「意見広告の会」ニュース328 (1)「つくる会」の混乱、(2)都立大学の状況(2006.3.2)

 

 

「意見広告の会」ニュース328

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** 目次 **
1 「つくる会」の混乱
1−1 「つくる会」会長が辞任 「指導力欠き引責」
      「東京新聞」3月1日
1−2 八木会長「解任」。新会長に種子島理事を選任。 
      「つくる会」WEBニュース 平成182006)年228日(火)   
1−3 子どもと教科書全国ネット21 発信ニュース
           
2月28日
1−4 更なる「混乱」
      3月1日
2 都立大学の状況
      教職員組合「手から手へ」より 
2−1 「手から手へ」 2397号
      「意向確認書」の提出強要に抗議する!
2−2 「手から手へ」 2398号
      職員系執行委員全員に戒告処分!
2−3 「手から手へ」 2400号
      理事長・学長メッセージに対する教職員組合中央執行委員会の見解


***
1 「つくる会」の混乱

1−1 「つくる会」会長が辞任 「指導力欠き引責」
      「東京新聞」3月1日

 新しい歴史教科書をつくる会は二十八日、二十七日の理事会で、八木秀次会長(42
)と藤岡信勝副会長(62)の辞任を決定したことを明らかにした。新会長には種子島
経理事(70)が就任した。
 同会は八木会長の辞任について「事務局長の退任人事などをめぐり、運営に指導力を
欠いた」と説明。藤岡副会長については「執行部の一員としての責任」としている。


1−2 八木会長「解任」。新会長に種子島理事を選任。 禁転載
      「つくる会」WEBニュース 平成182006)年228日(火)   
      http://www.tsukurukai.com/01_top_news/file_news/news_060228.html

  227日、「新しい歴史教科書をつくる会」は理事会を開き、八木秀次会長を解任す
る動議が提出され、出席理事の挙手投票により賛成6、反対5の票決で、八木会長の「
解任」が決定された。新しい会長には、種子島経(おさむ)理事(71)が選任された。

 種子島理事は昭和10年、福岡市生まれ、東大卒。川崎重工業を経て、BMW東京社長
やBMWジャパン特別顧問を歴任。西尾幹二初代会長とは大学の同期であり、平成11
につくる会理事に就任。13年に副会長、昨年から再び理事に就任していた。

  産経新聞の報道では、理事会が八木会長らの「辞任を承認」、八木会長は「辞任を
迫られた」とあるが、正しくは「解任」。解任理由は、理事会の了承を得ずに昨年12
に中国に旅行し、現地の知識人と歴史問題などについて論争したことだという。票決数
は、八木会長の解任に賛成したのが6票。解任反対が5票。棄権が3票だった。

 
八木会長は「つくる会幹部の外国訪問はこれまでも前例があり、私が昨年9月に韓国
を訪れ、文章を今回と同じオピニオン誌に発表したが何の問題にもなっていない。もち
ろん韓国旅行も理事会での承認は得ておらず、前回の理事会(116日)でも中国訪問
は何ら話題になっていない。前例に反した事柄が急に解任理由として問題化され、納得
がいかない。とくに年長者とは話が合わず残念だ」などと話している。

 
八木会長の解任に賛成したのは、種子島・九里幾久雄・高池勝彦・田久保忠衛・福地
惇・吉永潤の6理事。解任に反対したのは、八木・内田智・勝岡寛次・新田均・松浦光
修の5理事。棄権が、遠藤浩一・高森明勅・福田逸の3理事。(藤岡信勝副会長は議長
のため投票せず)

  
欠席理事が出した「委任状」の扱いについては、伊藤隆理事が「八木秀次氏」あて
、中西輝政理事が「八木秀次会長」あて、工藤美代子理事は藤岡副会長に委任状を託し
た。だが、委任状は「何の効果もない」などの理由でカウントされなかった。

  
理事会は、まず藤岡副会長が議長に立候補し、同じく八木会長も議長に立候補。議
長を選ぶための「仮議長」に承認された田久保理事の司会のもと、8対6の票決で藤岡
副会長が議長に選出された。続いて宮崎正治事務局長の「解任動議」が出され、挙手投
票により賛成8、反対6で票決、続けて八木会長、藤岡副会長の「解任動議」も投票に
より決定された。この理事会により執行部(会長・副会長・事務局長)はすべて「解任
」された形となった。
           
 
 
藤岡副会長の解任賛成は7票、反対は4票、棄権が3票だった。解任理由は明確でな
い。種子島理事は田久保理事より会長に推挙され、賛成多数で承認された。


1−3 子どもと教科書全国ネット21 発信ニュース
           
2月28日

 
昨27日に「つくる会」の理事会があり、そこで、八木会長、宮崎事務局長、藤岡副
会長が辞任しました。
遠藤浩一、工藤美代子、福田逸副会長は、すでに西尾氏と一緒に辞任していますので、
昨年9月の総会で確認された、名誉会長、会長、副会長、事務局長の全員が辞任したわ
けです。
 
会長の後任には種子島経理事(元副会長)が就任し、副会長、事務局長は不在で「近
日中に選ぶ」と言っています。
種子島新会長が報道機関に送ったFAXによれば、各人の辞任の理由は次のようになっ
ています。

 
宮崎事務局長は、昨年9月に「退任人事が進められましたが、当人の同意を得ること
ができませんでした。」
 
この宮崎の退任について、1月16日の理事会でも「意見集約ができず、その結果、
」西尾名誉会長、遠藤・工藤・福田・藤岡副会長が、「辞任、または辞任の意思を表明
」。藤岡氏は、「関係者の説得により副会長に留まりました」ということです。

そして、昨日(27日)の理事会で、「まず、宮崎事務局長について、事務局長として
の資質と会の運営を混乱させた責任を問い、退職を決めました。次いで、八木会長につ
いては、この間の会運営について指導力を欠き、事態を混乱させた責任が問われ、辞任
が決定しました。また、八木会長は、昨年12月、事務局員数名と中国を訪問し、知識
人と歴史認識について討論しましたが、その旅行についての軽率さが批判されました。
藤岡副会長については、執行部の一員としての責任を問う形で辞任が求められました。

 
ということです。

 
つまり、1月16日の「つくる会」理事会で内紛が起こっているという情報を前にお
知らせしましたが、それがさらに拡大して、関係者全員を辞任させなければ収拾がつか
なくなったものと思われます。
 
種子島新会長は、「このような不祥事が起きたことは誠に遺憾であり、 関係者に深く
お詫び申し上げる」「ゼロ・ベースからの会再建を目指す」と言っていますが、これで
「つくる会」運動が大混乱して、大きく後退し、場合によっては瓦解する可能性もでて
きました。

このようなことになった背景は、昨年の採択で、「10%以上は確実にとれる」といっ
ていたのに、「惨敗」(八木会長)したことについて、責任問題が追及され、責任のな
すり合いが内紛(指導権争い)になったものと思われます。もう一つ、おそらく会の財
政ついて不明瞭な使途があり、それも絡んでいるのではないかと思われます。

16日に「子ども・教科書ネット」に送られてきたFAXでは、宮崎事務局長のが「会
に財政的損害を生じさせた(詳細不明)として」、西尾・藤岡氏が宮崎氏を解任しよう
としているが、八木氏が宮崎氏をかばって争っている、とありました。

 
さて、これで扶桑社版の歴史教科書(藤岡氏)と公民教科書(八木氏)の代表著者が
辞任したわけです。そのような無責任な「つくる会」の教科書を採択した、東京都、滋
賀県、愛媛県、大田原市、杉並区の教育委員会の責任問題が発生しかねません。
それぞれの地域で、こんな教科書を使っていいのか、大宣伝を開始して、教育委員会の
責任を追求する運動を早急に起すよう、呼びかけます。


 
子どもと教科書全国ネット21
 Children and Textbooks Japan Network21(CTJN21)
 E-mail kyokashonet@a.email.ne.jp
 HP http://www.ne.jp/asahi/kyokasho/net21/


1−4 更なる「混乱」か 禁転載
*1−2で掲載したHPは参照できなくなっているようです。
 更に次のような「ニュース」が掲載されました。(「会」事務局)
                  http://www.tsukurukai.com/fax-news/fax-news165.pdf

 「FAX通信第165号」の全文取り消しについて
         平成18年3月1日
         新しい歴史教科書をつくる会会長  種子島 経

 昨日2月28日午後6時ころから〈八木会長「解任」。新会長に種子島理事を選任。
〉というタイトルのついた「つくる会FAX通信第165号」と称する文書が送信され
ました。
 これは種子島会長が昨日午後4時に発信を指示したFAX通信の内容をさしかえた者
が流したもので、全文を取り消します。種子島会長が指示した本来の文書を以下に掲載
します。これを本来のFAX通信第165号としてお取り扱い下さい。

新しい歴史教科書をつくる会の人事についてのお知らせ
         平成18年3月1日
         新しい歴史教科書をつくる会会長  種子島 経

 新しい歴史教科書をつくる会は、2月27日に理事会を開き、八木秀次会長、藤岡信
勝副会長が理事会の決定に基づきそれぞれ辞任しました。また、宮崎正治事務局長は、
2月末日をもって退職することが決定しました。
 新しい会長に種子島経を選出し、副会長と事務局長は近日中に選ぶこととしました。
これら一連の人事について、若干の背景説明をさせていただきます。
 当会では、昨年9月に、宮島事務局長の退任人事が進められましたが、当人の同意を
得ることができませんでした。
 去る1月16日に開催された理事会でも意見集約ができず、その結果、西尾幹二名誉
会長と、遠藤浩一、工藤美代子、福田逸、藤岡信勝の四人の副会長が一斉に辞任、また
は辞任の意思を表明しました。そのうち藤岡副会長は関係者の説得により副会長に留ま
りました。
 その後、解決に向けて執行部内で努力が続けられましたが、2月27日の理事会では
、まず、宮崎事務局長について、事務局長としての資質と会の運営を混乱させた責任を
問い、退職を決めました。ついで、八木会長については、この間の会運営について指導
力を欠き、事務を混乱させた責任が問われ、辞任が決定しました。また、八木会長は、
昨年12月、事務局員数名と中国を訪問し、知識人と歴史認識について討論しましたが
、その旅行についての軽率さが批判されました。藤岡副会長については、執行部の一員
としての責任を問う形で辞任が求められました。
 ここまでの決定により、昨年9月の総会で選出・紹介された執行部は全員姿を消す形
となり、新たに種子島理事・元副会長を選任し会の再建に当たらせることになりました

 会員の善意と浄財で成り立つ当会で、このような不祥事が起きたことは誠に遺憾であ
り、関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。もとより力不足ではありますが、ゼロ・
ベースからの再建を目指し、より広く会員の声を反映させるシステムを取り入れるなど
、会の前進のために取り組んで参る所存ですので、皆様方のご支援とお力添えをお願い
申し上げます。


2 都立大学の状況
      教職員組合「手から手へ」より 場合により初めの部分のみ掲載
      http://www5.ocn.ne.jp/~union-mu/
2−1 2397号
「意向確認書」の提出強要に抗議する!
「意向確認書」の締切りを簡単に延期できるならば、
当局は組合との協議、教員への説明に十分な時間をとるべきであった。
「意向確認書」不提出者は、任期制不同意とみなせばよいはず。          
 

2006
214日  東京都立大学・短期大学教職員組合中央執行委員会     
 
************************************

 昨日213日付けのメールで「教員各位」に対して、総務部総務課長、人事担当課長
名による「『任期制適用に関する意向確認書』をご提出下さい」という文書が送られて
います。
 この文書は、任期制を選択できるのは原則として今回限りであり、新規採用者・昇任
者を除き今回任期制を選択しても、次年度に「任期なし」に戻ることができることを強
調し、「旧制度」選択者に「任期制適用に関する意向確認書」の提出を促すものになっ
ています。


2−2 2398号
職員系執行委員全員に戒告処分!
2005
年度賃金確定闘争を理由とする職員系役員に対する
不当処分に抗議し、撤回を要求する!

2006
215日 東京都立大学・短期大学教職員組合中央執行委員会

********************************
 都当局は、215日、2005年度における対都賃金闘争などを理由として、都労連と傘
下組合の役員等204名に対して、停職8日を最高とする不当処分を強行した。東京都立
大学・短期大学教職員組合に対しては、小林書記長、青木財政部長、後藤執行委員の3
名が戒告処分となった。これらの処分は、都労連と東京都立大学・短期大学教職員組合
の正当な組合活動に対しての、一方的な、不当で理不尽な処分であり、断じて認められ
ない。


2−3 2400号
理事長・学長メッセージに対する               
教職員組合中央執行委員会の見解

2006年2月24日
                 東京都立大学・短期大学教職員組合中央執行委員


 2月23日夕刻、理事長による「教員の皆さんへ」及び学長による「本学教員の皆さ
ん」という文書が、各教員に配送された。両メッセージとも今回の意向確認結果につい
ての当局としてのコメント、評価を含むものとなっており、理事長メッセージでは、一
部の学部・系で任期制選択者が低率に止まったことを「残念」としている。
 組合は、昨年11月30日における法人の提案する人事給与制度に対する基本的了解
、本年1月における昇任問題に対する法人の回答への部分的合意を行った。両者とも多
くの部分で今後の交渉課題を残しているものの、基本的枠組について承認し、これに基
づいてこのほど法人による教員に対する意向確認が行われた。
 昨年度、大学管理本部が作成した「旧制度」、「新制度」といわれる人事給与制度は
、内容があまりにも杜撰であり、かつ教員に対する強権的な押しつけがなされたために
、教職員組合は制度選択を拒否するように教員に呼びかけ、かつ新しい合理的制度を設
計するべきであると法人に訴えてきた。このほどまとまった人事給与制度は、「旧制度
」、「新制度」というまったく異なる体系が2本並立するという異常な状態を基本的に
解消するものであり、昇給幅なども一定の合理性をもつものであった。そのため教職員
組合は、昨年度来の人事給与制度の混乱を収拾するため基本的合意を行い、今回の制度
選択に至ったのである。
 その結果、3分の2程度が任期制適用となったという。これは制度選択の余地のない
新規採用教員をも含む数字であり、かつ理事長の言によると部局によっては任期制選択
が低率にとどまるという「残念」な結果となったとのことである。しかしこうした結果
は「全員任期制」という、大学の教育研究の実態をふまえない方針に対する、拒否の回
答なのである。むしろ法人はこの結果を真摯に受け止め、理事長・学長も含めて大学の
教育研究の実態をリアルに把握する姿勢をもち、真に大学の活性化につながる合理的な
人事給与制度を構築することを強く要望する。
 また部局によって選択のばらつきがあるからといって、もし任期制を選択しなかった
教員が多い部局や、そうした教員個人に対する差別的取扱を行うならば、労使合意を根
底から覆すことになり、大学は再び大混乱に陥る可能性がある。教員一人一人の主体的
選択を尊重し、いささかも差別的取扱を行わないように要望する。あわせて理事長・学
長が、「学長室の扉を常に開」きつつ、大学の現状の問題点の克服と活性化の方策を、
具体的に構想することに専心されるよう願うものである。