米軍基地の再編・強化に反対する神奈川の大学人、わたしたちの声明(2006.3.11)

 

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2006年03月11日

米軍基地の再編・強化に反対する神奈川の大学人、わたしたちの声明

米軍基地の再編・強化に反対する神奈川の大学人

わたしたちの声明

 

神奈川における在日米軍基地の再編・強化に反対する



 沖縄に次いで多くの米軍基地をかかえる神奈川で、米軍再編に伴う陸軍第一軍団指令部座間移転や相模補給厰の再編強化、横須賀への原子力空母母港化に対して、地元の住民や自治体の反発が強まっています。

 ふり返れば、神奈川の米軍基地は、戦後を通じて県民に多くの犠牲を強いてきました。この年明けには横須賀で米兵による殺人事件が起りました。厚木基地の爆音問題に対しては、40年余にわたって地元住民が反対運動を続けてきています。1976年横浜市緑区の住宅地への米軍機墜落で、住民親子が犠牲になった事件も記憶に残っています。池子の米軍住宅建設は、横浜市に残された貴重な自然保護の問題もかかわる新たな問題として周辺住民が反対の声を上げています。

 全国的にも、沖縄普天間基地の辺野古移設や岩国への空母艦載機移転に、それぞれの地元で幅広い反対運動が繰り広げられています。その他の米軍再編に関わる全国の自治体でも、基地の再編強化に反対する動きが広がっています。

 今、米軍の再編成に応じて基地の増強に協力することになれば、私たちの生活と安全はもっと重大な脅威にさらされることになるでしょう。

 これに対して小泉政権は、この3月に日米安保委員会の最終報告をまとめ米軍再編強化に即応しようとし、辺野古に対しては特別措置法で強引に移設を図ろうとしています。

 政府は、全国に広がる地元住民の反対の声に耳を傾けるべきです。また、日本自体が世界第2位級の戦力を持つ軍事大国となっていることには口を閉ざし、中国脅威論をあおり立てる一方で、アメリカに追随し9条改憲で自衛隊海外戦闘行為参加の道を開くことは、東北アジアの平和と安全にとって大変危険な選択です。

 問題を武力によって解決するやり方に反対し、なによりも、市民の交流と外交を通じた相互理解に基づく平和的な手段によって、中国や近隣アジア諸国・地域との友好関係を築いていくことが求められています。

 県民のみなさん。地元住民を無視した基地の強化・恒久化につながる米軍再編とこれに追随する小泉政権に対し、反対の意思を示しましょう。既に、地元住民と自治体は反対の声をあげ、行動に立ち上がっています。この問題は、基地に隣接する自治体や地域だけの問題ではありません。県民全体の安全と生命に関わる問題です。

 私たちは、地元住民と自治体の運動に連帯し、再び戦争への道を開く憲法改悪に反対し、県民の安全と生活を脅かす米軍基地を神奈川と日本から無くすために、広範な県民が連帯して声を上げ、立ち上がるよう訴えます。

2006年2月17日

<呼びかけ人(50音順)>:
伊豆利彦(横浜市立大学名誉教授)、伊藤成彦(中央大学名誉教授)、今井清一(横浜市立大学名誉教授)、上野正(東京大学名誉教授)、岡眞人(横浜市立大学教授)、奥村皓一(関東学院大学教授)、木村英亮(横浜国立大学名誉教授)、久保新一(関東学院大学教授)、小林直樹(東京大学名誉教授)、桜井由躬雄(東京大学教授)、佐藤司(神奈川大学名誉教授)、清水嘉治(神奈川大学名誉教授)、下山房雄(九州大学名誉教授、横浜国立大学元教授)、首藤信彦(東海大学教授)、関田寛雄(青山学院大学名誉教授)、田代洋一(横浜国立大学教授)、田畑光永(神奈川大学教授)、土井日出夫(横浜国立大学教授)、中西治(創価大学教授)、中西新太郎(横浜市立大学教授)、永岑三千輝(横浜市立大学教授)、鳴海正泰(関東学院大学名誉教授)、西山暁義(共立女子大学講師)、服部学(立教大学名誉教授)、林博史(関東学院大学教授)、原沢進(立教大学名誉教授)、藤田秀雄(立正大学名誉教授)、安田八十五(関東学院大学教授)、矢吹晋(横浜市立大学名誉教授)、山根徹也(横浜市立大学助教授)

大学改革日誌(永岑三千輝氏)−最新日誌より

3月10日(1) 「米軍基地の再編・強化に反対する神奈川の大学人」のHPが立ち上がったとのお知らせをいただいた。大学人の基地再編強化反対声明(訴え・呼びかけ)に加わったものとして、現在の情報発信の最先端の手段で、神奈川県の人々、日本の人々、心ある人々に訴える機会が増えるとすれば、まことに喜ばしい。「理性の府」大学とその担い手は、理性に訴える手段で、広く地域から日本中の人々の平和的連帯(平和の連帯)を強靭化していく必要があろう。上記HPを通じて、賛同者、参加者が増えることが期待される。

かつて、中曽根首相が「日本を不沈空母にする」とレーガンに語って顰蹙を買ったが、まさにその後の日本は、「普通の国へ」といいながら、その実、「不沈空母化」の道を進んでいるのではないか? 今朝の朝日新聞に新潟県加茂市長(元防衛庁の役人)が、イラク派兵を憲法違反としていたが、まさに、憲法違反の海外派兵までやるのが現在の日本政府である。どこまで従属が進められるのか?沖縄返還時の密約が米側公文書や当時の外務官僚の証言で暴かれても、しらを切りとおすのが、現在の政府である。

アメリカ陸軍の司令部が日本におかれる事態は、まさに日本の完全な対米従属そのものであり、アメリカ合衆国のために日本をさらに根本的な意味で「不沈空母」にしようとするものではあるまいか?

これはまさに、日本国憲法と相容れない。憲法を活かし、再活性化し、アジアと世界における平和を再構築するためには、こうしたアメリカ陸軍司令部の県内移転などにはきちんと反対すべきだろう。憲法が保障する「大学の自治」の国民的世界的普遍的権利を守り、再活性化することと、アジアと世界の平和的発展のベクトルを強化していくこととは、密接に関連しているといえよう。

いつか小泉首相が「現在の自衛隊の戦力その他の実情と憲法とは整合しない」旨の発言を行い、憲法改正を推進する発言をした。つまり、憲法違反の現状を肯定するための憲法改正と目指している、ということである。

憲法を守り、再活性化する見地からすれば、憲法違反の現状を憲法規範の枠内に是正するために政府の行動を縛る、ということであろう。

 

投稿者 管理者 : 20060311 00:00