国民投票法整備 協議が本格化へ 「東京新聞」(2005.12.4)

 

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20051203/mng_____sei_____001.shtml 

 

 

国民投票法整備 協議が本格化へ

 憲法改正手続きを定める国民投票法整備に向けた自民、民主両党の動きが活発化してきた。自民党は、昨年まとめた法案骨子にあるメディア規制を大幅に緩和する案で各党との調整を近く始める。一方、民主党は憲法改正問題以外の重要な国政課題での国民投票についても規定した法案大綱を基に、自民党との交渉に臨む。来年の通常国会での共同提案を念頭に、今後駆け引きが本格化する。 

■自民 メディア規制、新聞対象外

 自民党は二日、国民投票法案の「メディア規制条項」について、新聞などへの規制を撤廃し、放送事業者のみを対象とする方向で民主、公明両党と調整する方針を固めた。党幹部が明らかにした。

 自民、公明両党は昨年十二月にまとめた法案骨子で、新聞、雑誌、放送事業者を対象に「虚偽、事実をゆがめ、国民投票の公正を害する報道」を禁止。これに対し民主党は、報道の自由の保障を主張、最大の検討事項となっていた。公明、民主両党との共同提案を目指す自民党は、譲歩を決断。欧州では、テレビなどの放送事業者を規制する国が多いことに着目し、テレビ報道について、選挙の数週間前から一定の制限を設ける案で民主党と交渉することにした。

 ただ、この案に放送事業者が反発するのは確実で、調整の難航は避けられない。

■民主 改憲手続き以外にも拡大

 民主党は二日、国民投票法案の制定に関し、対象を改憲手続きに限定せず、国政の重要課題にも拡大する方針を決めた。地方自治体の住民投票条例を国レベルで制度化するもので、与党側に実現を求める考えだ。

 民主党は先の「次の内閣」で、こうした内容を盛り込んだ「憲法改正および国政問題にかかわる国民投票法案大綱」の素案を了承した。それによると、国民投票にかける改憲以外のテーマは、「国会の議決」で決める。具体的には、「皇室制度など国民の重大関心事」を念頭に置いている。ただ、投票結果の効力については「国やその機関を拘束しない」と限定した。

 同党は、早ければ年内に始まる国民投票法案をめぐる与野党協議で、憲法改正と一般的国民投票をセットで取り扱うべきだと主張していく方針だ。