横浜市立大、学長選挙 ストロナク学長を選考会議で再選(2005.11.30)

 

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2005年11月30日

横浜市立大、学長選挙 ストロナク学長を選考会議で再選

大学改革日誌(永岑三千輝氏)
 ●最新日誌(11月29日(1))

11月29日(1) 現学長ストロナク氏が再選されたようで、新聞記事にでていた。そして学内では「市大新聞号外」が掲示されていた。現学長は行政当局の任命以外の何ものでもなく、今回の選考委員会もまた行政当局の任命によるものである。したがって、大学の自治の観点からすれば、由々しい事態だといわなければならない。大学教員の学問の自由はどこまで保障され、どこまで自由で生き生きとした研究ができるのか、目に見えないだけに将来の結果は予測が付かない。大学教員の精神的拘束が学生院生の教育にどのように影響するのか、これまた目に見えないだけに、十分に注意してみていく必要がある。

学問の自由の制度的保証としての大学の自治は歴史的普遍的に追求されてきたものであり、その根幹が、大学を代表する人間(学長)の任命のあり方にかかわる。教員組合に出された緊急アンケートの回答(アンケートの最終結果)が示すように、明示的に意見を述べる人々に今回の学長選挙のあり方に賛成するものはいないという厳しい現実を、ストロナク氏はどう考慮するのか?

ストロナク氏のこの7ヶ月ほどの態度は、すくなくともほとんどの大学教員には、目に見えないものであり、明確なものではない。その点も、教員組合緊急アンケート回答が示すとおりである。設問二をみればわかるが、回答者72名中、かりに自分の押す候補がいると回答した4人の全員がストロナク氏を適任と考えていたとしても、わずかに4名だということである。教員組合に意見を述べるような大学教員からは、それほどにも期待されていないということである(「わからない」という人25名の気持ちが、仮に、ストロナク氏に一縷の望みをもった人ばかりだとしても、期待するにふさわしいメッセージをきちんと発してこなかった、情報がない、だから「わからない」ということなのだろう)。

新聞報道では、「国際化に向けて、カリキュラム等を抜本的に見直す」姿勢のようであるが、いったいなにをどのようにか、その内容こそが重要である。「国際化」と称するアメリカ基準の傲慢な押し付けならば、即座に、大学人のごく一部にあるほのかな期待の芽もしぼむであろう。数理科学科の二教授のストロナク氏宛質問状(ストロナク候補宛質問状)に今後どのような態度と見識を示すのか、試金石のひとつはそこにあろう。数理科学は、自然科学・人文社会科学のすべてにとって重要な基礎科学であり、しかも、装置科学・設備科学とちがって相対的にはコストの少ない学問のように思われる。その意味で、経営的な観点からも「効率的」科学だと思われるのだが。

横浜市大、ストロナク学長、選考会議で再選

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20051129ddlk14040380000c.html

 横浜市立大学(本部・横浜市金沢区)は28日、任期満了に伴う学長選考会議で、ブルース・ストロナク現横浜市大学長(55)を再選したと発表した。国公立大学では初めて学内選挙を経ずに学長の選出が行われた。任期は来年4月1日から4年間。

 学長選考会議は経営審議会と教育研究審議会から各3人ずつで構成され、推薦された学長候補者を書類や面接などで選考する。今年4月の同大法人化で設置が定められた。従来の学内投票を行わないため、支持集めによる学部間の対立を避けられ、学内外から幅広く人材を得る利点があるという。

 

投稿者 管理者 : 20051130 00:52