県教育長が埼大教授に 全国初来月から 『東京新聞』埼玉(2006.3.30)

 

http://www.tokyo-np.co.jp/00/stm/20060330/lcl_____stm_____002.shtml

 

 

県教育長が埼大教授に

全国初来月から

 稲葉喜徳県教育長が三十一日付で退任し、四月から埼玉大学教育学部教授に就任する。埼玉大と県教育局は二〇〇四年に人事交流・職員研修の協定書を締結しており、協力態勢強化を象徴するものという。埼玉大によると、県教育長から大学教授に転出するのは全国初のケースという。

 昨年十月、埼玉大側が稲葉氏に教授就任を打診。教授会での審議や資格審査を経て、今年一月の教授会で了承された。学長判断で教員定員を一人増員して稲葉氏を迎える。稲葉氏は教育学部で、教育学概説などの必修科目と全学部生対象の社会、教育など教養科目を担当する。

 二十九日の記者会見で埼玉大の渋谷治美教育学部長は「埼玉大と県教育局の花形の人事交流。稲葉氏はドイツ文学に造詣が深く、見識の高さや人柄を評価した」と話した。稲葉氏は「若い人と将来に向けて話ができるのが楽しみ。これまでの経験を生かして、教育学や地方行財政を教えたい。学級崩壊やいじめなど教育現場の実態を教え、教師の育成に力を注ぐ」と抱負を語った。

 稲葉氏は教育長を務めた四年間を踏まえ「教育を子どもの自己実現支援という“目的”ではなく“手段”と考える教育観が広がっている」と憂慮。競争主義や経済優先主義が強くなったとし「落ちこぼれをつくる教育観はどうか。(ニートや引きこもりの増加とは)無縁ではない」と指摘した。 (藤原 正樹)


資料

(1)県教育長 稲葉喜徳さん asahi.com マイタウン埼玉 2003年12月22日付

http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000159999990221 

 59歳。東京都出身。東大教育学部教育行政学科卒業後、県総務部地方課を振り出しに総務部地域政策課長、労働商工部産業政策監、同次長、教育局管理部長などを歴任。昨年4月から現職。

(2)『「君が代」斉唱時起立しない教員に「処分検討」との教育長答弁に対する見解』 埼玉県高等学校教職員組合中央執行委員会 2004年7月20日号外

http://www.saikokyo.or.jp/reform/040720kenkai.pdf より

稲葉喜徳教育長は16日の県議会で、森泉義夫議員(公明)の「入学式や卒業式における国旗掲揚及び国歌斉唱について」の質問に答え 「教員が、学習指導要領に基づき、児童・生徒が国旗・国歌を、正しく認識し、これらを尊重するよう指導することは、職務上の責務であり、適切でない行動をとる教員については、市町村教育委員会の意見も聞きながら、処分も視野に入れ、検討する方向で考えていく」と答弁した。・・・

(3)■「意見広告の会」ニュース227 「埼玉教育委員」問題特集(2004.12.18)

(4)埼玉大、参事役が教壇に! (2005.10.7)

(5)埼玉大、脅かされる言論の自由(2005.10.12)

(6)埼玉大学教職員組合、『指導』事件その後 学長やっぱり空振り(2005.12.12)

(7)埼玉大学、大学おおうこの暗さ 労組が総括(2006.2.1)