君が代問題:斉唱不起立で処分の根津教諭、反対への思い訴え−−東広島で講演 /広島 livedoorニュース(2006.1.29)

 

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君が代問題:斉唱不起立で処分の根津教諭、反対への思い訴え−−東広島で講演 /広島

 ◇「君が代押しつけは教育といえぬ」

 入学式の君が代斉唱時に起立しなかったとして、停職1カ月の処分を受けた東京の公立中学校教諭、根津公子さん(55)が28日、東広島市鏡山1の広島大中央図書館で講演した。根津さんは「日の丸・君が代の強制には歴史的に考えて反対なだけでなく、一方的に生徒を従わせることは教育とはいえず、教師として許せない」と話した。

 講演会は、同大の学生で作る実行委員会が開いた。根津さんは不起立や家庭科の授業で従軍慰安婦問題を取り上げたことなどを理由に、94年以降、都教委から7回の処分を受けている。

 根津さんによると、石原慎太郎知事の就任後、状況は厳しさを増したという。教科書にないことを教えたり、学習指導要領外の教材を使用しただけで、都教委に呼び出されるようになった。根津さんは「日の丸・君が代の問題は、現在の閉塞的な学校教育の象徴」と考えている。

 昨年の卒業式前、根津さんは生徒に日の丸・君が代の歴史を話し、なぜ起立しないかを説明した。だが、このままでは免職になるとの不安を感じ、卒業式の君が代斉唱時には途中まで起立していた。生徒たちの視線は厳しく、それが忘れられない。「クビになっても、生徒を裏切れない」と思い、翌月の入学式では起立せず、停職となった。

 停職中は毎日、校門前で座り込みを続けた。最近は小学校の授業で君が代を教えるため、歌うのが当然と考える中学生が増えているらしい。起立するのかしないのか、考えるきっかけにしてほしかったという。

 根津さんは「今の学校は、自由に議論できる状況にない。今後も生徒や若い教師に思いを伝えていきたい」と話した。【田中博子】

2006年01月29日12時25分