民主党の悲惨 「森田実政治日誌」(2005.12.13)

 

http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C02328.HTML

 

 

民主党の悲惨
野党第一党の民主党を崩壊させた前原代表と松下政経塾出身議員の罪と罰/新たな真の野党づくりを真剣に考えなければならない

「世の中に何が卑しいと云って、人の為め人の為めと云いつつ、自分の欲を掻く位卑しい事はあるまい」(伊藤左千夫)



 前原民主党代表は、ワシントンまで行って、自らネオコン政治家であることを米国の政治指導者に見せつけ、米国にゴマをすったが、その結果、民主党は崩壊状態に陥った。前原氏を党代表に選んだことは民主党にとって致命的失敗だったことが明らかになった。
 自民・公明連立政権側は、かなり早くから小泉大政翼賛体制成立のためには、民主党代表に前原氏が就任する必要があると考えていた。小泉構造改革の参謀的立場の元官僚は「前原君はわれわれの同志だ。前原君を民主党代表にしたい。そのとき自民・公明・民主の大連合政府ができる」と公然と言っていた。私はこの種の話を何回も聞いた。
 さらにその参謀氏はこうも言った。
 「われわれには民主党内に強い味方がいる。松下政経塾出身者のほとんどが小泉構造改革支持派だ」
 最近、民主党元幹部と話す機会があった。彼は言った。
 「民主党が前原ら松下政経塾出身者に乗っ取られた。これで民主党は小泉首相の手先にされてしまった。小泉首相が語った前原民主党との大連立の話は事実だ。前原は99.99%ないと言ったが、100%ないとは言っていない。完全に否定するなら99.99%などという中途半端な言い方はしない。やはり、大連立の可能性は残っている。前原は安倍官房長官と親しい。松下政経塾出身者はいろいろなパイプで自民党・公明党とつながっている。前原と松下政経塾グループは、野党第一党を崩壊させてしまうため、勝負に出る。うかうかしていると民主党全体が、自公連立に組み入れられてしまう」
 前原体制になってから民主党の地方組織は崩壊状態になっている。各地の民主党地方組織は「中央本部から資金がこなくなった」との声をよく聞く。地方軽視だとすれば由々しきことである。
 いま民主党全体が無気力であり、前原批判に起ち上がるパワーがなくなっていることは事実だ。皆が、長いものに巻かれろになってしまったら、そんな集団は無用の長物だ。野党はなくなる。
 心ある政治家は、年末にかけて、新党結成を考えるべきである。少数でもよい。5名以上の国会議員で新党結成に踏み切る必要がある。

 労働組合も、「勝ち組」志向派と「恵まれざる者のために闘う」派との間の亀裂が広がっている。民間大企業労組は「勝ち組」志向派だ。それに対し、中小企業労組、地域労組、官公労は「恵まれざる」層に属する。 労働組合は「恵まれざる人々」のための組織だ。勝ち組のための労働組合は必要ない。こんなものは労働組合ではない。大企業の労務部にすぎない。
 連合も「分裂」を真剣に検討すべき時がきた。民主党の「野党派」が新党結成し、労働組合の「恵まれざる派」が新たな労働組合を結成し、真の野党勢力の総結集をはかるべきである。