横浜市立大学教員組合週報 組合ウィークリー(2007.3.7) (1)執行委員会報告、(2)新執行委員長の挨拶、(3)新書記長の挨拶、(4)新給与制度折衝の現況報告

 

 

横浜市立大学教員組合週報 組合ウィークリー(2007.3.7

 

もくじ

● 執行委員会報告

● 新執行委員長の挨拶

● 新書記長の挨拶

● 新給与制度折衝の現況報告

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● 執行委員会報告

 

2007215日(水)、選挙開票の結果を受けて、引継ぎ執行委員会が開かれました。主な議題は以下の通りです。

 

1、   執行委員選挙開票結果  (投票総数 114票)

  重田麻紀子  113票

  五木田和枝  114票

  河野 純一   113票

  永岑三千輝  112票

  塚田 秀行  113票

  松本 健吾  113票

 

2、   執行委員役割分担

委員長         永岑三千輝

副委員長        横山 晴彦

書記長          河野 純一

書記次長        石川 文也

会計担当        康  聖一

情報宣伝担当     塚田 秀行(週報「組合ウィークリー」担当)

重田麻紀子(週報「組合ウィークリー」担当)

塩尻 智之(組合ホームページ担当)

福利厚生担当     松本 健吾

給与調査担当     五木田和枝

安全衛生労働時間  小城原 新

 

3、   引継ぎ事項

当面の当局との交渉課題として、賃金、昇任人事、任期制、教員評価制度に関する問題について確認した。また、組合運営に関わる事項として、総会、代議員会の活性化や役員交代方法等の検討を行った。

 

 

● 新執行委員長の挨拶

 

 ドイツ現代史、二つの世界大戦とヨーロッパ統合の歴史を研究している永岑です。21世紀日本の進むべき道を模索し建設する素材を豊かにできればと努力しています。

 

この数年、厳しい法人化の大波にもまれながらも、組合の存在と活動のおかげで本学の教育研究の基盤が何とか維持されてきたのだと感じています。今度は、その恩返しの番となりました。

 

本学着任1年後の10年前に執行委員をやりましたので、本学では2度目の執行委員です。先月、みなさまの信任投票の結果を踏まえた執行委員会において、前執行部のご推薦により、委員長に選ばれました。

 

新しい給与制度への移行期にあたり、不明・不安なことも多いのですが、総会で決められた活動方針にしたがいがんばりたいと思います。これまでの先輩・同僚・後輩のお仕事を引き継ぎ、次の執行部に無事お渡ししたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。

 

すでにこの間、独立行政法人化対策委員として1227日には、当局の新給与制度提案の提示と説明の場に出席しました。111日および18日の補足説明を受け、組合側の本格的な検討が始まりましたが、何回かの臨時執行委員会に参加し、ウォーミング・アップもできました。そして、215日以降、新委員長として交渉に当たってまいりました。

 

留任の副委員長(新給与体制度検討担当)および書記次長の豊富な知識と精密な分析により、制度設計の難しい部分をかなり詳しく検討できました。その中で明らかになった問題点や検討課題は当局と文書確認を行い、32日、基礎的な諸条件、とくに基本給に関して労使合意に達することができました。

 

最初の関門をなんとか通過し、新執行部一同、一息ついたところです。しかし、任期制の同意・不同意を理由とする差別との闘いをはじめ課題は山積しています。

 

新しい給与体系はご承知のように基本給と職務業績給との階層的組み立てからなるものです。それは、グローバル化・市場主義化・新自由主義の荒波が独立行政法人化した公立大学の労使関係にも及んできたことを象徴するものです。これとしっかり対峙して、公平・透明で堅実な制度にしていくことが求められています。

 

現段階では、新制度は根幹である基本給と職務・業績給との概念規定・内容、相互関係・運用方法など制度設計の基本部分において不確定であり、不明確さや問題点を残すものとなっています。根本的問題点は、特に、教員評価制度のあり方と関連しています。新給与体系は、ある意味では具体的な検討がすべて今後の検討課題、したがって当局との交渉課題となっています。

 

新執行部は皆様のご意見・ご要望を受け止めながら、しっかりと議論を積み上げ、粘り強く交渉に当たりたいと考えます。執行委員が気付かないたくさんの問題点が新しい制度にはあるかと思います。全組合員から、大小に関わらず、ご質問・ご意見・ご要望をお寄せいただければと思います。交渉の積み重ねによって、みんなが安心してこれまで以上に生き生きと教育・研究・大学運営・社会貢献に励めるようにしたいものです。

 

個々の教員の多面的で総合的な力量の発揮が給与等で的確に報われるような制度を作り上げていくためには、組合(執行部と組合員)が奮闘しなければならないでしょう。そのためには、評価の前提・素材となるわれわれの総合的活動を大学内外にわかるように提示する必要があります。総合的力量の主体・売り手として、自らの仕事をできるだけ全面的に提示することは必要不可欠だと考えます。現在、私たちは仕事を可能な限り正確かつ詳細に、また多様な方法で公開していくことが求められているのではないでしょうか。

 

われわれが未解決の問題点を一つ一つ解決していくことができ、全組合員が、そして同じ大学で仕事をする全教員が諸分野の貢献を正当に評価されることになれば、したがって、意欲と充実感を持って教育・研究・大学運営・社会貢献においてみずからの力をますます発揮できるようになれば、すばらしいと思います。そのために、微力を尽くしたいと思います。

 

200733日  

 

執行委員長  永岑 三千輝

 

 

● 新書記長の挨拶

 

2月15日の執行委員会で、書記長に選ばれました。本宮前書記長のあとを引き継ぐことになります。恒例の挨拶を書かせていただくにあたり、まず、組合員の皆様に、挨拶が月が3月に変わってしばらくしてから、ようやく出るというように、遅くなったことをお詫びします。委員長挨拶、副委員長報告と、きちんとしたものが書かれていますので、私は少し、角度を変えて書かせていただこうと思います。

 

 委員長の挨拶、副委員長の報告にもありますが、2月下旬から3月初めにかけ、当局との折衝が、数日おき、そして2月最終週から3月初めは、ほぼ連日、最後は、一日に3〜4回と行なわれたため、全く時間の余裕がなく、激務であること実感しました。

 

 永岑委員長は、すでに昨年末から、当局側の新給与説明、補足説明、WGなどに数多く出ていたのですが、私は、今年度の組合の仕事を引き受けることになると予想していなかったため、他の仕事の予定を、年末から1月、2月初めにかけて多く入れていてしまっていたので、全部の席に出ることはできませんでしたが、でもそのうち何回かは同席させてもらいました。

 

とても永岑委員長のように、「ウォーミング・アップもでき」ていたとは言えません。そのような状態で、2月末からの当局との連日の厳しい折衝に臨むことになりました。これでは、まるで野球の9回裏に、突然グラウンドに登場したようだ、と思ったりしました。しかし、この9回裏の意味、そしてもし野球だとすれば、初戦なのか中間戦なのか、といったことは、理解していたつもりです。

 

 副委員長の報告にもありますが、3月2日に、主として基本給の部分について、合意にいたりました。概略については永岑委員長の挨拶によって、また、詳しい説明は、横山副委員長の報告をお読みいただけると、基本的な点はおわかりいただけると思います。

 

 昨年12月27日の当局による新給与制度の説明から約2ヶ月です。本来、もっと早く当局から制度の説明があるとされていたものです。それが年末まで説明がなかったわけですが、しかしこうした短期間で基本的な合意の成立できたのも、前執行部の努力があってこそだと思います。すでに2月には問題点がどこにあるかは明確になっていたからです。それでも、最終段階の折衝は、きわめて厳しいものでした。それを何とか乗り切ってこられたのは、拡大執行委員会の委員のサポート、さらには組合員の方々のさまざまな後押しがあったからだと思っています。

 

 申し遅れましたが、私は新しい学部では「都市文化論」という授業を担当しています。オーストリア、とくにウィーンなどを取り上げて、他都市との比較や、都市の文化のありかたについてふれることが多いのですが、ある都市を取り上げて論じるときに、その背景をどれだけ我々は理解しているのだろうか、と学生によく話します。都市の文化といっても、もちろん突然出来上がるものであるはずはなく、長い歴史の中で熟成されてきたものです。ウィーンの市井の中の伝統に注目し、小文を毎月連載しているのですが、ウィーン大学で教えていたころから書き始めているので、もう17年になります。

 

 そうした文を書き続けるうちに、都市の文化を本当に理解するためには、やはり彼らの話す言葉もわからなければいけないのではないか、と思い始め、ドイツ語のウィーン方言の研究に本格的に取りかかりました。たしか6年か7年前のことです。もちろんそれ以前もいろいろなかたちで調べてはいたのですが、外国人にとって、他言語の、しかも標準語とは大きく異なる方言は、とてもむずかしい上、本格的な文献もきわめて少なく、時間もかかりました。さらに最終段階で方言使用例をより広範に収集しようと思い、それに1年以上も費やすことになりました。こんな仕事は「プラクティカルなリベラルアーツ」ではないのでしょうね、などと冗談を言っていましたが、やっと昨年、本にまとめることができました。

 

 このような仕事をしてみると、評価が毎年行なわれたとしても、6,7年は何もやっていなかったのと同じということになります。ウィーン方言の標準語との文法上の差異などといったことを扱っているわけですから、どれ程難渋したかは、おわかりと思います。「来年にはまとめられるでしょう」などとも言えません。他の本なら、2年続けて出したこともあるのですが、それも、数年の蓄積があってできたものです。仮に目標を設定したとしても、安易な妥協の産物として「これが業績です」というのは、研究者にとって自分自身を欺くこと以外の何物でもないでしょう。そうしたことを考えると、評価制度をどのようにしていくかは、この大学が、研究者の、本当の意味での、知の生産の場でありうるのか否か、という大きな問題をはらんでいます。

 

 話を、少し戻しましょう。今回の、給与表のありかたを調べていてわかってきたことですが、法人化に伴う給与制度の基本設計と、今回の合意案とには実は開きがあります。つまり言葉を換えて言えば、当初の設計自体に無理があったのだといってもよいでしょう。同様に、大学自体の基本設計に問題がある、といってもいいと思います。その問題点は、このところ次第に顕在化しているといってもよいでしょう。また、職務業績給のありかたそのものも、われわれにとって納得できるものではなく、いったいそれがどういうものであるのか、明確にしていかなければならないと考えています。そして、教員評価制度に関する問題は、今年度の大きな課題です。当局は、3月12日から、教員評価制度の説明会を実施するとしています。これにどのように対処していくか、組合としても、真剣に取り組むつもりですので、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

 

200735日     

 

書記長 河野 純一

 

 

● 新給与制度折衝の現況報告

 

昨年1227日に当局から新給与制度案が説明されてから約2ヶ月が経過し、当局との折衝も大詰めに入った。先週は227日を除いて折衝の連続で32日(金)にその山場を迎えた。その日は午後から夜にかけて3回の折衝が行われ、最後の折衝では副理事長と局長が同席し新基本給の最終提示がなされ組合との間に合意が成立した。これに伴い18年度の凍結分の精算も決まり、残すのは主に退職手当の協議と合意文章作成・調印のみとなった。新給与制度の詳細な説明は別の機会とさせていただくとして、ここでは新給与制度に関する折衝の結果と現況について申し上げる。

 

これまでの年俸は、毎月の給料相当分(基本給に相当)と職務業績給(諸手当で構成)および年2回の賞与からなり、これに18年度凍結分の修正を行った後、新制度の基本給と職務業績給に移行される。移行においては現給保障されるが、職務業績給は将来的には教員評価の結果が反映され変動運用されることになる。組合としては、この不安定要素の大きい職務業績給の年俸に占める割合を小さくするため、上限を33号に設定された基本給(年額)の金額をできるだけアップして年俸の安定感を増大させることに大きな力を注いだ。その結果、当初提示された基本給に対して101,990円(1号)から162,855円(33号)(平均約13万円)、率としては、2.80%(1号)から2.54%(33号)(平均2.57%)増額させることができた。また、この基本給の増額により、当初組合が要求していた職務業績給の足伸ばしを、実質的に、教授で約6号、準教授で約8号、助教で約10号、助手で約11号実現することができたことになり、各職位の最高号での頭打ち問題がかなり緩和された。

 

今回の新給与制度における最も大きな問題である職務業績給に関しては、組合は、評価結果の反映対象と考えられる業績給が職務給と一体化された職務業績給の不鮮明さ・不適切さを指摘し、今後もその協議を継続することを求めるとともに、職務業績給が将来恣意的に運用されないよう歯止めをかけることに大きな力を注いだ。その結果、「職務業績給について恣意的な運用は行わない。特に、マイナス評価の職務業績給への反映については、組合と充分協議を行いながら慎重に検討する。」および「職務業績給に対する教員評価制度の結果の反映方法については、19年度に組合とあらためて協議を行う。」という文章を合意書に含めることに成功した。

 

平成18年度の凍結分の精算に対しては、組合は旧制度を適用して行うことを求めたが合意は得られず新制度によることとなったが、当初当局が提示した18年度から19年度の基本給の号間の1号差に相当する金額に対し、19331日時点での職位における職務業績給1号相当分(教授26,320円、準教授21,385円、助手14,805円)を加えさせることができた。また、17年度と18年度に旧制度を適用したとき、給与表上の級が1つ上の級に移行する(いわゆるワタリ)資格を持っていた教員に対しては、その修正を行ったときに生じる差額も精算に含めることが決まった。

 

退職手当に関する最終決着はまだついていないので現況を中心に述べる。既に当局から平成19331日で仮に退職したときの退職手当金額は最低保障するという経過措置が提示されているが、これに加えて、期限付ではあるが平成19331日時点の基本給を退職時の退職手当基礎額とする経過措置も含めるよう現在要求している。また、新制度における退職手当は、退職時の職務業績給月額に一定の掛率を乗じた金額を基本給月額に加えた金額を退職手当基礎額とするが、この掛率を当初提示の0.5から大幅アップするよう現在要求している。任期制同意者が任期更新回数の制限により将来退職せざるを得なくなったときの問題については、その生活保障のため「任期更新回数の制限により退職となる者に対する退職手当規程の策定について今後検討する。」という文章を合意書に含めることが決まった。

 

旧講師で現在給与表上の2級扱いとなっている準教授については、「準教授への昇任内規に照らし合わせ資格審査を行う。資格に達した場合は、旧制度における処遇整理を行った上で、準教授の職務業績給へ移行させる。資格に達していない場合は、現在の給与水準のまま準教授の職務業績給へ移行させる。」と回答している。

 

新規採用者の職務業績給の格付けについては、組合は、在職教員の職務業績給に比べ大きな差を生じないよう配慮することを求めている。当局は当初、他大学から準教授あるいは教授として新規採用された者の職務業績給の格付け方法については、「準教授以上は他大学における同一職位の経験年数1年を1号相当として格付ける。」としていたが、組合からの批判と要求に対して、「職務業績給の運用方法が決着した段階で調整が必要となった場合は修正を行う。」という文章を追加した。また、企業・公的機関等から、準教授あるいは教授として採用された者の職務業績給の格付けについて、当局は「企業、研究所等からの転職者については、その規模等が異なることから、一律に評価することは困難であるので、ケースを積み重ねていきたいと考えている。平成19年度以降、当分の間の採用者については、個別に検討する。」と回答している。

 

新給与制度への移行の際に、各教員に対し、「@経験年数を明示する。」、「A旧年俸から新年俸への移行計算の明細を示す。」、「B平成19331日時点で仮に退職したとした場合の退職手当額を明示する。」について合意を得ている。なお、任期制同意者に対する一時金については、新給与制度の問題とは切り離し、「給料表確定後(新給与制度確定後)、任期制の同意確認方法の説明とともに再度(組合に対し)説明を行う。」ということになった。

 

以上、新給与制度に関する折衝の結果と現況を報告させていただいたが、最終決着がついた段階で組合による説明会の開催を計画しています。

 

200735

 

 副執行委員長   横山 晴彦

 

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