「意見広告の会」ニュース312(2005.11.25)(1)ETV番組改変問題の報道総括に関する質問書 朝日新聞社から市民団体への回答、(2)「石原都知事のフランス語発言に抗議する会」訴訟 第2回口頭弁論、(3)普天間・県内移設反対ビラ、配布中に逮捕 一連の経過と木津上人のアピール

 

 

「意見広告の会」ニュース312

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** 目次 **
1.ETV番組改変問題の報道総括に関する質問書 
       
朝日新聞社から市民団体への回答
2 「石原都知事のフランス語発言に抗議する会」訴訟 第2回口頭弁論  
     「だまらん」より
3 普天間・県内移設反対ビラ、配布中に逮捕 
       一連の経過と木津上人のアピール
3−1 普天間・県内移設反対ビラ、配布中に逮捕 嘉手納、公務妨害容疑
       朝日新聞 10.30 西部朝刊
3−2 日本山妙法寺のアピール
         
  11/4
3−3 反戦ビラ配布の僧侶起訴猶予 公務執行妨害容疑
       朝日新聞 11.18 西部朝刊
3−4 木津上人のアピール
       11/21


***
1.ETV番組改変問題の報道総括に関する質問書
  朝日新聞社からの回答が届きました。      

皆様

10
31日に15団体の連名で朝日新聞社に提出した質問書に対する回答が届きました。
回答の全文を、原文と同じ書式で入力したものを添付と貼り付けでお送りします。
あわせて、ご参考までに各質問項目と回答を対応させた文書(質問&回答)を作りまし
たので、それも添付いたします。質問&回答文では、回答を枠で囲っています。
なお、質問2と3については一括した回答になっています。
回答について、皆様の間で感想・意見を交換していただけましたら幸いです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
醍醐聰 様

                                              
2005年11月16日
                                       
朝日新聞広報部 部長 両角晃一

 1031日付で弊社社長宛に頂いた質問書につきまして、社長に代わりまして、職掌上
、対外的な窓口の責任者である小職から回答させていただきます。
なお質問書は15団体の連名で頂いておりますが、代表して醍醐様に回答をお送りする
ことをご了承ください。

【以下、質問項目と回答を対応させた文書(質問&回答)】

印が回答です。

醍醐聰
2005
1031

朝日新聞社社長 
秋山耿太郎 様

ETV
番組改変問題の報道総括に関する質問書

アジア・プレス・ネットワ−ク
NHK受信料支払い停止運動の会
NHK番組改ざんを考える市民の会(福岡)  
NHK問題京都連絡会
学校に自由の風を!ネットワ−ク
小弥『君が代』処分を考える会(東京)
子どもと教科書全国ネット21
人権と報道・連絡会 
日本消費者連盟
ピ−スリボン裁判を支える会
「日の丸・君が代」強制反対予防訴訟をすすめる会事務局
放送を語る会
報道・表現の危機を考える弁護士の会
武蔵野・学習指導要領を考える会
メディアの危機を考える市民ネットワ−ク事務局


 2001130日に放送されたNHKのETV番組改変問題に関する貴社の報道のあり
方を検証するために、貴社が委嘱した第三者機関「『NHK報道』委員会」(以下、「
第三者委員会」と略す)の審議の結果が、『朝日新聞』10月1日朝刊に掲載されました
。これを受けて、秋山社長名の談話(以下、「社長談話」と略す)と「朝日新聞社の考
え方」(以下、「考え方」と略す)が同日の紙面に掲載されました。 

 また、これらの記事掲載を受けて、安倍晋三氏は930日夜、「取材不足なら謝罪す
べきだ」、「我々が捏造だと指摘してきたことに〔朝日新聞は〕全く反論できていない
」などとするコメントを発表しました。また、中川昭一氏も10月7日の閣議後の記者会
見で「迷惑をかけたなら謝罪なり説明をするのは常識だ。これで終わらせる、ふたをす
ることは、絶対許さない」と述べています。

 長井暁さんが告発したNHKの番組制作への政治介入は、報道・表現の自由の根幹に
関わる問題ですから、この問題に鋭く切り込んだ貴社の本年1月の記事は、NHKと政
治の危うい関係を社会に向かって警告する貴重な取材の成果であったと私たちは評価し
ています。

 それだけに、930日の報道総括の記事や同日の社長発言を見るにつけ、私たちは、
本来、議論されるべきNHKと政治の距離が、朝日新聞の取材のあり方にそらされ、市
民が知りたい政治介入の真相がうやむやにされたまま、ETV番組改変問題の調査・報
道が幕引きされかねない状況に強い失望と危惧を抱いています。
そこで、この問題の真相解明を訴え続けてきた私たちは、連名で貴社宛に質問書を提出
することにし
ました。以下の質問事項を熟読いただき、本年1118日(金)までに文書で項目ごとに
回答くださるよう、お願いいたします。

質問1 最初の報道を訂正する必要はないと言いつつ、「深い反省」を繰り返す貴社の
総括について

 「社長談話」と「考え方」は、@中川氏がNHK幹部と会ったのは放送日前日だったか
どうか、A安倍氏がNHK幹部を「呼び出した」のかどうかについて、取材に詰めの甘さ
があったという「反省」を前面に押し出しています。しかし、第三者委員会は後者につ
いて、裏付けを取る取材の不十分さがあったと指摘しているものの、前者については、
「松尾氏、中川氏の双方とも取材記者に対し、終始、放送前日に面会したとの認識をも
って応対していたことがうかがえる」ことから、そうした「取材結果をもとに、記者が
『前日に面会』と信じたことには相当の理由があると考える」と指摘しています。また
、同委員会は、「政治家の言動が番組の内容に少なからぬ影響を与えたと〔貴社の取材
スタッフが〕判断したことは、読者の理解を得られよう」と評価しています。これを受
けて貴社自身も
「考え方」の中で、「最初の記事で指摘した点は今も変わらないと考えています」と述
べています。であれば、貴社が、取材の限界をことさらに強調して、「反省」を繰り返
すのは不可解です。そこで、具体的にお伺いします。貴社は安倍、中川両氏から出てい
る謝罪要求を受け容れるつもりですか、それとも拒否するつもりですか、明確にお答え
下さい。

質問1についてお答えします。

朝日新聞は7月25日付の総括紙面で、112日付朝刊で報じたNHK番組改変問題の記
事について事実関係を訂正する必要はないと判断していることをご説明しました。この
判断については、101日付の紙面で報じているように、この報道と朝日新聞の対応に
ついて審議いただいた「『NHK報道』委員会」でもご理解を得られたと考えており、
現在も変わっていません。

質問2 中川氏がNHK幹部に会ったのは放送日の前か後かについて

貴社は、「考え方」のなかで、質問1で示した@Aについては、長期の追加取材によっ
ても新たな裏付けが得られなかったと記しています。しかし、貴社がさる725日に掲
載された検証記事では、次のようなやりとりが記されています。

中川氏には1月10日午後、電話で取材をした。
――
放送内容がどうして事前に分かったのか
 「同じような問題意識をもっている仲間が知らせてくれた」
――
それで放送直前の01年1月29日に野島、松尾両氏に会ったのか
 「会った、会った。議員会館で」
――
何と言ったのか
 「番組が偏向していると言った。それでも2人は『放送する』と言うから、おかしい
んじゃないか
と言った。(民衆法廷は)『天皇死刑』って言っている」
――
「天皇有罪」だと言っていたが
 「何をやろうと勝手だが、偏向した内容を公共放送のNHKが流すのは放送法上の公
正の面から言ってもおかしい。教育テレビでやりますからとか、わけのわからぬことを
言う。あそこを直します、ここを直しますからやりたいと。それで、『だめだ』と」
――
NHKはどこをどう直すと言ったのか
 「細かいことは覚えてはいない」
――
放送中止を求めたのか
 「まあそりゃそうだ」

 こうしたやりとりからすれば、中川氏が松尾氏らと会ったのは、放送日前であり、そ
の場で中川氏は番組の具体的な内容を理由に挙げて放送の中止を求める発言をしていた
ことは紛れもない事実です。とすれば、新たな追加取材を待つまでもなく、貴社に存在
する証言記録に照らして、中川氏による政治介入の事実は十分裏付けされていると考え
られますが、いかがですか? それでも中川氏が番組への関与を否定するというなら、
それを立証する責任は貴社にではなく、中川氏自身にあると私たちは判断しますが、貴
社はどのようにお考えですか?

なお、上記のような725日に掲載された記事のほかに、中川氏の関与を裏付ける資料
が貴社に存在するなら、それについても詳細に記事にすることこそが政治介入の真相を
明らかにすることになると考えますが、いかがですか?

質問3 安倍氏がNHK幹部を呼び出したのかどうかについて

ETV番組改変問題の報道に関する貴社の総括を読んで私たちが感じるもう一つの疑問
は、貴社が、放送日前日に、安倍氏がNHK幹部を「呼び出した」のか、それとも、N
HKが「自主的に説明に出向いた」のかという点に過度にこだわり、その点での「取材
のつめの甘さ」を誇張して卑屈な反省をしている点です。

そもそも、放送日の4,5日前にNHKの総合企画室の担当者が「日本の前途と歴史教
育を考える若手議員の会」の議員に面会した際、「予算説明の時には、必ず聞かれるか
ら」と、ETV問題の事前説明の準備をするよう促されたことから、NHKは予算説明
と関係のない放送総局長を同行して安倍氏のもとへ出かけたわけです。

そういう背景を考えれば、NHKが(阿吽の呼吸で)「自主的に出かけた」のか、「呼
び出された」のかにこだわるのは、問題の核心をそらす議論です。

ここで問題とすべきは、安倍氏が松尾、野島両氏に対して、慰安婦問題の難しさや歴史
認識問題と外交の関係などについて持論を語ったうえで、放送前の番組について「公正
公平にしてほしい」と述べたことです。私たちは、このように「政治家の言動が番組の
内容に少なからぬ影響を与えた」ことは、放送に対する外部からの干渉を禁じた放送法
3条に抵触する行為だと判断していますが、貴社はどうお考えですか?

質問2および3については、合わせてお答えします。

 ご質問の事実関係については、取材によって得られた資料や証言などに基づいて、真
実であると信用することができる内容を記事として掲載したものです。10月1日付の紙
面でご説明している通り、1月12日付の記事で指摘したのは、政治家の発言が圧力とな
ってNHKの番組内容が変わったという点でした。この記事で指摘した点は今も変わら
ないと考えています。

質問4 細部にわたる取材の裏付けにこだわる報道総括がもたらす影響について

 今回の安倍、中川、松尾の各氏に対する取材のように、直接取材した相手が後日、発
言を翻したり、「誤報」と言い立てたりするのは珍しいことではありません。これにつ
いて貴社は、「前日面会」、「呼び出し」の報道に関して、「裏づけをとる努力が足り
ず」、「結果として不確実な情報が含まれてしまった」と総括しています。

 しかし、密室で起こった係争事件では、一方の当事者の証言が詳細で具体的である場
合は、たとえ、もう一方の当事者がそれを否定しても、証言の信憑性が認められ、証拠
として採用された判例は数多くあります。

 にもかかわらず、取材相手が報道内容を否定したというだけで、取材報道をした側が
常に追加的な立証責任を負い、当初の報道を裏付けるより詳細な証拠を示すことができ
ない限り、反省と謝罪を強要されるのでは、調査報道は権力対峙性を失い、政治家など
が公にした見解を口移しに伝えるだけの「発表ジャ−ナリズム」に堕落しかねません。

 この意味で、細部にわたる取材の裏付けにこだわった貴社の報道総括は、メディア全
体の報道姿勢に萎縮効果をもたらすことが危惧されますが、貴社はどうお考えですか?

問4についてお答えします。

調査報道は、官公庁などの発表に頼らず、独自の取材によって埋もれている真実を掘り
起こすものであり、取材相手が証言を覆したとしても耐えられるように取材を尽くすこ
とが特に求められています。しかし、今回の報道では事実関係の一部について「『NH
K報道』委員会」からも「さらに裏づけを取る努力が必要だった」とのご指摘を受けま
した。10月1日付の紙面でもご説明している通り、朝日新聞は今後もひるむことなく調
査報道を充実させていきます。

質問5 無断の録音記録を禁止する社内原則の是非について

質問4と関連して、取材相手に無断で録音がされたのかどうか、そうした取材方法は是
認されるのかどうかについて、議論が交わされてきました。これについて、第三者委員
会は、「一般に無断録音は、取材対象者との信頼を損ないかねず、認められるものでは
ない」としながらも、「政治家をはじめとする公人やそれに準じる人物の取材において
は、対象テ−マの重要性に即して、取材の正確さを確保するため、例外的に録音が必要
とされる場合があり得よう」と記しています。

 ところが、貴社は、「考え方」の中で、例外的に無断録音が許されるために必要な条
件は何かを論議していくとしながらも、「『原則として無断録音はしない』という姿勢
を今後も堅持していく」と述べています。

 この問題について、私たちは、貴社が、細部にわたる取材の裏付けにこだわる一方で
、無断録音はしないという社内原則で自らを縛っていることが、NHKや政治家の反論を
もっともらしく思わせる原因になっているようにも思えます。また、こうした社内原則
は公人取材等の微妙な場面で、記者の取材活動に重大な足かせをはめることになってい
ます。

 こうした状況を踏まえて、私たちは貴社に対し、「無断録音はしない」という社内原
則を撤廃するよう要望します。これについての見解をお聞かせ下さい。

質問5についてお答えします。

取材内容の録音は相手の了解を得るのが原則であり、朝日新聞は記者に対 し、取材相
手との信頼関係を損なうことがあってはならないと指導しています。「原則として無断
録音はしない」という姿勢は今後も堅持していく考えです。例外的な録音が許されると
すればどのような条件が必要なのかといった点についても議論を重ねており、取材に際
しては個別の事情を踏まえて対応しています。


2 「石原都知事のフランス語発言に抗議する会」訴訟 第2回口頭弁論  
     「だまらん」より

[11/20/05]
「石原都知事のフランス語発言に抗議する会」 が提訴した訴訟の第2回口
頭弁論が以下のように開廷されます. 930日の第1回口頭弁論には大勢の傍聴者が集
まり,席が足りずに法廷に入れない人も出たそうなので,早めにお出かけ下さい.

2005年12月2日(金)10:00〜 (所要時間:15〜30分程度)
東京地方裁判所 6階 627号法廷
東京都千代田区霞ヶ関1−1−1  0335815411(代)
地下鉄(丸の内線,千代田線,日比谷線)霞ヶ関駅 A1出口


3 普天間・県内移設反対ビラ、配布中に逮捕 
     一連の経過と木津上人のアピール
3−1 普天間・県内移設反対ビラ、配布中に逮捕 嘉手納、公務妨害容疑
       朝日新聞 10.30 西部朝刊
 29日午前11時20分ごろ、沖縄県沖縄市上地の米軍嘉手納基地第2ゲート前でビ
ラを配っていた僧侶らに、路肩に駐車していたワゴン車を移動させるよう沖縄署員が求
めた。このうち東京都内の僧侶(69)が「他にも駐車違反の車はある」と抗議。署員
が窃盗事件の連絡を受けてパトカーを出そうとした際、発進を妨げたとして、この僧侶
が公務執行妨害容疑の現行犯で逮捕された。僧侶は「平穏に抗議しただけ」と容疑を否
認しているという。
 調べによると、僧侶らは、ゲート前に並んでいた車の米軍人らに、普天間飛行場(宜
野湾市)の県内移設反対や沖縄戦の犠牲者追悼などを呼びかけるビラを配っていた。同
署は「ビラまきを弾圧する意図はなかった」としている。


3−2 日本山妙法寺のアピール
         
 11/4
木津僧侶の釈放を求める声をあげて下さい。
2005.11.4
2005沖縄平和祈念行脚中の日本山妙法寺の木津博充僧侶(69歳)は、10月29
日、ビラ配布と駐車車両の取り締まりに来た沖縄警察署員に、パトカーの進行を妨害し
たとして、嘉手納基地第2ゲート前で、公務執行妨害で不当逮捕されました。逮捕の時
にのどを痛め、断食状態に追い込まれている木津僧侶の即時釈放を求めて、下記関係機
関に抗議・要請をお願いいたします。既に現地の弁護士による弁護団が結成されていま
す。
 
連日夕刻5時半から、地元市民団体の皆様多数によって抗議集会が沖縄警察署の前で行
われています。しかしながら、一昨日(2日)からは、機動隊の強制排除によって開催
が妨害されています。
 
また、11月7日(月)午後1時には、那覇地方裁判所沖縄支部において勾留理由開示
公判が開催されます。その時、木津僧侶を直接励ますことができます。
皆様のご支援をお願い申し上げます。            合 掌

          日本山妙法寺
              TEL 03-3461-9363

3−3 反戦ビラ配布の僧侶起訴猶予 公務執行妨害容疑
       朝日新聞 11.18 西部朝刊
 沖縄県沖縄市の米軍嘉手納基地前でビラを配布中、パトカーの発進を妨げたとして公
務執行妨害容疑で逮捕、勾留(こうりゅう)されていた日本山妙法寺(本部・東京)の
僧侶木津博充さん(69)が17日、逮捕から19日ぶりに釈放された。那覇地検沖縄
支部は同日、「偶発的事案で公判請求するまでもない」として起訴猶予とした。
 県警によると、木津さんは10月29日、基地から出てくる米兵らに仲間と反戦ビラ
を配布中、沖縄署員に路上でのビラまきの中止と駐車中の車の移動を求められた。その
直後に別の窃盗事件現場に向かおうとしたパトカーの下に両足を入れるなどし、発進を
妨害した疑いが持たれていた。
 木津さん側は「パトカーの下に足を入れるのは物理的に無理で、不当逮捕」などと主
張。仲間の僧侶や市民団体メンバーらが同署前などで抗議行動を続けていた。


3−4 木津上人のアピール
      11/21
 「辺野古への海上基地建設・ボーリング調査を許さない実行委員会」では毎
週月曜日午後6時から東京市ヶ谷の防衛庁前で抗議行動を続けています。

 以下は、11月21日の抗議行動での木津上人のアピールです。

 なお、防衛施設庁等に手渡した抗議文や抗議の模様は実行委員会のサイトに掲載して
いますのでご覧下さい。
http://www.jca.apc.org/HHK/NoNewBases/NNBJ.html

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木津上人のアピール

 南無妙法蓮華経

 20日間にかけて不当な逮捕という経験をいたしました。しかし、間髪を入れずに沖縄
の一般の市民の方も含め、そして全国の皆様方の支援のおかげを持ちまして、今ここに
立つことができております。本当にありがとうございまし
た。

 私は今までずっと、世間で言うところのでっち上げというものは聞いてはきましたけ
れども、このようにしてでっち上げというものが作られていくんだということを、本当
に身をもって体験いたしました。もう本当に。

 今、時間がないと思いますのでちょっと思ったことを申しますと、最初沖縄署の留置
場に強制的に入れられまして、その次に拘置所というところに移されます。拘置所に入
りましたら、拘置所の職員の皆さん方が口々に私のところにですね激励をしてくれるん
ですよ。本当にこれにはびっくりしました。何て言ったかというと、「普段は自分の近
所のおじーおばー達は平和運動というものに対して全く関心がない、そういう人まで今
度の事件はテレビや新聞で見て本当に深い関心を持っている」、その人たちが、「警察
の言っていることは全部うそだよ。お坊さんの言ってることが正しいよ」ということを
拘置所の職員に申したんですって。

 今日まだ今この時間では、武田上人が弁護士さんと、これからどういうふうに訴えて
いくかという、2陣、3陣とこういう不当なことが起きないようにするためにどのように
訴えていくかということを、今、相談中です、今現在。

 平良夏芽さんや皆さん、1時間もかかるところ、辺野古からですね、現地から車で毎
日きて支援してくださったんですよ。帰りに、ちょっと私まだ変な時差ぼけみたいのが
あるんですけど、よく働かないんです頭が、5キロ痩せました、5キロ、ダイエットには
いいと思いますけど5キロ痩せまして、それで何と国際通を歩いていたときでも、ちょ
っと小さいデモがあって歩いていたら、市民の人が寄ってきて「釈放おめでとうござい
ます」と言ったんですよ。それほど沖縄では、一般の人たちが本当にこれは不当だとい
うことを知っています。本当に感動しました。何でもない一般の市民の人たちが「釈放
おめでとうございます」なんて、向こうでは新聞やテレビでいっぱい報道されて皆知っ
ているんです。この黄色い姿を見たら寄ってきて、そこで歩いているお母さんたちが顔
を見合わせて、そして私の顔を見て、こうやって頭を下げてくれました。たくさんです
よ。

 那覇空港に着いて、本当は私今日の会議にいるはずだったんですけど、体が悪くなっ
ているんで武田上人も先に帰ったほうがいいと、今日はここに皆さんが集まるからお礼
を述べるようにということなんで、それで空港に歩いているだけで5人の人が、まった
く見ず知らずの人が「日本山妙法寺さんですか」と聞いてきて、そしてこの方が「大変
なことに遭いましたね、釈放されて本当におめでとうございます。こんなことはうそで
すよ、これはでたらめですよ、あまりにひどすぎます」って涙を拭いて一般の男の方が
空港のお土産店のところで声を掛けてくれました。もう一人の人は、「お顔を拝見して
いても到底信じられない。(権力の)言っていることは皆うそだ」と。うそなんです。
細かいことは後で言います、本当に皆さんのおかげ。

 こういうことがあって、これからも米軍の再編問題とか、これから出てくる共謀罪だ
とか憲法改悪だとか、そういうことがありますんで、平和運動の萎縮を狙った一環であ
ると、序章にすぎないと思います。これからもいろんなことがありますけど、その時に
果敢にすぐ立ち上がって、皆が全国的に起こした願いが、もう毎日毎日届くんで、段々
権力側の言うことが変わってきたんですよ。最初は足を突っ込んだとか言ったのが、そ
の内に差し挟んだというふうに変わってきたんですよ。最後は本人にはそういうつもり
はなかった、現場の行き違いだったと、こういうふうになってきたんですよ。どんどん
変わってきました。

 これは取りも直さず、果敢に立ち上がった皆さん方の共同の力、ですからどこまでい
ってもどんな弾圧でも、皆が本当に心を一つにして不退転で訴えて、祈って、行動すれ
ば、こういう力が出るんだよという一つの姿を改めて見たんじゃないでしょうか。いろ
んなことがありますけれども、本当に私たちは心を一つにしてどこまでも非暴力で。

 おまわりさんが、調書を取っているおまわりさんが段々変わってきたんです。私は一
切変な顔もしなかった、中でどんなにいやがらせがありました、けれども文句一つ言っ
たことは一度もありません。そうしたら段々調書を取るおまわりさんが変わってきまし
てこう言いました、「ここから出たら講演するんですか。よそでこういう話をするんで
すか。言わないほうがいいですよ。」 そういうことを言うようになりました。この人
たちが本当にこうも言ったんです、「逮捕したおまわりさんをどう思っているか」って
聞いたんですよ。誰人一人とも私は恨みません、そういうところを超えたところで、私
はもうブルー
スカイですよ、本当に恨まない。そんなことのレベルでやっていたらこんなに多くの支
持もこないでしょうし、そんなことないんだという態度で一貫してやってました。非暴
力の勝利だと思います。

 これからも皆さん頑張ってまいりましょう。どうぞよろしくお願いいたします。あり
がとうございました。
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 今後の予定等は、実行委員会あるいは沖縄一坪反戦地主会関東ブロックのウェブサイ
トをご覧下さい。

・辺野古への海上基地・ボーリング調査を許さない実行委員会
http://www.jca.apc.org/HHK/NoNewBases/NNBJ.html

・沖縄一坪反戦地主会関東ブロック
http://www.jca.apc.org/HHK/