米政府 歴史問題に初言及 小泉首相の靖国参拝 “中韓の懸念の根拠理解” 「しんぶん赤旗」(2005.10.21)

 

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2005年10月21日(金)「しんぶん赤旗」

米政府 歴史問題に初言及

小泉首相の靖国参拝

“中韓の懸念の根拠理解”


 【ワシントン=鎌塚由美】小泉首相の靖国神社参拝が近隣アジア諸国との関係を悪化させていることに米国は懸念を強めています。国務省報道官は今回はじめて米政府として「歴史的懸念事項を理解している」とのべ、旧日本軍の侵略にかかわる歴史問題に踏み込む発言をしました。米主要メディアでもニューヨーク・タイムズ社説が、侵略戦争を肯定する靖国神社の性格を指摘しながら、首相の参拝を「無意味な挑発」と批判するなど、厳しい姿勢をとっています。

 米国務省のマコーマック報道官は十七日、小泉首相の靖国参拝に関して、中国や韓国から日本の軍国主義復活への心配があるようだが、米国政府は日本の軍国主義の復活を懸念するかと問われ、「歴史問題であり、われわれは(中国や韓国の)懸念の根拠を理解している」と発言。中国や韓国の厳しい抗議の背景に歴史問題があることに言及しました。

 米国務省は小泉首相の靖国参拝についてこれまでコメントを避けており、靖国問題の背景に歴史問題があることを言及したのは今回が初めて。マコーマック報道官は十八日の会見でも、靖国問題では「われわれは歴史的懸案事項を理解している」と語りました。

 米紙でもニューヨーク・タイムズ十八日付社説が「首相は日本軍国主義の最悪の伝統を公然と奉ずる挙に出た」と批判。同日付ワシントン・ポストも「彼の態度は第二次世界大戦の正当化と賛美を象徴するもの」と指摘しています。