“唖然とする”首大「大学案内」の学長メッセージ 永岑三千輝氏「大学改革日誌」(2005.11.16)

 

http://eba-www.yokohama-cu.ac.jp/~kogiseminagamine/SaishinNisshi.htm 

 

 

久しぶりに「意見広告の会」のニュースで、首都大学学長の大学案内掲載記事を読むことができた。「本文はすべてママ」ということである。本文に直接当たっていない。もし本文そのままだとしたら、「想定内」とはいえ、私は唖然とせざるをえない。基礎的な日本語という点で、主語述語の関係の明確さといった基本的諸点で疑問を感じ、不明確さを感じる。それともこの文章はたんなる校正ミスなのだろうか?これは筋の通った教養ある文章といえるのだろうか?

大学案内を読む高校生諸君、そしてその父兄はどのように感じるであろうか。すくなくとも、「首都大学東京」なるイメージと理念に私が期待する内容とはかけ離れている。

 

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2 紹介 首大「大学案内」の学長メッセージ 本文はすべてママ
       首都大学学長 西沢潤一 
 今日本の大学は独法化によって激動期を迎えつつあります。余りにも学内自由を謳歌
しすぎて、効果が低下していたことが原因で、締めつけを受けたことになりますが、最
近の大学の惨状を知る我々にとっては、これも已むを得ないことと思われますし、一つ
の試練を突破することを迫られていることになると思います。
 整理された基本的知識は従来旧帝大のような歴史ある大学に委ねられており、逆に現
実的な問題に対処すると云う点では必ずしも対応できるとは限られていませんでした。
これに対し、公立大学は、地方自治体の創立に係るものであって、一般的な問題につい
ては国立大学の卒業生が期待されているのに、公立大学はその地方地方に要望される問
題に対応できる人材を輩出することを中心としています。
 一見、末梢的な問題に限定されるように考えられがちですが、学術の発展を見れば、
容易に諒解されるように、新しい学問はこう云うところから生まれて来るのです。今猶
新しい学問は生まれ続けています。
 そしてその成果は世界に大きな影響を与えるものでなければなりませんが、首都大学
東京の場合、東洋で逸早く発達した巨大都市で、これまでに巨大都市に特異な事象に妨
げられることが少なくなく、その度にこの解決に努力してきたので、学術として都市学
、都市工学のポテンシャルは極めて高いものとなっています。
 都市工学は、其処に住む人達に対する十分な配慮を先ず基本とします。厚く深いヒュ
ーマニズムに立脚して、其処に住む人達の生活を機能化するための最高の科学技術を創
りながら、今日社会の都民に使って効果を挙げてゆかなければなりません。
 この国際聯盟、国際連合の創立に至ったアジアの和の思想理解した上に、現代社会の
現実を分析してこれを世界的な視野に発展させていきます。さらには将来社会のあるべ
き像を描き、全世界の平和共存を可能とするために、我々が解決しなければならない問
題点を絶えず把握しながら、科学技術の進歩の計画を持ち続けていきます。
 例えば全世界に供給するエネルギーを生み出すためには、現在のところ多くを化石燃
料に依存していますが、今後炭酸ガスの発生は避けたいところです。これに代わる方法
として水力発電と原子力、太陽光発電などがありますが、それらの利用のために、直流
送電技術の実用化が必要になってきます。このように、人間に立脚した科学や科学技術
の展開を行い、また逆もありますが、人間と科学技術の一体化した教育研究を行います