「意見広告の会」ニュース336 (1)石原知事「フランス語発言裁判」、(2)都立戸山高校卒業式での校長の暴走(2006.3.28)

 

 

「意見広告の会」ニュース336

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** 目次 **
1 石原知事「フランス語発言裁判」
1−1 仏文の菅野氏が意見陳述について
      たまらん 3月26日 
1−2 第4回意見陳述
      石原都知事フランス語発言に抗議する会
2 都立戸山高校卒業式での校長の暴走 
     *特集 東京都の「教育方針」特集(続き)
     「自由の風ネットワーク」より 
     http://comcom.jca.apc.org/freedom/
2−1 戸山高校の卒業式で信じられない暴挙が 
      3/8 一保護者
2−2 保護者撮影卒業式ビデオ、校長がテープ保管 都立戸山高
      朝日新聞 3/9
2−3 都教委からの回答
      3/11
2−4 戸山高校卒業式のビデオ事件の結末 
      3/15


***
1−1 仏文の菅野氏が意見陳述について
      たまらん 3月26日 
     http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~hatsumi/index2.html

24
日に開かれた「フランス語発言裁判」第4回口頭弁論で、仏文の菅野氏が意見陳述を
しました。詳しくは下記サイトをご覧ください。
 この裁判を扱われている弁護士によりますと、〈ドイツ語の履修者2、フランス語0
〉などといった一連の石原知事らの虚偽発言は、名誉毀損として充分に成立するようで
す。
 当時、私たちにはこれを訴訟の場に持ち込むという発想が稀薄だったことは、反省し
ておくべき点です。
 ただ、消極的には、当時から独文学専攻内ではとてもそのようなことを主張できる状
態にはありませんでしたし(必要であるなら具体的な詳細を挙げます)、また積極的に
は、「開かれた大学改革を求める会」などにおける行動が、〈教員の身分保障〉ではな
く〈学生の教育保障〉に重点が置かれていた以上、そこまで力量がついていけなかった
、というのが自己弁護的な実情説明になります。即座に訴訟に持ち込んでいたなら、と
いうのは後知恵にすぎないことです。
 とはいえ、〈名誉毀損〉そのものはドイツ語およびドイツ文学を学んでいる《2名》
をはるかに上回っている学生に対してもなされているものである以上、後者の理由はあ
まり説得力がないかもしれません。なにせ、その気さえありさえすれば、〈個人〉でい
くらでもできることではあるのですし。


1−2 第4回意見陳述
      石原都知事フランス語発言に抗議する会
      http://www7a.biglobe.ne.jp/~mcpmt/ikenchinjutsu.html#04
 
4回意見陳述 2006324日 10:00〜 東京地方裁判所第627号法廷
                          2006324
東京地方裁判所民事第1部合議2係 御中
                陳 述 書
                           〔住所省略〕
                                 菅野 賢治

 東京都立大学人文学部助教授、菅野賢治と申します。昨年20054月に発足いたしま
した首都大学東京には「就任承諾書」というものを提出せず、東京都立大学の旧制度、
すなわち現在の2年生以上、来年度の3年生以上の学生たちだけを対象として、フラン
ス語・フランス文学、ならびにヨーロッパ一般におけるユダヤ人問題、人種差別問題、
植民地問題などを講じております。3年前には私を含めて12名おりました都立大のフ
ランス語専任教員も、その後、退職や他大学への転出により、来年度には6名というと
ころまでまで数を減らしてしまいました。2010年に設定されております旧大学の消滅時
、人員配置の完成時には、それが2名にまで押し縮められることになっております。

 私は、今回の訴訟のもととなった石原東京都知事によるフランス語侮辱発言が行われ
た、その文脈に、当時、もっとも近い立場にあった都立大仏文学専攻の一員として、第
二次訴訟の原告に加わることにいたしました。今日この場では、一昨年、200410月、
文部科学省の設置認可が下りたばかりの首都大学東京の学外サポート組織「The Tokyo
U-club
」の設立総会で行われた都知事の発言から、昨年2005713日、マリック・ベ
ルカンヌさんを代表として提訴が行われるまでのあいだ、いわば、この仏語訴訟の「前
史」について、思うところを簡単に申し上げます。

 まずは、石原東京都知事によるフランス語発言として、「数の勘定ができない」、「
国際語として失格している」という二点が争点となり、マスコミでもさかんに採り上げ
られましたが、ここで、その発言の前後をもう一度ご覧になってください。

「先般もなんかあの一部のバカ野郎が反対して文部省の科学研究費、金が出なくなった
、あんなものどうでもいいです。こういうのを反対する連中はですね、本当に==、保
守的というか退嬰的な人たちばかりですね、誰がどうなのか私は詳らかにしませんが、
いずれにしろその過程で聞きましたのは、ドイツ語の先生が十数人いて受講者が4人し
かいない、フランス語の先生が8人いて受講者がひとりもいない。私はフランス語昔や
りましたが、数勘定できない言葉ですからね、これはやっぱり国際語として失格してい
るのもむべなるかなという気がするんですが、そういうものにしがみついている手合い
がですね、結局反対のための反対して、高橋〔新大学理事長〕もいいところがあるんだ
けれども、これも親分肌で窮鳥懐に入りやがれって、わっはっはってなんでも言うこと
を聞くから最後にはそこにつけ込まれちゃって==したんですけれども、いずれにしろ
ここまでこぎつけまして、先般もちょっと具体的なことは忘れましたけれども、あれも
まあこのプロセスの中の、いわゆる反対しかできなかった連中の笑止千万なですね、な
んていうんでしょう、反逆にもならない反逆で・・・・・・」
(甲第1号証の3「20041019日に行われたthe Tokyo U-club設立総会における石原
慎太郎都東京都知事の祝辞(反訳)」、第二頁〜第三頁)

*以下略 上記HPをご覧下さい。


2 都立戸山高校卒業式での校長の暴走
2−1 戸山高校の卒業式で信じられない暴挙が 
      3/8

戸山高校の卒業式は3月4日に終わりました。
 当日は、卒業生の保護者を中心に、応援の元保護者なども加わって、校門前でのメッ
セージカード配布を行いました。

 昨年に続き、校長の佐藤徹は警察への警備を依頼した模様で、私服警察官がうろつき
、警察官らしき人間が堂々と校内に出入りするという許しがたい状況でした。

 卒業式そのものは、学校側の事前「指導」(弾圧)が徹底していたのか、昨年とは打っ
て変わった、何もない静かな卒業式だったようです。

この中で、また許しがたい事態が起こりました。

 昨年までは、会場である体育館のアリーナからの保護者によるビデオ撮影は自由でし
た。おそらく都教委もこの場所で上から監視していたものと思います。

 しかし今年はこのアリーナへの保護者の立ち入りは禁止となり、唯一PTAとして許可
された1名のみがアリーナからの撮影を許されたのですが、なんと校長はPTAの保護者
が撮影したビデオテープを学校で一定期間預かり、何も問題がなければ、学校で内容確
認後返却するとして、現実に卒業式終了直後にテープを取り上げたのです。そのテープ
は本日現在まだ返却されていません。

 昨年の卒業式のことがマスコミで取り上げられたのは、保護者の撮影したビデオをマ
スコミ関係者が見たからだろうということで、それを怖れた小心者の校長が考えた措置
のようです。

 このような行為は、憲法で禁じられた検閲であり、言論封殺そのものであるといえる
暴挙だと考えます。
都教委へは、明日朝一番に以下の質問状を出そうと思っています。
みなさんも、都教委や戸山高校佐藤徹校長に対して抗議の声をあげてください。


東京都教育委員会 御中
質 問 状

 2006年3月4日に行われた都立戸山高校の卒業式において、校長が、PTAの保護
者が撮影したビデオテープを学校で一定期間預かり、何も問題がなければ、学校で内容
確認後返却するとして、現実に卒業式終了直後にテープを取り上げました。

 このことは、憲法でも禁じられている検閲にもあたるものであり、表現の自由を侵害
する暴挙であるといえます。

 ついては、このことに対する東京都教育委員会としての立場および見解につき、以下
のとおり質問いたします。

<
質問事項>
1.
 今回の保護者撮影のビデオテープを取り上げたことは、東京都教育委員会としての
指示ないし指導に基づくものなのか。
2.
 東京都教育委員会としては、本件の校長の行った措置をどのように考えているか。

 3月11日に多数の都立高校の卒業式を控えており、これらの学校の卒業式にも重大
な影響を与える事態ですので、直ちに、遅くとも3月10日までに回答願います。


2−2 保護者撮影卒業式ビデオ、校長がテープ保管 都立戸山高
      朝日新聞 3/9

 東京都立高校の卒業式で、式の様子を保護者の代表が撮影したビデオテープについて
、「外部流出のおそれがある」として同校の校長が預かっていることが9日、分かった
。保護者からは保護者が撮ったビデオを学校側が管理していることに、反発の声もあが
っている。

 問題となったのは、4日にあった都立戸山高校(新宿区、佐藤徹校長)の卒業式。同
校などによると、会場全体を見渡せる2階からのビデオ撮影を希望する声が保護者から
あがり、佐藤校長は、撮影者を代表1人とした上で、撮影テープを学校側に一時預ける
ことを条件に許可した。保護者側もこれを了承して撮影。テープは現在、佐藤校長が管
理しているという。

 佐藤校長は「国旗・国歌など、昨今の卒業式を巡る様々な動向がある中で、外部流出
のおそれがあり、一定期間預からせてもらうことにした。会場後部の保護者席からの撮
影は自由に認めている」
と主張。その上で、「テープは返却せず、希望者が校内で視聴できるようにしたい」と
保護者側に申し出たという。内容を精査した結果、「本来、学校が管理すべき記録だっ
た。肖像権、著作権の問題もある」という。

 この事態に対し、保護者の一人が8日、都教委に対し、校長に指示をしたかどうかな
ど、見解をただす質問状を出した。この保護者は「一時預かることも問題なのに、保護
者の私物を返さないなんておかしい」と話している。
 同校の昨年の卒業式では、複数の卒業生が「東京都教育委員会のみなさんにお願いが
あります。これ以上、先生たちをいじめないでほしい」「教師を人質にとった思想統制
と私は考えます」などと訴えて話題となった。保護者によると、今年の式では、こうし
た事態は起きなかったという。

 都内の公立学校の卒業式を巡っては、都教委が国旗の掲揚、国歌の起立斉唱を各学校
に強く指導。一昨年の卒業式では教職員約200人、昨年は約50人が職務命令に従わ
なかったとして戒告などの処分を受けた。


3−3 都教委からの回答
      3/11
 本日21時55分に都教委からFAX回答を受け付けました。
 回答は以下のとおりですが、一転して返却するとのことのようです。
 返せば済むとでも思っているのか、情けない姿です。
 更なる、都教委および佐藤校長追求のアイデア・アドバイス大募集です。

宛 保護者名

教育庁指導部高等学校教育指導課


 「保護者名」様の質問に対しまして、次のとおり回答をさせていただい(ママ)きます
ので、よろしくお願いいたします。

1 戸山高校卒業式における保護者撮影のビデオテープの件について
  東京都教育委員会は、指示や指導をしておりません。
2 校長の行った措置について
  東京都教育委員会としては、コメントする立場にはないと考えます。
  なお、当該ビデオテープについては、戸山会会長に返却すると、校長から
 
 報告を受けています。


2−4 戸山高校卒業式のビデオ事件の結末 
      3/15
 ご報告が遅くなりましたが、ビデオテープは10日に返却されました。
 9日の朝日の新聞報道と抗議の声に恐れをなしたのか、校長の佐藤徹は翌朝すぐに、
撮影をした保護者のお子さんに手渡すというやり方で返却したそうです。
 全く、情けない限りです。
 これも、皆様からの抗議やマスコミ関係への情報提供のおかげだと思います。ありが
とうございました。
 今後のことにつきましては、戸山会(PTA)にて検討されることと思います。