都立大問題、新大学のブランドの大暴落の現状とその原因は何か?(2005.12.22)

 

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2005年12月22日

都立大問題、新大学のブランドの大暴落の現状とその原因は何か?

東京都立大学・短期大学教職員組合
 ●大学に新しい風を(第8号)2005年12月15日

新大学のブランドの大暴落の現状とその原因は何か?
――大学の再建策はどうあるべきか――

 

2005.12.15  新大学を憂える教員有志 

 

 「法人化に際しては、大学の教育研究の特性に配慮すること」、「法人化は大学と十分に協議し、双方の協働作業として進めていくこと」という'03.10.2の公立大学協会(西澤潤一会長、現学長)見解を無視し、教員・院生・学生の要望・意思を無視した都(旧大学管理本部)による法人設立と法人当局による管理運営は、大学からの教員の大量流出や事務の混乱などを招き、危機的状況にある。ところが、法人当局はこの状況の深刻さを全く理解しておらず、それらに対する対処方針や長期的戦略が欠如していると言わざるを得ない。このことは、この間の動きや法人当局からの「提案」等で明白である。
 そもそもこの危機的状況の根底には、法人当局が、学校教育法、地方独立行政法人法、労働基準法、大学教員任期制法、教育基本法、憲法など数々の諸法規を軽視して、明らかにそれらに抵触する施策を進めようとしていること、また国際標準であるユネスコの「21世紀の高等教育宣言―展望と行動」(1998年10月、注)とユネスコの「高等教育の教育職員の地位に関する勧告」(1997年11月)に反するやり方で管理運営をしてきたことに起因している。世界に前例のないこのような強引なやり方がまかり通るなら、中期的にはそれが前例となって他の公立大や国立大・私立大に悪影響を与えかねないものであり、根本的な是正が必要である。
 短期的には、4月以降に現れてきた種々の実害を取り除くこと、特に学生・院生が意欲を持って取り組める学習環境と教職員が安心して研究教育活動に専念できる職場環境を作ることが、当面の緊急の課題である。この課題に本気に取り組もうとすれば、新大学法人は、都民の財産としての50年に及ぶ都立4大学の教育研究の蓄積を継承発展させ、大学構成員が夢を持てる大学とすべく、運営のあり方を抜本的に改める立場に立つ必要がある。具体的には、大学構成員、とりわけ教員集団が、憲法・教育基本法をはじめとする関係法規に従い、学生ないし都民・国民に対して大学の教育研究サービスを提供するという直接的責務の遂行が出来るよう自由に意見を述べることが出来る権利の保障・地位の確立を求めるとともに、事態打開のために協力する必要がある。
(注):「教育および教育研究への権利は、高等教育機関での学問の自由と自治の雰囲気のなかでのみ十分に享受することができること、そして、発見や仮説および見解の自由な交流こそが、高等教育の中心に存在し、かつ学問および研究の正確さと客観性を最も強固に保障する(「ユネスコ勧告」前文)」  

…(以下,目次)…

序 大学の危機的状況

I.新大学が抱える問題点
 A.学生・院生教育上の問題点
 B.研究遂行上の問題点
 C.大学の地域貢献・学外社会に対するサービス
 D.教職員の労働条件―――問題点

II.危機の原因となっている法人の方針・施策とその問題点の分析
 1.産業に奉仕する大学への改変の発端―――東京都 産業科学技術振興指針(03年2月)
 2.大学自治権の剥奪――国際水準からかけ離れた大学
 3.都の人事の系列下に置かれた大学管理
 4.法人と大学の混同――諸々の業務運営上の混乱の原因
 5.法人が大学に介入・業務の混乱――根本的誤りを生む根拠=定款24条「業務の範囲」
 6.大学にふさわしくないピラミッド状の組織形態――理事長の絶大な権限
 7.「効率主義」、競争原理は、機能するのか?
 8.実学偏重――低い投資効率
 9.学部名称と5学部を都市教養学部と大括りした無理――都市教養学部
 10.私立大学型の財政経営方式――人文系削減は経営上の過ち
 11.教員の任期制――法人の無理解と高コスト
 12.単位バンク制――教学権の損なわれた大学は機能するのか

III.大学運営に関する当面の打開策と抜本策

 

投稿者 管理者 : 20051222 00:01