当局回答:《准教授から教授への昇格・昇任者には任期制を承認させる》 横浜市立大学教員組合定期総会報告 永岑三千輝氏『大学改革日誌』(2006.2.3)

 

http://eba-www.yokohama-cu.ac.jp/~kogiseminagamine/SaishinNisshi.htm

 

 

23日 昨日の夕方、教員組合定期総会があった。出席者・委任状を含めると組合員の9割くらいが定期総会の議題に関心を持ちまた、総会の結論に賛成したことになる。任期制・年俸制問題、研究教育条件の問題など、難問が山積しており、多くの教員が切実な関心を持ち、組合に期待し手いることが伺われる。まさにその教員組合の存在意義・力量に直接関わるような回答が、当局側からあったようである。

正式の内容はいずれ組合ニュースなどで知らされるだろう。しかし私の理解したかぎりでは、「准教授から教授への昇格・昇任者には任期制を承認させる(任期制同意者のみを昇任させる)」との回答だったようである。これは繰り返し教員組合が、「やらないように」と求めてきたことであったことは、ウィークリーなどから明らかだが、その根幹的な要求を否定した内容のようである。

私の考えでは、これは、大学教員任期法が規定した限定的な研究教育活性化のための任期制ではなく、昇格者全体に任期制を適用するもので、大学教員に対する任期制の不当な適用であろう。組合執行部は顧問弁護士とも相談しながら、法的措置も含めて本格的に検討を開始するということで、今回の団体交渉における当局側答弁によって、まさに教員組合の存在意義と力量、全大教など全国教員組織の力量とが問われる事態となったように感じられる。

法律に基づいた大学教員の任期制のきちんとした制度設計がないままに、制度の昇任だけを迫る(「承諾しなければ昇任なし」というのは最大の強制である)、内容の分からない不透明な制度に同意しなければ昇任させないというのは、これは不当なことではないか?重大な不利益措置、不当労働行為ではないか?

これは一般的な公序良俗にさえも反し、憲法の諸規定に反することではないか?

昇任者・昇格者という弱い立場の人間を差別し、各個撃破しようとするものではないか?

こんなことが通用するのか?労働基準局はどう反応するのか?

任期制導入の本来の趣旨、任期制適用の精神である大学の研究教育の活性化とどのように結び付くのか、経営側の説明責任が問われる。

「上から」任命された学部長の下では、「権限なし」、「審議権なし」などと教授会は開催されないとしても、代議員会は憲法や学校教育法で規定された教授会の権限を行使するために、きちんと議論すべきではないか?

他方また、昨日の時点では、昇格基準に関しては明文規定(公明・公開の規定)が示されないままに、候補者をコース長が選ぶ、という。いつの時点で基準が公開されるのか、その基準の適用をコース長だけが行うとすればどのような問題が発生するのか、大変な問題になりそうである。