米軍再編と岩国住民投票の劇的結果  保坂展人のどこどこ日記(2006.3.13)

 

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米軍再編と岩国住民投票の劇的結果  

ニュース / 2006年03月13日

予想外の9割反対の民意を示した岩国市の住民投票に政府・与党は難色を示している。そもそも、住民投票そのものに反対してきた人たちはボイコットを呼びかけており、投票率が5割を超えるかどうかが第一関門だった。58・68%でこのハードルはクリアし、87・42%の市民が反対票を投じた。住民投票の有資格者に対する比率も51・30%で過半数を超えた。一方で賛成票を投じた人は10・80%に過ぎずボイコット組と合わせても少数だった。

そもそも安全保障に関する事柄を住民投票にかけること自体がおかしいと、昨年の郵政解散で「世論の審判」を仰いだ政府・与党が批判している。だとしたら、外務省・防衛庁とアメリカ軍との米軍再編に関わる日米協議だけで全てを決定し、関係自治体には理解を求める必要もないということになる。事実、昨年この問題で額賀防衛庁長官に抗議に行った際に、「地元自治体には中間報告の内容を理解してもらうだけで、異議申し立てを受けて米側と再協議することはないのか」と問うと、あくまで説明・説得に行くスタンスだと繰り返した。

イギリスが香港を支配したのも100年だった。アメリカは、1945年からすでに60年にわたって沖縄をはじめ全国各地に基地を置いている。政府や外務省の話を聞いていると、あと50年も100年も思いやり予算もある日本における基地は恒久化するかのようだ。住民の意思表示を止める手段は今はない。しかし、自民党は新憲法草案でかつての名護市民投票や岩国住民投票のような「米軍基地と安全保障」に関わるテーマでの民意の発露を制約しようとするだろう。

小泉政権にとって民意とは、昨年の夏には「国民の意志が主人公」と持ち上げ、今回の結果には「政策に変化はない」と切り捨てる政権にとっての御都合主義で解釈するものにすぎない。しかし、世論と民意という「砂上の楼閣」に乗って空中遊泳をしてきた小泉政権が民意を切り捨てる時、「メール騒動」の逆流はふたたび反転しだすだろう。アメリカ国内ではBSE感染牛が見つかっている。これも中川農水大臣のコメントだが「アメリカ国内の問題なので米国産牛肉輸入問題に直接関係ない」と聞くと唖然とさせられる。

明日は、文部科学委員会と法務委員会で質疑に立つ。