続・改革の後で 卒業生(2005.10.28)

 

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2884.続・改革の後で

返信  引用 

名前:卒業生    日付:10月26日(水) 20時8分

時の政治権力によって安易に左右されうる公立大学の現在の状況は,きわめて問題が多い.その端的な現われが,東京都立大学や横浜市立大学で行われた「大学改革」である.横浜市立大学では以前目指していた研究重視と大学院重点化を「上から」の改革で一方的に廃棄し,教養教育を行う実践的教養大学になった.これがどういう意味を持つか.

まず,任期制・年俸制を嫌う教員の離反を生み,大学における教育・研究の大幅なレベル低下をもたらし,世間的には大学の品格を落とすことになる.大学の目的についてもはっきりしたものはない.事実上,これからの大学は研究を重視し大学院を重点化した大学(一流大学)と実践的教養教育を行う教養大学(二流・三流大学)とに二極分化していくことになるだろう.前者の大学はエリート養成機関として,後者の大学は安価な労働力の養成機構と見なされる.その結果,ますます大学間の格差・序列化は著しくなっていくであろう.

それにしても,文部科学省の大学差別とも言うべき高等教育政策に関して,何らかの批判的な言説が行われたことがあるだろうか.横浜市立大学の問題はけっして小さな問題ではない.公立大学が孕む多くの問題を集約的に現しているからであり,今後の公立大学のあり方とも大いに係わってくるからである.


 

2885.Re: 続・改革の後で

名前:伊豆利彦    日付:10月28日(金) 8時9分

いつも投稿ありがとうございます。

横浜市大は都立大とともに、戦後民主主義が生んだ大学でした。それは戦後民主主義のシンボルのようなものだったと思います。

それが破壊されて専門学校化したことは戦前に復帰する日本の動きを象徴する事件です。

その破壊の手法はファッショ的で、コイズミ改革の手法と似ています。

新しい時代にどうたたかうか。
いまをどう生きるか。
それが私たちの課題だろうと思います。