中田市長にレッドカード 横浜市従(2006.1.7)

 

http://www.siju.or.jp/topics/article/060101-181029.html

 

 

[3月26日投票 横浜市長選] 「過大な財源不足」でサービス切捨て、中田市長にレッドカード(06.01.01)

3月26日投票の横浜市長選挙は29代目の市長を選ぶ選挙です。そして中田「行革」でボロボロになった横浜市民の生活を取り返す選挙です。憲法25条は「すべての国民は健康で文化的な生活を営む権利を有する」と生存権を保障しています。自治体の仕事は、市民のいのちと健康、生活を保障することです。住民は貧富の差に関係なく、平等にサービスを受ける権利があります。この4年間の中田市長の「実績」を検証します。

● 福祉・くらし

 中田市長は「民間でできることは民間で」と保育園・病院・給食・大学・家庭ゴミ収集などの民営化・民間委託をすすめてきました。また、「国・他都市を上回る補助等を見直す」といって、各種減免措置の見直しなどこれまでも生活保護世帯や高齢者に対する予算を削減してきました。


  障害者タクシー利用券の助成は、65歳になると有料のバス優待券と、どちらか1つだけを選ぶ選択制になりました。精神障害者の通院治療費の補助も廃止し、窓口負担が1割に増えました。


  国保の「資格証」の発行も、5万3千世帯を超え、「日本一」です。さいたま市はゼロ、名古屋市は8件、天と地の開きがあります。高すぎる保険料がリストラや経営不振などで払えなくなり、「資格証」での受診をためらう患者さんが増えています。


  4月から突然、健康診断の胸部レントゲン検査がはずされました。高齢者に多い結核や肺がん、最近問題になっているアスベストなど、レントゲン検査が必要です。受ける場合は自費になりました。


  昨年10月から介護保険制度が改悪され、施設入所者の負担が月1万5千円から2万円増え、月10万円もの支出になっています。全国的には自治体による低所得者への助成の動きがありますが、中田市長は冷たく拒否しています。


低所得者ほど重い負担

  お金の払える人だけが十分なサービスを受けられる、どうしてこれが「社会的公正・公平」なのでしょうか。自治体の仕事は「福祉の増進」、サービスを受ける権利は納税額の多寡で決められません。必要な人に必要なサービスを提供する責務が自治体にはあります。
  市民にあたたかい、思いやりのある市長をつくりましょう。

 

● 財源・予算

 中田市長は、財源不足を強調しています。06年度250億円、今後3年間で570億円不足すると。


  ではなぜ、MM21周辺地区に200億円、環状道路に100億円もの大型開発を継続するのでしょうか。みなとみらいに誘致した日産本社に56億円を支援し、横浜駅東口から歩いて行かれるペデストリアンデッキに19億円もの税金を使うのでしょう。


  中田市長は財源不足を過大に見積もっているのです。
  「財源見通し」によると、市債の発行を毎年8%ずつ削るが施設建設費は削らない、「財政再建」の目玉「借金返済費用」を毎年1100億円、優先確保しています。その結果が「財源不足」です。ですからこれまでの決算では、「財源不足」額より多くなっています。


市民の税金は大企業へ


  中田市長は大企業や大型開発に予算を回すために、財源不足を過大に見積もり、人件費や福祉予算を削っているのです。
  市民本位の予算を作り市民の権利を保障する市長をつくりましょう。

 

● 平和・基地

 中田市長は上瀬谷・深谷など6か所の基地の返還と引き替えに、池子の米軍住宅増設を「7割の基地が返還されるのだからやむを得ない」と「容認」しています。


  神奈川は沖縄に次ぐ基地県、昨年10月の米軍再編強化の中間報告では、キャンプ座間に米陸軍第1軍団司令部が移転、さらに横須賀には原子力空母の配備計画が明らかになりました。
  米陸軍第1軍団司令部はイラクで「ファルージャ掃討作戦」などを行った危険きわまりない「殴り込み部隊」の司令部です。米軍の陸空海と海兵隊4軍すべての総括司令部となり、そのうえ、陸上自衛隊が新たに作る「中央即応集団」を設置します。


  地元の相模原市、座間市、横須賀市を初め周辺自治体でも「再編強化反対」「司令部くるな」「原子力空母はいらない」など、自治体ぐるみ、地域ぐるみの反対運動が広がっています。小川相模原市長は「戦車にひかれても反対」星野座間市長も「ミサイルを撃ち込まれても阻止」、蒲谷横須賀市長は「通常型空母を」、松沢県知事は「中間報告に反対」と表明し、長島逗子市長は裁判でたたかっています。


国の言いなり横浜だけ


  ところが横浜の中田市長だけが「池子住宅増設を容認」し、「国の権限だから」と原子力空母の母港化に反対を表明しないのです。


  池子の森はオオタカやフクロウなど貴重な鳥類の生息地としても重要で、1度生態系が壊されたら100年以上は回復できないと言われています。「池子の森を子や孫に残したい」「治安の悪化と交通量が心配」などの理由で周辺住民の8割以上が建設に反対です。ところが中田市長はこうした地元の意見も聞かず、「はいどうぞ」と容認してしまったのです。すでに深夜の金沢八景駅には米兵の姿が見られます。住民からは治安の不安が出されています。


  最終報告は3月に出される予定、市長選挙の真っ最中です。
  「市民の安全」を第1に考え、9条の改悪に反対する市長をつくりましょう。


  市民による市民のための横浜市長をつくりましょう。

 

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「横浜市従」2006年1月1・15日 第1154号