“SD(self-development)シート”に記入できない理由 永岑三千輝氏『大学改革日誌』2007年5月31日付より(2007.6.1)

 

●《回答をせず、無視をするという対応に出ることによって、ヒラ教員の神経を逆なでしておきながら、「早く記入せよ。記入せねば最低の評価になりうる」と脅すのは、不誠実極まりない姿勢としか言いようがありません。》

《任期制・評価制度は、教員のクビ切りを便利に進める制度として導入が図られたという経緯があります。特に、改革に反対する教員のクビを切り、市の職員が教鞭をとる大学にすると言う構想とセットにされていました。》

《今すぐ、強行されようとしている評価制度はとりさげ、教員の全員参加を原則とする教授会のような組織の下で作り直すべきです。》

 

http://eba-www.yokohama-cu.ac.jp/~kogiseminagamine/SaishinNisshi2007/SaishinNisshi.htm 

 

 

“SD(self-development)シート”に記入できない理由 永岑三千輝氏『大学改革日誌』2007年5月31日付より(2007.6.1)

 

531日(2) 組合員の各方面から、SDシート記入登録に関する組合の態度を求める声が寄せられた。

 

他方では、提出できない旨を当局に提出し、それを組合にも送ってくれた組合員もいる。基本的趣旨は、大学自治が破壊された現状での教員評価制度は、到底容認できないということである。

教員組合に対する態度と同様、個々の教員からの真剣な質問にも、当局は何も答えていないことがわかる。・・・

 

 

----------ある組合員より---------

 

 

たびたびSDシート記入を催促するメールを頂いておりますが、現状では、記入することはできません。
 
一部の理由は、 1次評価者のコース長に伝えましたが、再度整理してお伝えします。


【記入できない理由】
1.教員評価制度に対して正式に文書で質問・意見を提示しましたが、いまだに回答がありません。回答をするという説明があったのに、回答がないままでは、SDシートに記入はできません。また、回答をすると明言しておきながら、きちんと対応しないのはあまりに不誠実です。回答をせず、無視をするという対応に出ることによって、ヒラ教員の神経を逆なでしておきながら、「早く記入せよ。記入せねば最低の評価になりうる」と脅すのは、不誠実極まりない姿勢としか言いようがありません。
 
これまでの経緯を簡単に記しますと、2005125日に開催された教員説明会で、質問や意見があったら提出してもらえればすべてにこたえるという説明がなされました。それを受けて、質問を文書にして(プリントアウトして)提出しましたが、何の回答もありませんでした。
 
さらに、同年228日に開催された勤務条件に関する説明会でも、318日に開催された組織に関する説明会でも、質問に答えるとの説明がありましたが、私の質問には答えていただけないままです。
 
思い余って、325日に回答をお願いしたい旨の申し入れをメールにて行いましたが、無視されたままです。そのメールに関しては、質問書そのものとともに教員組合にも提出してあるので、教員組合にも記録が残っているはずです。
 
評価制度に関しては、簡単なQ&A集のようなものが配布されましたが、私の質問に何ら答えるものではありません。
 
SDシートに記入せよというのであれば、説明するという約束を守り、私の質問に答えてからにして頂きたいと思います。

2.任期制・評価制度は、教員のクビ切りを便利に進める制度として導入が図られたという経緯があります。特に、改革に反対する教員のクビを切り、市の職員が教鞭をとる大学にすると言う構想とセットにされていました。
 
評価制度は、FacultyDevelopment という意義があるというようなことが説明されていますが、上記のような経緯を知っている者としては、そのような説明に納得することはできませんし、安易に同意することはできません
 
もし、「便利なクビ切りの制度ではない」といわれるのであれば、「教員の処遇とは結び付けない」と明言していただきたいと思います。上記のようなよこしまな企図がないのであれば、処遇と結び付けないと明言することは可能なはずです。「それでは、不祥事を起こした教員も処分できないことになる」などというのは詭弁です。不祥事教員に対処する制度は、評価制度に依存しなくてもできるはずです。
 
特に市大は、倫理法令順守体制を整えているわけですから、その精神に則って、制度整備を進めればよいであろうと思われます。

3.現在、実施されてきている教員評価制度とそれを強制しようとする姿勢、また、質問に答えると約しておきながら答えないままであることは、横浜市大が整備してきている倫理法令順守に抵触しないのですか?教員から疑問が上がっており、公正性・客観性が確保されていない教員評価制度は、これに明らかに抵触します。大学は、自己矛盾に陥っています。今すぐ、強行されようとしている評価制度はとりさげ、教員の全員参加を原則とする教授会のような組織の下で作り直すべきです。
 
一部の職員がつじつま合わせに作った制度よりは、(FacultyDevelopmentという点で)はるかに有効に機能する制度になるはずです。