戦略戦略言うけどさ、市大”改革”に戦略ねえじゃん3 「スポイチ編集長日誌」(2005.11.27)

 

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2005/11/27 (日) 戦略戦略言うけどさ、市大”改革”に戦略ねえじゃん3

 

 実は、市大は市大のみによって完結しているのではないのである。廃校だの売却だの、もし本当にやるならば、それなりの準備が必要になったはずだ。しかし、それらは”人間嫌い”、”精神的ひきこもり”の規制派官僚には気の重い仕事となったであろうが。だが、多くの市大人は、”廃校も選択肢”という言辞に対して慌てふためいた。彼らは、”大学自治”を主張しながら自分の足下のことさえ知らなかったのである。これでは満にやられるわけだ。

 そして、さっさと”廃校”にしなかったもう一つの理由。それは、トップにも市ターンズにも、本当の改革や、あるいはまた”廃校”のような重大なデシジョンを実行する知恵も度胸も責任感もなかったから、である。トップにとっての横浜市、市ターンズにとっての市大とは、数年の任期を過ごして他へ行くだけの一時的な腰かけに過ぎないのである。そんな人々に責任感があるとでも?

 そういう連中がいまや絶大な権限を握ってしまった。ちなみに、独法化後の管理職は名実ともに関内からの出向扱いになっている。いずれ関内に戻る出向者だから市ターンズ。わかりやすい。自分がいるうちに出来る限りの”実績”をあげ(派手に何かを変える、ぶち壊す方がアピールできる)、ポストと利権をかっぱらってから去った方がお得、後のコトは知らねえやという、まさに焼き畑戦略でもある。彼らは顧客のことなど眼中にはない。だって、そういう企業が生み出した欠陥製品、手抜き製品のニュースがいまも巷を賑わせているじゃないか。

 だから、一般に、店じまい戦略を採っている企業の商品はどんなに安かろうが、それに手を出す顧客はクレバーではないということになっている。リスクが大きすぎるからだ。

 一方で、市大の強みの一つであった「学費が安い」という長所も、”他大学との比較を考慮”という、いかにも官僚的な理由による値上げを長年に渡り半自動的に繰り返したせいで、もはや失われている。学費以外にも、市大の長所としてアピールすべきだったものが、この間の”改革”で次々とドブに捨てられた。

 何かと言えば、市大にも「民間企業的な」「効率主義」とか「戦略」とかぬかしてる連中は、この程度の常識すら知らなかったと見える。任期制とか成果主義をやりたいなら、実はそれなりの条件があるのだが、この点でも、もはや市大は最悪のパターンにハマっている。