「意見広告の会」ニュース313(2005.12.1)
「意見広告の会」ニュース313
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** 目次 **
1 「学生納付金は資金集めのツール」 財務省の見解
東京地区大学教職員組合協議会の財務・文科交渉で
2 文科省の取扱注意文書
各国立大の給与水準は軒並み人勧準拠 −0,3%へ
3 都立の大学を考える都民の会ニュース
石原・都教委の教育破壊ストップ!12・10都民集会
4 案内 新しい「だまらん」
http://pocus.jp/damaran-entrance.html
5 立命館アジア太平洋大学、構造的雇用差別下における
4名の「常勤講師」解雇問題
立命館アジア太平洋大学大分地域労組APU分会
6−1 立命大で異例のスト ボーナス削減提案 組合と理事会対立
京都新聞 11/25
6−2 立命館 3中・高でもスト ボーナス削減 理事会が実施明言
京都新聞 11/26
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1 「学生納付金は資金集めのツール」 財務省の見解
東京地区大学教職員組合協議会の財務・文科交渉で
文科省および財務省交渉速報
東京地区大学教職員組合協議会
議 長 林 富喜雄
1、交渉報告
都大教は、2005年11月16日、財務省および文科省交渉を行いましたので、その結果を
報告します。
財務省交渉報告
財務省側 財務省主計局文部第3係主査 堀 順至
問い:経営努力で生じた黒字は大学独自で使用できるのか。
回答:使途が特定されて、それを使用しなかった場合は返還してもらう。それ以外のも
の(自己収入や経営努力)であったら目的積立金として積み立てておくことができる。
この使用は研究教育のためであり賃金には使えない。
問い;05人勧で0.3%の賃金削減があったが、その分を今年度の予算から削減するのか
。
回答:そのようなことは無い。運営費交付金はわたしきり費で大学が自由に使用できる
。
要求;授業料の値上げをしないこと
回答:大学の資金集めのツールとして入学料を考えてほしい。私学からは「国立大学は
恵まれている」との意見もくる。私立大では入学料の中に施設負担金が入っている。国
立でもその負担が必要ではないか。
問い;労働安全衛生法の適用で生じた設備整備費は別途要求できるのか。
回答:基本的には運営費交付金の中で措置してもらう。しかし、特別なものであれば考
えられなくもない。全国大学全体の重点項目であれば考えることはできる。
要求;賃金を国家公務員なみに引き上げるための予算を措置すること。
回答:国家公務員と大学の賃金の格差は出先と本省の差ではないか。大学の定員管理は
ない。賃金は組合交渉できめることだ。
要求;宿舎の修繕、維持、改築に関わる費用を別途措置すること。宿舎が不足する場合
は、公務員宿舎を提供すること。
回答:施設については難しい。現在、民間住宅を宿舎として借り入れできるような政令
改正を検討している。
文部科学省交渉
文科省側 高等教育局国立大学支援課専門職 上原貴之
高等教育局国立大学支援課専門職 西村敏信
大臣官房文教施設企画部計画課予算総括係長 飯田雄介
大臣官房人事課審査班調整係長 岡部陽一
大臣官房人事課審査班 山本典子
高等教育局国立大学支援課 法規係 樋口 徹
要求:運営費交付金の毎年1%カットを中止し、高等教育予算を欧米並みに(GDP比1
%) 増やすこと。
回答:運営交付金の算定は算定ルールに基づいて行っている。社会から法人運営の努力
が見えるようにするために1%削減は仕方がないのではないか。
要求:職員の賃金を国家公務員並に引き上げるための予算を措置すること。今後3年間
、毎年4%の賃上げが可能な額を運営費交付金に盛り込むこと。
回答:大学予算の弾力的な運営が可能となった。運営費交付金は、賃金や物件費の区
分はないのでその範囲内で、賃金についても考えてもらう。
要求:常勤職員と同様な形態で勤務する非常勤職員の賃金を常勤職員並みに改善するた
めに 必要な運営交付金を増額すること。
回答:大学の判断でそれぞれ考えてもらいたい。同一労働同一賃金という考え方は、そ
の通りであると思うので大学の中できちんと整理してやってほしい。
要求:助手の任期付採用を抑制すること。採用割合の数値的ガイドラインを示すこと。
回答:大学の判断でやってほしい。文科省から口を出す問題ではない。
要求:国立大学の授業料設定の基準となる学生納付金標準額を引き上げないこと。
回答:来年度は授業料,入学料の値上げは考えていない。19年度の入学料の値上げはな
い。検討する。
要求:夏休み休暇を7日間以上、サバティカル休暇(1年)を制度化すること。
回答:各大学で決めてほしい。文科省としては年休の取得率を上げるようにしたいと
考えている。厚生労働省でも検討しているようだ。
要求:大学法人教職員宿舎の修繕、維持、改築に関わる費用を別途措置すること。
回答:運営費交付金以外では施設整備費補助金を使う事は可能だが、現状は,宿舎よ
り教育研究施設が中心になっている。
要求:大学法人教職員宿舎が不足する場合は、公務員宿舎を提供すること。
回答:法人化の際に出資をして公務員宿舎を法人に振り分けた。法人後は公務員宿舎
を提供する事はできない。
質問:大学の賃金の決定は人事院勧告に従わなくてもよいのか。
回答:社会一般の情勢に適合し,大学の判断でできる。
質問:経営努力で生じた黒字は賃金に廻す事ができるのか。
回答:大学の判断で可能である。
質問:本年文科省が公表した大学職員の賃金と国家公務員との比較ではラスパイラル指
数が86.6となっている。このことは大学が国家公務員と比較して14%低いと考えるがい
かがか。
回答:14%が正確かわからないが、低いと考える。
質問:労働安全衛生法の適用により生じた施設整備費は別途要求できるのか。
回答:基本的には大学内で処理してほしい。しかし、相談には応じる用意はある。
質問:三鷹に国立天文台の宿舎はあるのか。
回答:三鷹地区には宿舎はないが、多摩地区には8機関の合同宿舎があるはずで,そこ
には入居できる。
質問:アスベストの撤去費用を別途措置できないか。
回答:それは国全体の問題であるので予算化できるよう検討している。
以上
2 文科省の取扱注意文書
各国立大の給与水準は軒並み人勧準拠 −0,3%へ
取扱注意
国立大学法人における平成17年度人事院勧告(給与構造の基本的見直し) に伴う役
職員の給与等の取扱いに関する基本的考え方
1.基本給の水準引き下げについて
@ 給与については、法人自らが決定することとされている一方で、準用通則法により
、「社会一般の情勢に適合したものとなるよう定めなければならない」とされ、また、
閣議決定(16.9.10)においても「役職員の給与改定に当たっては、国家公務員の給与
水準を十分考慮して適正な給与水準とするよう要請する」とされているため、国立大学
法人の役職員の給与等は人事院勧告に直接影響されるものではないものの、依然として
人事院勧告も有力な参考材料と考えられる。
※社会一般の情勢を判断する上で、極めて客観性・合理性のある人事院勧告
@国立大学法人の現在の給与体系は、国家公務員の給与制度にほぼ準拠していること。
A法人化後の国立大学法人の経営情勢に鑑み、給与体系を国家公務員に準拠しないとす
る状況の変化は今のところ考えにくい。
B各国立大学法人として独自に給与改定を行うために、大学として調査のための専門的
組織を持ち、労働市場等、社会一般情勢についての調査を行っていない。
C人事院勧告の資料は、専門組織による全国規模の調査に基づくものであり、その客観
性は社会的にも認められている。
A 人事院勧告を参考とした場合、例えば全員の基本給を一律に現状維持するのではな
く、基本給は国家公務員並みに一旦引き下げた上で、明確な人事管理方針に基づく処遇
改善や勤務成績による実績反映、さらには、外部からの優秀な人材確保の方策等計画を
立てる必要がある。
B この場合、基本給引き下げに伴い財源に余裕が生じる場合は、安易に物件費等に流
用するのではなく、今後の給与制度、処遇の在り方、人員管理等、各大学の人事戦略に
基づく計画に充てることが有効。
C 国立大学法人の職員の退職手当の財源となる、運営交付金の算定上のルールは、「
国家公務員並」であることを十分理解した上で、基本給について適切に対応する必要が
ある。(例えば、基本給の引下げを行わない場合で、現在の退職手当規定を改正しない
ときは、当該大学において国家公務員並以上の退職手当については独自補填となる。)
2.地域手当について
@ 上記1.の@を勘案すると当該手当は、より地場賃金を反映した地域ごとの水準で
あることから、基本的には国家に準拠することが有効。
A しかし、例えば国に準拠すれば、複数のキャンパスを有する大学内においてキャン
パス間に差が生じ、法人における人事管理や経営戦略に支障が生じるといった場合は、
各法人における中・長期的な財政状況等を踏まえた上で、法人全体として差を設けない
ことも、各法人の判断により可能ではあるが、当該手当の水準をどの程度の水準にする
かについては十分検討する必要がある。
B 人事院においては当該手当の異動保障を検討しているが、特に東京特別区以外の地
域の大学においては優秀な人材の確保を目的として、各法人において国と同様の異動保
障規定の整備を検討することも有益。
3.その他の改正等
基本的には給与水準は上記1.の@を踏まえ、国に準拠することが適当と考えるが、よ
り優秀な人材を確保する観点から、経営戦略の下、財政状況を十分考慮しつつ、法人と
してどの程度弾力化することができるのかについて検討する必要がある。
4.総論
@ 何れにしても、まずは、各法人における人件費等に関する情報等を職員に対し明白
にした上で、今回の給与水準の公表における数値の詳細な分析を基に、各法人における
人件費に関する今後の計画等を職員に説明し理解を得ることが必須。
A 給与水準を下げる場合は、最終的には、就業規則の改正により対応することとなる
が、上記の考え方をそれぞれの法人において十分に整理、検討した上で職員の納得を得
る努力をしつつ、組合とも誠実に交渉していくことが必要と考える。
B 「役職員の報酬等及び給与水準の公表」が毎年義務づけられていることから、各法
人において対外的に説明責任を果たすとともに、規定等を整備し公表するなど公正性・
透明性の確保が必要となる。
【参考】
医(一)【厚生省の医師】と教(一)【大学附属病院の教員】との較差問題
@医師の勤務実態と教員の勤務実態との違いを理解(教員は、教育・研究費や、兼業に
よる収入もあること。)
A診療行為のみ行う医師を雇用することも可能であり、その者に対して医(一)を適用
することは可能。
B医員・研修医の処遇を改善し、より多くの医員・研修医を雇用し常勤教員の診療負担
を軽減することも検討。C診療実態に即した手当の創設も必要に応じて検討。
D給与のみの問題ではなく、研究費や兼業も含んだ環境も踏まえた上で、経営戦略の検
討が必要。
3 都立の大学を考える都民の会ニュース
石原・都教委の教育破壊ストップ!12・10都民集会
***都立の大学を考える都民の会ニュース***
***入会など返信はganbare_toritudai@yahoo.co.jpまでお願いします。***
石原・都教委の教育破壊ストップ!12・10都民集会
12月10日(土)13:30〜16:30
星陵会館(都立日比谷高校隣) 資料代500円
○東京の教育破壊を告発する各分野からの報告
○講演
金子 勝さん(慶応大学)
「暴走を食い止めるために」
憲法・教育基本法の改悪を先取りし、子どもの学習権を奪う東京の教育行政を変えるた
め力をあわせよう!
主催 「12.10都民集会実行委員会」(五十音順)
枝川裁判支援連絡会/学校に自由の風を!ネットワーク/教育を壊すな!市民と教職員
東京ネットワーク/「つくる会」教科書採択を阻止する東京ネットワーク/東京「日の
丸・君が代」強制反対裁判をすすめる会/都教委包囲・首都圏ネットワーク/都立高校
のいまを考える全都連絡会/都立の大学を考える都民の会/七生養護「こころとからだ
の学習」裁判を支援する全国連絡会/「日の丸・君が代」強制反対・嘱託不採用撤回を
求める会/「日の丸・君が代」強制反対 予防訴訟をすすめる会/「日の丸・君が代」
不当解雇 撤回を求める被解雇者の会/「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処
分者の会
(連絡先)実行委員会 090−7421−7713
東京の教育破壊を許さない幅広いネットワークをよびかけます
2003年、都立七生養護学校で子どもたちとともに取り組まれてきた性教育が、都
教委によって「過激な性教育」と攻撃され、100名を超える教職員が処分されました
。この年に出された「10・23通達」によって、周年行事や卒業式、入学式で、「国
歌斉唱」時の不起立を理由に300名以上の教職員が処分されました。
東京都の教育行政が異常な状態にあることは、マスコミなど様々な分野から多くの批
判が相次ぎ、広く海外にまで報道されています。東京の「日の丸・君が代」の出来事を
芝居にしてロンドンで公演する話が持ち上がりましたが、イギリスから返ってきたのは
「これはいったい、何十年前の話ですか?」というものでした(劇作家永井愛さんのパ
ンフレットより)。海外ではとても理解できない状況なのです。
2004年1月、国連・子どもの権利委員会は都立の定時制高校が統廃合されること
を批判する「勧告」を行いました。いまや東京の教育行政は国際的にも批判されていま
す。定時制の統廃合について東京弁護士会も都教委に「勧告書」を出しています。
2005年7月、都教委は侵略戦争を肯定する「つくる会」教科書を採択しました。
戦前の「皇民化教育」の復活を許してはなりません。都立の4大学の廃止、枝川の朝鮮
人学校への立ち退き強要、毎年「猫の目」のように変わる高校入試制度、全国に先駆け
た人事考課制度や主幹制度、学校現場や都民から遊離した「教育改革」など、東京の教
育行政は憲法・教育基本法を否定して強引に行われています。そして、その矛先は明確
に子どもたちに向けられ、差別・選別の教育が進められています。石原知事と都教委の
「教育改革」が教育破壊であることは明確です。
こうした石原・都教委の教育破壊に対して、様々な抵抗や闘いが広がっています。い
ま、それぞれの闘いを横に繋げ、都民の中に幅広いネットワークをつくることが重要に
なっています。都民の小さな声と力を結集し、都教委の教育破壊を許さない大きな闘い
をつくりあげていこうではありませんか。みなさまの「12・10都民集会」への賛同
を心から訴えるものです。
2005年10月15日 12・10都民集会実行委員会
賛同団体を募集しています
■賛同金 団体 1口 2,000円(何口でも歓迎)
■郵便振替口座 加入者名:東京ネット
口座番号:00190−4−648647
(主催者団体の「教育を壊すな!市民と教職員東京ネットワーク」の口座
を利用します)
○団体名 ○連絡先(住所)
○口数 口 円 ○電話・FAX
「都立の大学を考える都民の会」
ganbare_toritudai@yahoo.co.jp
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/index.html
4 新しい「だまらん」
http://pocus.jp/damaran-entrance.html
都立大時代に書いていた「都立大の危機 --- やさしいFAQ」から派生したのが 「だま
らん」([dámaran])です。 今回、こちらに正面玄関を設けたのは、もはや都立
大問題だけではなく、 他の問題に関しても発言していかねばならない、と感じたから
です。 とりあえずは、「だまらん for 教育問題」を新設しました。
5 立命館アジア太平洋大学、構造的雇用差別下における
4名の「常勤講師」解雇問題
立命館アジア太平洋大学大分地域労組APU分会
●大分地域労働組合APU分会 ニュース No2(2005/11/27)
私たち大分地域労働組合APU分会は、今まで4回に渡って大学側と団体交渉を持って
きました。主な要求事項は、来年3月をもって行われる4人の常勤講師の解雇を撤回し
、当初の約束通りの継続雇用を求めるものでした。この要求は、働く者の生活権を守る
ための最低の必死の要求です。今まで大学に貢献してきた者に職を失わせて、どうして
大学側は平気なのか、不思議でなりません。合わせて、常勤講師制度の廃止による教育
の質の低下に関しても指摘してきましたが、学校側は確実な根拠も提示しなしまま、教
育の質の低下はないと主張しています。(詳しくはHP参照)
しかし、大学側は今までの交渉の中で、開学前に継続雇用の約束をした事実を否定す
るなど、極めて不誠実な態度で臨んでいます。このことは、大学側には解雇撤回の意思
が全くないことを意味します。「自由・平和・ヒューマニズム」を標榜し、世界各地か
ら学生を集めている国際大学であるAPUで、このような非道徳的で理不尽にも教員を大
事にしない暴挙が許されてはいけません。
ストライキ権確立のための投票開始! -
このような状況を踏まえて、11月28日から12月2日にかけて、解雇撤回の要求を実現
するための一つの手段としてのストライキの可否を問う組合員投票を実施します。
団体・著名人署名進行中!! ネット署名実施中!!
現在大分県・別府市を中心にした団体・著名人の署名を集めています。京都の立命館
大学の名誉教授、衆議院議員、県議会議員、別府市議会議員、大学関係者、市民の方々
などからたくさんの署名が集まっています。また、他大学の労働組合、各種労働組合、
民主団体などからもたくさんの団体署名が寄せられています。集められた署名は次回の
団体交渉の際、大学側に手渡す予定です。もちろん、それ以降も続けてやっていくつも
りです。
APU分会ではただいまネット(下記)による支援署名を募っています。私たちの運動へ
の支援を全国・全世界にお願いしているもので、現在大学関係者を中心に多数の署名が
集められています。この署名はネット上で名前を匿名にすることもできます。みなさん
からの署名は、私たちにとってとても大きな力になります。ご協力のほどよろしくお願
いいたします。なお、この署名サイトへはAPU分会のHPからもアクセスできます。
署名サイト: http://university.sub.jp/apu/
外部へのアピール活動を展開中!!
APU分会では大学側との交渉以外にも多角的な活動の必要があると判断し、現在大分
市・別府市を中心に、今回の不当解雇問題を市民に説明して協力と支援を要請する運動
を展開しています。衆議院議員・参議院議員との面談、県議・市議との面談、各組合へ
の支援要請、集会での説明、ビラ配り、市民集会開催などの活動をしてきました。市民
と支援者の反応も全体的に大変好意的で、“まさかAPUでこのようなことが起きている
とは思っても見なかった”という驚きの反応が多くありました。これからも引き続き運
動を展開していきますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
6−1 立命大で異例のスト ボーナス削減提案 組合と理事会対立
京都新聞 11/25
学校法人立命館(京都市北区、川本八郎理事長)で、立命館大や中学・高校の教職員
ボーナスを1カ月分削減する提案をめぐり、理事会と教職員組合連合とが対立。25日
に大学教職員組合がストライキを実施した。立命大で労使決裂によるストが行われるの
は異例という。
理事会側は今年5月、財政基盤や研究力の強化などを理由にボーナス(6・1カ月)
の1カ月分カットを提案。組合は反発したが、理事会側は夏季分は6月に通常通り支給
し、年末分でカットすることを通告した。対象は立命大と立命館アジア太平洋大、3つ
の付属中高の全教職員約2000人で、カットで生じる資金は約7億円という。
この提案をめぐって24日夜に団体交渉が行われたが、話し合いは平行線のままで、
大学教職員組合は25日正午から午後1時までストを実施した。中高の組合でも早朝や
夕方にストを行う予定という。
理事会側の説明などでは、財政面では2008−11年度の中期見通しで大幅な不足
が生じるという。また研究力強化の具体策として、研究ファンドの創設▽07年度に3
つのCOE採択を目標とし外部から人材を招く▽COEや科研費などの獲得者に1人2
0−80万円の手当を支給−など、研究への「成果主義」導入も打ち出している。
立命館は、来年度までに立命大二条キャンパスの開設や、立命館小と立命館守山高の
開学など大規模な計画が相次ぐ。
立命大教職員組合は「削減理由や強引な決め方、削減による財源で計画する政策のず
さんさの3点で到底納得できない」とする。組合員には「研究に報酬制を導入すべきで
ない」「平安女学院への10億円の財政支援問題をどう説明するのか」などの声もある
という。
高杉巴彦立命館常務理事は「大学は社会的存在であり学費や公的助成の使い道は外部
への説明責任がある。授業時間にかかるストは極めて残念だ」としている。
6−2 立命館 3中・高でもスト ボーナス削減 理事会が実施明言
京都新聞(2005/11/26)
学校法人立命館(京都市北区)の教職員ボーナス削減提案で、立命大教職員組合に続
き三つの中・高でも二十五日夕などにストライキが行われ、反発の動きが広がった。
立命大教職員組合はスト中の同日正午、衣笠とびわこ・くさつ両キャンパスで緊急集
会を開催。衣笠では教職員ら約四百人が参加し、闘争継続を確認、学生にも理解を訴え
た。授業時間にかかるストライキ実施は二十四年ぶりという。
理事会側はボーナス一カ月分削減を「理事会の責任で実施する」としており、「社会
的水準に照らして適切な額を目指している」などとするビラを理事らが学生に配った。
立命館教職員組合連合の津止正敏書記長は「財政は健全であり、理事会の説明は根拠
がない。年度内の支払いを求めて今後も闘争を続ける」と話す。京滋地区私立大学教職
員組合連合は「他大学への影響は大きい。ボーナスカットの一方的な強行は許されず、
組合側を全面的に支援していく」としている。