米国から見た靖国参拝 天木直人「メディアを創る」(2005.11.5)

 

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 米国から見た靖国参拝

  小泉首相の靖国神社参拝を巡る報道も一段落した感がするなかで、11月5日の朝日新聞別冊BEの中で、特筆すべき記事を見つけた。
「読み・解く 政治」というコラムでジャーナリストの上杉隆氏が「米から見る靖国参拝」と題して次のように書いている。
「・・・小泉純一郎首相が靖国神社を参拝した10月17日、私はワシントンDCを訪れていた。(強い反発の声があがったのは)アジア諸国だけではない。米国でも小泉首相の度重なる靖国参拝には否定的な見方が多い。ワシントンポストは『小泉の靖国参拝がまたアジア諸国を怒らせた』という見出しを掲げ、『危険なことは、首相の参拝によって、日本が東アジアの中でどんどん孤立していくことだ』という学者の言葉で記事を結んでいる。
 だが、実は、報道を検証するまでもなく、米国の態度は、ワシントンの国立スミソニアン博物館を訪問すれば一目瞭然である。(この米国歴史博物館の)戦争コーナーの一角で、一組の米国人夫婦が立ち止まっていた。腕組みをして、にらみつけるように見つめる先には、第二次世界大戦における敗戦国側の「独裁者」の顔の大写し。ヒトラー、ムソリーニ、そして東条英機・・・
先月末来日した米政府高官によれば、米国では、ヒトラーもムソリーニもトージヨーも、等しく「独裁者」、同じ「戦犯」だ。その東條元首相が合祀されている以上、東京裁判の是非は別として、小泉首相の靖国参拝に賛同の意を示す国はまずないであろう・・・メルケル独首相がヒトラーの墓参りに行く事と一緒ではないか。すくなくとも17日、スミソニアンにいた米国人夫婦は、そう感じているだろう・・・小泉首相は、靖国神社の参拝の意義を、世界に説明できないでいる・・・」
小泉首相の靖国参拝を正しいと強硬に主張している人たちにこの記事を読ませたい。そして彼らに言って見たい。中国、韓国ばかりを非難することなく国立博物館の展示パネルを変更するよう米国に抗議したらどうだ。小泉首相に言って見たい。ブッシュ大統領と話す時は、「あなたは私の靖国参拝を支持してくれますね」と聞いてみたらどうかと。もっともブッシュ大統領は靖国神社なんて何も知らないだろうけれど・・・