ストロナク横浜市立大学学長宛公開質問状 《大学の管理職人事を円滑に行うために特定の人物を昇任させることを意図してこの改訂がされたのではないか》 永岑三千輝氏『大学改革日誌』(2007年7月3日付)より(2007.7.4)

 

http://eba-www.yokohama-cu.ac.jp/~kogiseminagamine/SaishinNisshi2007/SaishinNisshi.htm

 

 

質 問 状

 

ストロナク横浜市立大学学長殿 平成19年6月27日 

横浜市立大学教員有志 一楽重雄 吉岡直人 永岑三千輝    

 

平成18年11月10日に施行された教員昇任規程、及び教員昇任内規についてお尋ねします。

 

教員の昇任の規程は、大学にとって重要事項であると思います。この規程の改正は学校教育法59条により教授会審議が必要であったのではないでしょうか。当初規程が制定された際には、コース長等が案を作成したと聞いていますし、教授会代議員会においても報告がなされました。この改訂については、そのような手続きもとられず直接人事委員会で審議され、教授会代議員会への報告もなされていません。

 

4月に発令された昇任人事と照らし合わせると、大学の管理職人事を円滑に行うために特定の人物を昇任させることを意図してこの改訂がされたのではないかという疑惑が生じます。もし、そのようなことがあったとすれば、大学の根本を揺るがす重大な問題です。仮に昇任審査をいくら公平に行ったとしても、審査基準自体を変えてしまったのでは、人事の公平性が保たれるわけがありません。

 

私たちは、4月の昇任人事において以前の規程では昇任の資格のなかった人が昇任を発令され、十分な資格を持った人が昇任されなかったという事実があったのではないかとの疑念を持っています。このようなことがあったとすれば、この規程の改訂が今回昇任されなかった人については重大な不利益を生じさせたことになったと思われます。

 

このような改訂が、教員全体に一言も説明されないまま、いつのまにか実施されたことは大学運営の基本に関わる重大な問題です。

 

現在、教員評価制度が実施されようとしていますが、評価の最重要事項のひとつである昇任の問題がこのように不透明で公平性を疑われるようなことでは、とても教員評価などができる状態ではないのではないでしょうか。

 

人事の透明性と公平性を確保することを改めて要求すると同時に、以下の質問にお答えくださるよう求めます。文書による速やかな回答をお願い致します。

 

1.これらの規程・内規と以前の規程・内規との違いをお知らせください。

2.それぞれの改訂の理由をお知らせください。

3.教授会代議員会で審議しないことは、学校教育法59条に違反していると思います。この点について、学長の見解をお知らせください。

4.教授会代議員会で報告すらされなかったのはなぜなのか説明してください。

5.「経過措置」なるものが,規程制定後一年近く経過してから設けられたのは不自然です。このことの理由を説明してください。

以上

 

参考:学校教育法

 

第五十九条  大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない。

○2  教授会の組織には、准教授その他の職員を加えることができる。