還で合意/住宅増設と抱き合わせ 横浜6カ所で初 livedoor 「しんぶん赤旗」(2005.10.19)

 

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米軍貯油施設/53ヘクタール、年内返還で合意/住宅増設と抱き合わせ 横浜6カ所で初

 日米合同委員会は十八日、返還方針が決まっている横浜市の米海軍六施設(計約三百七十六ヘクタール)のうち、小柴貯油施設(横浜市金沢区、約五十三ヘクタール)を年内に返還することで合意しました。また、東京湾の制限水域のうち、油送管に燃料を供給するタンカーの停泊区域四・六ヘクタールも返還します。六施設の中で、具体的な返還時期が決まったのは初めて。

 米側は昨年、米軍池子住宅(横浜市域)への住宅七百戸増設と引き換えに、六施設の返還を了承しました。

 小柴貯油施設は旧日本海軍の通信施設を米陸軍が戦後に接収。一九七一年に米陸軍から米海軍に移管されました。貯油タンクは二十六基あり、貯油能力は三十九万キロリットルと言われています。周辺は閑静な住宅地で、八一年にはタンクの爆発火災事故が起き、周辺住民に被害が出ました。敷地面積約五十三ヘクタールのうち、国有地が約五十一・一ヘクタールを占めています。

 市内の米軍基地をめぐっては、市民が長年返還を求め、上瀬谷基地内に土地を持つ森茂徳さんの土地返還訴訟など、粘り強く運動してきました。こうした市民の世論と運動が、基地返還の大きな力となっています。同時に、今回の基地返還が、池子への米軍住宅増設と抱き合わせになっていることには、市民から厳しい批判の声があがっています。

 横浜市は、基地返還と引き換えに米軍住宅を増設する日米合意を受け入れた上で、返還される予定の横浜市内の米軍施設跡地利用について、有識者らによる「返還施設跡地利用構想検討委員会」を設置し、利用方法を検討しています。検討委には内閣府、防衛施設庁、財務省、国土交通省の課長級も加わっています。

■住民の運動の成果

■はたの参院補選候補が談話

 十八日の日米合同委員会で米海軍・小柴貯油施設の返還が合意されたことについて、参議院神奈川補欠選挙をたたかう日本共産党の、はたの君枝候補=前参院議員=と、党神奈川県委員会は同日、談話を発表しました。

 はたの候補は「小柴貯油施設については、私もくり返し現地を調査し、国に返還を求めてきました。かつて爆発・炎上事故を起こした危険な基地ですから、返還が合意されたことは当然で、住民のみなさんの長年にわたる返還運動の成果だと思います」と表明。

 同時に、今回の合意で、タンカーなどの停泊、燃料の積み下ろしに使われていた制限水域が「小柴水域」と名前を変えて保持されることになった点について「不可解です。貯油施設がなくなる以上、タンカーを泊める水域やブイも必要なくなり、制限水域も返還すべきです」と求めています。

 合わせて「日米両政府が、基地の一部返還の一方で、池子の森を壊す米軍住宅増設や、米陸軍・第一軍団司令部のキャンプ座間への移設などの基地強化を進めようとしていることは絶対に許せません」としています。

 ▼横浜の米軍六施設返還問題 在日米軍司令部、外務省、防衛施設庁で構成される日米合同委員会は昨年、米軍池子住宅地区の横浜市域への住宅約七百戸の追加建設を条件に、同市内の在日米海軍施設六カ所を返還することで合意しました。返還対象施設は次の通り。

 根岸住宅地区(約四十三ヘクタール)▽深谷通信所(約七十七ヘクタール)▽富岡倉庫地区(約三ヘクタール)▽上瀬谷通信施設(約二百四十二ヘクタール)▽小柴貯油施設(約五十三ヘクタール)▽池子住宅地区の飛び地(約一ヘクタール)。